once again
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「幸子…」
己の側にしゃがみこんだ幸子に気づいて、デイモンがその名を呼んだ。
彼女を前にすれば、未だ己がどれだけ幸子を愛しているのか思い知る。
「自ら私の許へ来るとは…驚きました」
「お願いがあります」
「お願い…?さて、何でしょう」
「もう…自分の事を許してあげて下さい」
「!!!」
思いもよらない言葉に、デイモンは驚愕したまま幸子を見つめた。
デイモンがエレナの死に対し、ずっと己を責め続けていた事は明白で。
そしてそれは、デイモンを強いボンゴレに固執させてしまったひとつの要因となった。
「エレナさんはあなたを責めてない。だから…罪の意識から自分を解放してあげて」
聖女になるつもりなど全くない。
ただ、そろそろ彼を"指命"から解き放ってやりたいと素直に思った。
「幸子、君は――」
私を責めていないのですか
デイモンが問う。
幸子は黙ってデイモンを見つめ頷いた。
「うん、私も…。だから安心してエレナさんの許に帰ってあげて」
僅かな間があり、そして。
「なるほど。君は確かにリブだ」
「私は木梨幸子だよ」
「ヌフフフフ。そうでしたね、幸子」
デイモンが笑い、真剣な表情で幸子に告げる。
「幸子、あなたを愛しています」
ああ、やっと言えた。
狂気めいた愛ではなく、それは純粋に幸子の胸に届いた。だからこそ、幸子も真剣にデイモンに向き合った。
「ありがとう。すごく嬉しい…。でも私は…雲雀恭弥を愛してる」
嘘偽りない幸子の気持ちだった。
そこに恥ずかしさや迷いは一切なく。
「それがあなたの答えなのですね…幸子」
その言葉を聞いたデイモンの表情は、いつになく穏やかだった。
それからデイモンは、ゆっくりと視線を幸子の上へと向けた。
「雲雀…恭弥…」
いつの間にか雲雀は、幸子の背後に立ってデイモンを見下ろしていた。
凛とした青灰色の瞳が、彼を静かに映している。
「"強くなければ愛する女性一人救えない"」
「?…」
「君の言葉には同感だよ」
おもむろに雲雀が口を開いた。
「ただ、君には決定的なものが欠けていたけどね」
「ほう。それは一体何でしょう?」
「"心の強さ"だよ」
雲雀が続けた。
「力だけじゃなく心も強くなければ、それは真の強さとは言えない。君には心の強さが欠けていた」
「はっきり言ってくれますね」
「幸子は僕に任せて、君はさっさと眠りなよ」
「ヌフフフ。雲雀恭弥…全くもって忌々しい雲だ」
微笑んだデイモンが毒を含んだ言葉を紡いだ。
「しっかりと幸子を幸せにしなさい」
「フン。君に言われるまでもないね」
勝ち気な笑みを浮かべた雲雀が吐き捨てるように言った。
「彼女を泣かせるような事があれば、直ぐに奪いに来ます」
不敵に笑うと、デイモンは再び幸子を見た。
「幸子」
「ん…?」
「いずれ、また…」
リブに手を出せなかった理由はもうひとつある。
「何十年ぶりかに眠いと感じる……。エレナの気持ちを聞けて…緊張が解けたようです」
それは…人生を捧げたはずのエレナへの"罪悪感"。
「お前のやり方を見せてもらいましょう、沢田綱吉」
私は本気で愛してしまったのだ。
"指命"など投げ出してしまいたい程に――‥
「ただし、名を汚すような事があれば許しませんよ」
幸子、あなたを。
「エレナの愛したボンゴレなのだから」
そしてD・スペードの姿は完全に消えた。
風に流れ、時を越え、エレナの許へと帰って行った。
己の側にしゃがみこんだ幸子に気づいて、デイモンがその名を呼んだ。
彼女を前にすれば、未だ己がどれだけ幸子を愛しているのか思い知る。
「自ら私の許へ来るとは…驚きました」
「お願いがあります」
「お願い…?さて、何でしょう」
「もう…自分の事を許してあげて下さい」
「!!!」
思いもよらない言葉に、デイモンは驚愕したまま幸子を見つめた。
デイモンがエレナの死に対し、ずっと己を責め続けていた事は明白で。
そしてそれは、デイモンを強いボンゴレに固執させてしまったひとつの要因となった。
「エレナさんはあなたを責めてない。だから…罪の意識から自分を解放してあげて」
聖女になるつもりなど全くない。
ただ、そろそろ彼を"指命"から解き放ってやりたいと素直に思った。
「幸子、君は――」
私を責めていないのですか
デイモンが問う。
幸子は黙ってデイモンを見つめ頷いた。
「うん、私も…。だから安心してエレナさんの許に帰ってあげて」
僅かな間があり、そして。
「なるほど。君は確かにリブだ」
「私は木梨幸子だよ」
「ヌフフフフ。そうでしたね、幸子」
デイモンが笑い、真剣な表情で幸子に告げる。
「幸子、あなたを愛しています」
ああ、やっと言えた。
狂気めいた愛ではなく、それは純粋に幸子の胸に届いた。だからこそ、幸子も真剣にデイモンに向き合った。
「ありがとう。すごく嬉しい…。でも私は…雲雀恭弥を愛してる」
嘘偽りない幸子の気持ちだった。
そこに恥ずかしさや迷いは一切なく。
「それがあなたの答えなのですね…幸子」
その言葉を聞いたデイモンの表情は、いつになく穏やかだった。
それからデイモンは、ゆっくりと視線を幸子の上へと向けた。
「雲雀…恭弥…」
いつの間にか雲雀は、幸子の背後に立ってデイモンを見下ろしていた。
凛とした青灰色の瞳が、彼を静かに映している。
「"強くなければ愛する女性一人救えない"」
「?…」
「君の言葉には同感だよ」
おもむろに雲雀が口を開いた。
「ただ、君には決定的なものが欠けていたけどね」
「ほう。それは一体何でしょう?」
「"心の強さ"だよ」
雲雀が続けた。
「力だけじゃなく心も強くなければ、それは真の強さとは言えない。君には心の強さが欠けていた」
「はっきり言ってくれますね」
「幸子は僕に任せて、君はさっさと眠りなよ」
「ヌフフフ。雲雀恭弥…全くもって忌々しい雲だ」
微笑んだデイモンが毒を含んだ言葉を紡いだ。
「しっかりと幸子を幸せにしなさい」
「フン。君に言われるまでもないね」
勝ち気な笑みを浮かべた雲雀が吐き捨てるように言った。
「彼女を泣かせるような事があれば、直ぐに奪いに来ます」
不敵に笑うと、デイモンは再び幸子を見た。
「幸子」
「ん…?」
「いずれ、また…」
リブに手を出せなかった理由はもうひとつある。
「何十年ぶりかに眠いと感じる……。エレナの気持ちを聞けて…緊張が解けたようです」
それは…人生を捧げたはずのエレナへの"罪悪感"。
「お前のやり方を見せてもらいましょう、沢田綱吉」
私は本気で愛してしまったのだ。
"指命"など投げ出してしまいたい程に――‥
「ただし、名を汚すような事があれば許しませんよ」
幸子、あなたを。
「エレナの愛したボンゴレなのだから」
そしてD・スペードの姿は完全に消えた。
風に流れ、時を越え、エレナの許へと帰って行った。