並盛町 夜９時―‥
平和な並盛に響く、顎を砕き骨を折る凄惨な音。
「よえーよえー。風紀委員恐るるに足らーず！」
「貴様ら…何者だ…」
散々に殴られ倒れた風紀委員は 状況を呑み込む事が出来ず、己に危害を加えた二人組を見上げた。
「遠征試合にやってきた となり町ボーイズ？」
「それ つまんないよ。早く済ましてよ、犬」
興奮に荒い息を吐きながら男の一人が言うと、ニット帽を被った眼鏡の男が面倒くさそうに言った。
「うっさいな柿ピー。今からやるびょん」
犬と呼ばれた男がペンチを取り出した。
「こいつ何本だっけか？」
鈍く光るそれは、既にボロボロの風紀委員の恐怖を煽るには申し分なく。
「なっ、何をする気だ!?」
「恨まないでね～。上の命令だから」
むんずと髪を掴まれる。
「まて！や…やめ…!!」
次には風紀委員の悲鳴と、抜くというよりは何かを折るような音が辺りに響き渡った。