once again
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「10代目っ!!」
「ツナ!!」
デイモンの幻覚空間から解放された獄寺、山本、ランボ、それにジュリーが沢田と古里の許へと駆け寄る。
「炎真!!」
続けて復讐者の牢獄に囚われていた仲間達も無事解放され、元気な姿を見せた。
そんな一同を余所に、傷つき倒れた骸の体を起こすクロームの頬は涙に濡れていた。
「なぜ泣くのです。やっとD・スペードの脅威が去ったというのに」
「はい…」
クロームがぐいと涙を拭う。
「僕にとっては得るものの方が大きかった…」
ムクロウの憑依を解き、己の肉体に戻った骸が言った。
そして――‥
「幸子」
しゃがみ込んだままの幸子に声をかけると、幸子は俯いていた顔を上げ雲雀を見上げた。
「っ、恭弥…」
今にも泣き出しそうな潤んだ瞳が雲雀を映し揺れていた。
「おいで」
幸子が差しのべられた手を取ると、雲雀は幸子の白い手を握り己の胸に引き寄せた。
後頭部を優しく撫でられれば込み上げてくるものを押さえ切れず、堪えていた感情を解放するように、幸子は声を殺して泣いた。
「全て終わったよ」
「うん…っ」
幸子は雲雀の胸に顔を埋めたまま、くぐもった声で応えた。
後頭部を撫でていた温かい手は下り、今度は震える背中を撫でる。
戦いに無縁の幸子にとって、今回の一件は非常に辛い出来事だったろう。
「頑張ったね、幸子」
耳許で囁くと、幸子は顔を上げ、泣き腫らした目で雲雀を見た。
「私なんて…っ、恭弥やみんなに比べたら…っ!」
労うべきは雲雀や沢田達の方だ。
頑張った、なんて言ってもらえる事を自分は何もしてない。
むしろデイモンに捕らえられ、雲雀を危険に曝してしまった。
「私っ、恭弥に守られてばかりで……っ」
「それのどこが悪いの?」
指の腹で幸子の頬を伝う涙を拭ってやりながら雲雀が続けた。
「幸子は僕のものだ。君が僕に守られる事のどこが悪いの?」
「っ…」
「僕が僕のものを守って何が悪いんだい?」
雲雀という男は…そうなのだ。
いつもこうして自分の懸念を簡単に払拭してしまう。
いつもこうして自分は雲雀の強さと優しさに守られているのだ。
「ありがとう 恭弥」
「馬鹿な事考えてないで、最初からそう素直に言いなよね」
強い物言いの中に、あなたからの溢れる愛を感じる。
「うん…っ」
頷くと、そっと両手で頬を包まれた。
いつも意地悪く微笑んでいるその表情が、今はとても優しい微笑みを浮かべていて。
そっと唇が重ねられた。
「ツナ!!」
デイモンの幻覚空間から解放された獄寺、山本、ランボ、それにジュリーが沢田と古里の許へと駆け寄る。
「炎真!!」
続けて復讐者の牢獄に囚われていた仲間達も無事解放され、元気な姿を見せた。
そんな一同を余所に、傷つき倒れた骸の体を起こすクロームの頬は涙に濡れていた。
「なぜ泣くのです。やっとD・スペードの脅威が去ったというのに」
「はい…」
クロームがぐいと涙を拭う。
「僕にとっては得るものの方が大きかった…」
ムクロウの憑依を解き、己の肉体に戻った骸が言った。
そして――‥
「幸子」
しゃがみ込んだままの幸子に声をかけると、幸子は俯いていた顔を上げ雲雀を見上げた。
「っ、恭弥…」
今にも泣き出しそうな潤んだ瞳が雲雀を映し揺れていた。
「おいで」
幸子が差しのべられた手を取ると、雲雀は幸子の白い手を握り己の胸に引き寄せた。
後頭部を優しく撫でられれば込み上げてくるものを押さえ切れず、堪えていた感情を解放するように、幸子は声を殺して泣いた。
「全て終わったよ」
「うん…っ」
幸子は雲雀の胸に顔を埋めたまま、くぐもった声で応えた。
後頭部を撫でていた温かい手は下り、今度は震える背中を撫でる。
戦いに無縁の幸子にとって、今回の一件は非常に辛い出来事だったろう。
「頑張ったね、幸子」
耳許で囁くと、幸子は顔を上げ、泣き腫らした目で雲雀を見た。
「私なんて…っ、恭弥やみんなに比べたら…っ!」
労うべきは雲雀や沢田達の方だ。
頑張った、なんて言ってもらえる事を自分は何もしてない。
むしろデイモンに捕らえられ、雲雀を危険に曝してしまった。
「私っ、恭弥に守られてばかりで……っ」
「それのどこが悪いの?」
指の腹で幸子の頬を伝う涙を拭ってやりながら雲雀が続けた。
「幸子は僕のものだ。君が僕に守られる事のどこが悪いの?」
「っ…」
「僕が僕のものを守って何が悪いんだい?」
雲雀という男は…そうなのだ。
いつもこうして自分の懸念を簡単に払拭してしまう。
いつもこうして自分は雲雀の強さと優しさに守られているのだ。
「ありがとう 恭弥」
「馬鹿な事考えてないで、最初からそう素直に言いなよね」
強い物言いの中に、あなたからの溢れる愛を感じる。
「うん…っ」
頷くと、そっと両手で頬を包まれた。
いつも意地悪く微笑んでいるその表情が、今はとても優しい微笑みを浮かべていて。
そっと唇が重ねられた。