雲鳥の統べる空
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ゴロゴロと勢いよく転がったボーリングのボールが、並べられたピンを全て転がり倒す。
「骸さ~ん。どーだったんれすかー?並中のボスの……スズメだっけ?アヒルだっけ?」
「ハズレでしたよ。歯を取るまで横になってもらってます」
組んでいた長い足を組み替えながら、ソファーに座る骸が城島に答えた。
「っひゃ~、生きてんのかな~?そいつ。そーいやーアヒルの彼女はどーしたんれすか?」
「彼女にも休んでもらっています。元々"ボンゴレ"の疑いのある雲雀恭弥を誘き出す為に捕まえてきた餌ですからね。既に利用価値はない」
「っひゃ、かえーそー。骸さんてば相変わらず女にも容赦ないびょん!」
「クフフフ」
そうだ。雲雀恭弥を仕留めた今となっては彼女はもう意味のない人質。なのになぜ、今まで誰にも話した事のない"昔話"など幸子に聞かせてしまったのか。
答えは明白。幸子なら理解してくれると思ったから。
考えていて骸は可笑しくなる。
理解?何を?
マフィアなどとは無縁で育ってきた彼女に、どんな理解を求めるというのか。
それに、あんな話をするなど…どうかしています。
「それより…千種はどうしました?」
全ての馬鹿げた考えを打ち消すように、骸は話題を変えた。
―――――‥‥
「…っ……」
目を覚ますと薄暗い部屋にいた。
部屋というには狭く、なんとも殺風景なそこ。
四方が壁に囲まれている所を見ると、中からは開けられない細工の施された部屋のようだ。
絶え間ない痛みに襲われながら、雲雀はぐるりと辺りを見渡した。
確実に骨の何本かは折れてしまっているだろう。全身の至るところが打撲しているに違いない。
本来なら、決して立つ事も起き上がる事さえ出来ないような大怪我を負わされ、それでも雲雀は上体を起こし片膝を立てて座った。
身体に受けた怪我よりも、心に受けた屈辱が遥かに大きかった。それに――‥
「私で代わりになるなら…そうして下さい」
自己犠牲とも取れる幸子の言葉が酷く雲雀の気に障っていた。
許せない。
そんな言葉を吐いた幸子も。そんな言葉を吐かせた己も。
それは全て幸子への愛からくる苛立ち。
(幸子…)
だからこそ、同時に襲う彼女への想いは底知れず。
待ってて。すぐ迎えに行くから。
雲雀は反撃の時を待ちながら目を閉じた。
「骸さ~ん。どーだったんれすかー?並中のボスの……スズメだっけ?アヒルだっけ?」
「ハズレでしたよ。歯を取るまで横になってもらってます」
組んでいた長い足を組み替えながら、ソファーに座る骸が城島に答えた。
「っひゃ~、生きてんのかな~?そいつ。そーいやーアヒルの彼女はどーしたんれすか?」
「彼女にも休んでもらっています。元々"ボンゴレ"の疑いのある雲雀恭弥を誘き出す為に捕まえてきた餌ですからね。既に利用価値はない」
「っひゃ、かえーそー。骸さんてば相変わらず女にも容赦ないびょん!」
「クフフフ」
そうだ。雲雀恭弥を仕留めた今となっては彼女はもう意味のない人質。なのになぜ、今まで誰にも話した事のない"昔話"など幸子に聞かせてしまったのか。
答えは明白。幸子なら理解してくれると思ったから。
考えていて骸は可笑しくなる。
理解?何を?
マフィアなどとは無縁で育ってきた彼女に、どんな理解を求めるというのか。
それに、あんな話をするなど…どうかしています。
「それより…千種はどうしました?」
全ての馬鹿げた考えを打ち消すように、骸は話題を変えた。
―――――‥‥
「…っ……」
目を覚ますと薄暗い部屋にいた。
部屋というには狭く、なんとも殺風景なそこ。
四方が壁に囲まれている所を見ると、中からは開けられない細工の施された部屋のようだ。
絶え間ない痛みに襲われながら、雲雀はぐるりと辺りを見渡した。
確実に骨の何本かは折れてしまっているだろう。全身の至るところが打撲しているに違いない。
本来なら、決して立つ事も起き上がる事さえ出来ないような大怪我を負わされ、それでも雲雀は上体を起こし片膝を立てて座った。
身体に受けた怪我よりも、心に受けた屈辱が遥かに大きかった。それに――‥
「私で代わりになるなら…そうして下さい」
自己犠牲とも取れる幸子の言葉が酷く雲雀の気に障っていた。
許せない。
そんな言葉を吐いた幸子も。そんな言葉を吐かせた己も。
それは全て幸子への愛からくる苛立ち。
(幸子…)
だからこそ、同時に襲う彼女への想いは底知れず。
待ってて。すぐ迎えに行くから。
雲雀は反撃の時を待ちながら目を閉じた。