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雲雀は僅かに息を切らしながら、目の前の壁を鋭いまなざしで見つめた。
視界の隅に入るスクリーンの中では、未だ幻術で雲雀に姿を変えたデイモンが幸子を抱きしめている。その光景が余計に雲雀の中に焦燥を生んだ。
(幸子…)
頭に浮かぶのは何よりも愛しい女。
己の姿をした"それ"に、寄り添い告げた彼女の言葉が雲雀の耳から離れない。
『愛してる…』
それは間違いなく、雲雀本人に告げられた言葉。
今 己を抱く男が雲雀ではなくデイモンである等と、幸子は知る由もないのだから。
だからこそ…幸子の心からの言葉であるからこそ、受け入れがたいのだ。
「…っ……」
口の端に流れた血を拭うと、雲雀は一呼吸し意識を集中させた。
トンファーに凄まじい量の紫の炎が宿る。そのまま雲雀は更に意識を研ぎ澄ます。
クローム髑髏が作り出した結界 霧のカーテンに己を同調させた時と同じ要領で――‥
雲雀の纏う炎の流れが変わった。
大きく揺らいでいた紫の炎は、今は静かな藍色を湛えトンファーを包んでいる。
雲雀の雲属性とは違う、その炎の色はインディゴ。
トンファーを構えると、再び壁を殴打した。
ガキィィンと音がして、さっきまで傷ひとつ付けられなかったその壁に細い亀裂が走る。雲雀は尚も霧の波動を纏ったトンファーでそこを殴打し続けた。
視界の隅に入るスクリーンの中では、未だ幻術で雲雀に姿を変えたデイモンが幸子を抱きしめている。その光景が余計に雲雀の中に焦燥を生んだ。
(幸子…)
頭に浮かぶのは何よりも愛しい女。
己の姿をした"それ"に、寄り添い告げた彼女の言葉が雲雀の耳から離れない。
『愛してる…』
それは間違いなく、雲雀本人に告げられた言葉。
今 己を抱く男が雲雀ではなくデイモンである等と、幸子は知る由もないのだから。
だからこそ…幸子の心からの言葉であるからこそ、受け入れがたいのだ。
「…っ……」
口の端に流れた血を拭うと、雲雀は一呼吸し意識を集中させた。
トンファーに凄まじい量の紫の炎が宿る。そのまま雲雀は更に意識を研ぎ澄ます。
クローム髑髏が作り出した結界 霧のカーテンに己を同調させた時と同じ要領で――‥
雲雀の纏う炎の流れが変わった。
大きく揺らいでいた紫の炎は、今は静かな藍色を湛えトンファーを包んでいる。
雲雀の雲属性とは違う、その炎の色はインディゴ。
トンファーを構えると、再び壁を殴打した。
ガキィィンと音がして、さっきまで傷ひとつ付けられなかったその壁に細い亀裂が走る。雲雀は尚も霧の波動を纏ったトンファーでそこを殴打し続けた。