雲鳥の統べる空
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黒曜ヘルシーランド。
一昨年起きた土砂崩れにより閉鎖したそこは、今や誰も近づかない廃墟と化していた。
そんな廃墟に築かれていく、咬み殺された黒曜生の山…。
端正な顔に僅かに返り血を浴びながら、雲雀恭弥は同じく返り血で染まるトンファーを一振りした。
被害者の証言等から、イタズラの首謀者の見当はついていた。
狩りに出ようとした雲雀。
その直前、消えた幸子。
そして応接室の執務机の上に置かれていたリボン。
イタズラの首謀者が己を挑発し、誘き出そうとしているのは明白だ。しかしその餌に幸子を使うなど、愚かとしかいいようがない。
「オラァッ!」
物影から襲いかかってきた黒曜生のバットを、雲雀はなんなくトンファーで受け止めた。
「僕は今機嫌が悪いんだ。近づかないでくれる?」
トンファーを振り バットを弾くと、そのまま反動で黒曜生の鳩尾を殴打した。間髪入れず顔面を殴りつければ、黒曜生はガラスを突き破り伸された。
そして雲雀は再び歩き出した。
(幸子…)
無意識に考えてしまうのは幸子のこと。彼女の無事を一番に願う己に気づき、雲雀は自嘲するように笑む。
まさか僕が、誰かの無事を願う日が来るなんてね。
廃墟内は広かったが、道はほとんど遮断されていて、ほぼ一本道であった。
黒曜生を薙ぎ倒しながら、ようやく辿り着いたそこ。
空気が一気に変わった。
「やあ」
「よく来ましたね」
ソファーに座る二つの影。
ひとつは見知らぬ男。
もうひとつは…よく知る愛しい女。
「恭弥!!」
骸の隣に座らされた幸子が雲雀を呼んだ。見ると、彼女の腕は藍色の光のようなもので拘束されている。
「返してもらうよ。それは僕のものだ」
「クフフフ。あなたが来るのを幸子さんと一緒に待っていましたよ」
「随分探したよ。君がイタズラの首謀者?」
雲雀は殺気を抑えようともせずに、不敵な笑みを浮かべて尋ねた。
「クフフ。そんな所ですかね。そして君の街の新しい秩序」
「ねぼけてるの?並盛に秩序は二ついらない」
その言葉に、骸は薄い笑みを見せた。
「全く同感です。僕がなるから君はいらない。
クフフ…そうですね。並盛と一緒に幸子さんも頂きましょうか」
雲雀が鋭いまなざしで骸を見た。
「それはどっちも叶わないよ」
仕込みトンファーから複数の刺が現れた。雲雀はゆっくりとそれを構える。
「君はここで咬み殺す」
一昨年起きた土砂崩れにより閉鎖したそこは、今や誰も近づかない廃墟と化していた。
そんな廃墟に築かれていく、咬み殺された黒曜生の山…。
端正な顔に僅かに返り血を浴びながら、雲雀恭弥は同じく返り血で染まるトンファーを一振りした。
被害者の証言等から、イタズラの首謀者の見当はついていた。
狩りに出ようとした雲雀。
その直前、消えた幸子。
そして応接室の執務机の上に置かれていたリボン。
イタズラの首謀者が己を挑発し、誘き出そうとしているのは明白だ。しかしその餌に幸子を使うなど、愚かとしかいいようがない。
「オラァッ!」
物影から襲いかかってきた黒曜生のバットを、雲雀はなんなくトンファーで受け止めた。
「僕は今機嫌が悪いんだ。近づかないでくれる?」
トンファーを振り バットを弾くと、そのまま反動で黒曜生の鳩尾を殴打した。間髪入れず顔面を殴りつければ、黒曜生はガラスを突き破り伸された。
そして雲雀は再び歩き出した。
(幸子…)
無意識に考えてしまうのは幸子のこと。彼女の無事を一番に願う己に気づき、雲雀は自嘲するように笑む。
まさか僕が、誰かの無事を願う日が来るなんてね。
廃墟内は広かったが、道はほとんど遮断されていて、ほぼ一本道であった。
黒曜生を薙ぎ倒しながら、ようやく辿り着いたそこ。
空気が一気に変わった。
「やあ」
「よく来ましたね」
ソファーに座る二つの影。
ひとつは見知らぬ男。
もうひとつは…よく知る愛しい女。
「恭弥!!」
骸の隣に座らされた幸子が雲雀を呼んだ。見ると、彼女の腕は藍色の光のようなもので拘束されている。
「返してもらうよ。それは僕のものだ」
「クフフフ。あなたが来るのを幸子さんと一緒に待っていましたよ」
「随分探したよ。君がイタズラの首謀者?」
雲雀は殺気を抑えようともせずに、不敵な笑みを浮かべて尋ねた。
「クフフ。そんな所ですかね。そして君の街の新しい秩序」
「ねぼけてるの?並盛に秩序は二ついらない」
その言葉に、骸は薄い笑みを見せた。
「全く同感です。僕がなるから君はいらない。
クフフ…そうですね。並盛と一緒に幸子さんも頂きましょうか」
雲雀が鋭いまなざしで骸を見た。
「それはどっちも叶わないよ」
仕込みトンファーから複数の刺が現れた。雲雀はゆっくりとそれを構える。
「君はここで咬み殺す」