2人の雲
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校内で風紀を取り締まっていた雲雀は、珍しく途中で仕事を切り上げ屋上へと向かった。
守護者としての継承を認める認定試験とやらの事で、沢田たちが己を捲き込み騒ぎ立てているのが煩わしかったのだ。
「うわ、風紀委員長!?」
「す、すいません!!」
屋上のドアを開けた途端、ジャンプを読んでいた男子生徒2人が雲雀に気づき、慌てて屋上から退散した。雲雀は一瞬男子生徒に視線を走らせたが、特別深追いはしなかった。
「ん…?」
ふと気配を感じてトンファーを構える。と同時に目の前に紫の炎が揺れた。
昨夜と同じ。炎は人の姿へと形を変える。それは、雲雀が待ち望んでいた相手。
「待ってたよ」
「早合点してもらっては困るね。僕は君と戦う気はない」
アラウディが応えると、雲雀は徐に彼にトンファーを振るう。しかしアラウディはそれを難なく避け、梯子の上にある貯水槽へと降りた。
「その程度じゃ、やっぱり興味が湧かないな」
呟かれた言葉は、雲雀にとって屈辱でしかない。
「初代ボンゴレファミリーと言っても、僕はなにかに属するのが嫌いなんだ」
「?」
己と酷似したその感性に、雲雀は一瞬アラウディの話に引き込まれた。
「だが、君が雲の守護者を継承するに値するかは確認しなければならない。その為に君と戦うつもりはないんだけどね」
「ふうん。戦わないなら僕も興味ないよ」
しかしそこまでだった。雲雀は若干棘のある言葉を吐き捨てると、踵を返して屋上を去ろうとした。
そんな雲雀の様子に、アラウディはらしくない深い溜め息をついた。
Ⅰ世の正義と己の考えが一致した時以外、ファミリーとして動く事など皆無に等しかった自分だ。
本来ならⅩ世の守護者の見極めなど興味はない。しかし緊迫した状況と……"彼女"への想いがそれを許してはくれなかった。
雲の守護者として以上に、彼の彼女に対する愛を確認したい。彼女をその腕に抱くに相応しいか……しっかりと見極めなければ。
アラウディは懐から懐中時計を取りだし、それを開いた。
針の代わりに紫の炎が燃えている。
それを確認してから、己が立つ貯水槽の下に一度視線を落とした。
……仕方ない。
「一応言っておくよ。なんらかの形で君が雲の守護者としての存在価値を見せてくれれば、継承は認める。方法は君に任せるよ。ただし……今日中にね」
雲雀は認定試験の内容を背中腰に聞いた。物影に隠れ、それを盗み聞きするスカルの姿…。
守護者としての継承を認める認定試験とやらの事で、沢田たちが己を捲き込み騒ぎ立てているのが煩わしかったのだ。
「うわ、風紀委員長!?」
「す、すいません!!」
屋上のドアを開けた途端、ジャンプを読んでいた男子生徒2人が雲雀に気づき、慌てて屋上から退散した。雲雀は一瞬男子生徒に視線を走らせたが、特別深追いはしなかった。
「ん…?」
ふと気配を感じてトンファーを構える。と同時に目の前に紫の炎が揺れた。
昨夜と同じ。炎は人の姿へと形を変える。それは、雲雀が待ち望んでいた相手。
「待ってたよ」
「早合点してもらっては困るね。僕は君と戦う気はない」
アラウディが応えると、雲雀は徐に彼にトンファーを振るう。しかしアラウディはそれを難なく避け、梯子の上にある貯水槽へと降りた。
「その程度じゃ、やっぱり興味が湧かないな」
呟かれた言葉は、雲雀にとって屈辱でしかない。
「初代ボンゴレファミリーと言っても、僕はなにかに属するのが嫌いなんだ」
「?」
己と酷似したその感性に、雲雀は一瞬アラウディの話に引き込まれた。
「だが、君が雲の守護者を継承するに値するかは確認しなければならない。その為に君と戦うつもりはないんだけどね」
「ふうん。戦わないなら僕も興味ないよ」
しかしそこまでだった。雲雀は若干棘のある言葉を吐き捨てると、踵を返して屋上を去ろうとした。
そんな雲雀の様子に、アラウディはらしくない深い溜め息をついた。
Ⅰ世の正義と己の考えが一致した時以外、ファミリーとして動く事など皆無に等しかった自分だ。
本来ならⅩ世の守護者の見極めなど興味はない。しかし緊迫した状況と……"彼女"への想いがそれを許してはくれなかった。
雲の守護者として以上に、彼の彼女に対する愛を確認したい。彼女をその腕に抱くに相応しいか……しっかりと見極めなければ。
アラウディは懐から懐中時計を取りだし、それを開いた。
針の代わりに紫の炎が燃えている。
それを確認してから、己が立つ貯水槽の下に一度視線を落とした。
……仕方ない。
「一応言っておくよ。なんらかの形で君が雲の守護者としての存在価値を見せてくれれば、継承は認める。方法は君に任せるよ。ただし……今日中にね」
雲雀は認定試験の内容を背中腰に聞いた。物影に隠れ、それを盗み聞きするスカルの姿…。