2人の雲雀
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雲雀を閉じ込めた異空間を抜け、デイモンは幸子を捕らえた異空間へと移動した。
姿を闇に溶け込ませ、しばし様子を伺う。
不安そうに雲雀の名を呼ぶ幸子。
ほら、また。
幸子はいつも雲雀にすがろうとする。まるで他の者など見えていないかのように。彼が己の全てであるかのように。
いつの時代でも幸子を惑わす忌々しい雲。彼女の心を捕らえて離さない忌々しい雲。
ですが…それも今日までです。
これから私は幸子の全てを奪う。
雲雀恭弥…お前の見ている前で。
心も身体も私のものになる幸子を見る事に、あなたの精神はどこまで耐えられるでしょう。ヌフフ…楽しみです。
さて、始めましょうか。
「恭弥……どこにいるの…?」
「幸子」
突然聞こえた雲雀の声に、幸子は必死で周囲を見回している。
「ここだよ、幸子」
雲雀の姿を借りたデイモンが、フッと異空間に姿を現した。
「恭弥!」
幸子はなんの疑いもせず、真っ直ぐにデイモンに向かって駆けてくると思われた。
しかし、なぜか彼女は寸前でその足を止める。
「あ、あれ…っ?私…」
その行動に当の幸子本人も戸惑っているようだった。焦れたデイモンは、そのまま幸子の腕を引いて強く抱き寄せる。
「幸子」
その温もりに触れる事を何度夢見た事だろう。
「恭…弥…?」
「……やっと……」
やっと…私のものに…
「えっ…?」
顔を上げた幸子の瞳に吸い寄せられるように、デイモンはゆっくりと顔を近づけた。
これからお前は私の名だけを呼び、私だけを見て、私の傍で生きるのです……幸子。
唇が触れあう瞬間……
「!」
ドンッとデイモンの胸を押し、幸子はそれを拒否した。
「どうしたんだい、幸子」
僅かな動揺を見せながら幸子に問いかけると、その瞳に怯えたような色が浮かんでいる。
私の完璧な幻術が、戦う力を持たない無知な彼女に見破れる訳がない。
そう思いながらも、デイモンは雲雀の姿で探るような質問をする。
「僕を嫌いになったのかい?」
「そんな事ない!!」
慌てて首を横に振った幸子は、やがてデイモンの胸にそっと寄り添うと、静かな声で言った。
「愛してる…」
幸子の口から紡がれた愛の言葉。
ああ なんと心地好い響きだろう――‥
自ら私の腕に抱かれる事を望み、寄り添う幸子がたまらなく愛しい。
デイモンは今まで見せた事がない程に満ち足りた微笑みを浮かべ、幸子を抱きしめた。
「幸子…愛してる」
私の幸子。
もう 離しません――‥
姿を闇に溶け込ませ、しばし様子を伺う。
不安そうに雲雀の名を呼ぶ幸子。
ほら、また。
幸子はいつも雲雀にすがろうとする。まるで他の者など見えていないかのように。彼が己の全てであるかのように。
いつの時代でも幸子を惑わす忌々しい雲。彼女の心を捕らえて離さない忌々しい雲。
ですが…それも今日までです。
これから私は幸子の全てを奪う。
雲雀恭弥…お前の見ている前で。
心も身体も私のものになる幸子を見る事に、あなたの精神はどこまで耐えられるでしょう。ヌフフ…楽しみです。
さて、始めましょうか。
「恭弥……どこにいるの…?」
「幸子」
突然聞こえた雲雀の声に、幸子は必死で周囲を見回している。
「ここだよ、幸子」
雲雀の姿を借りたデイモンが、フッと異空間に姿を現した。
「恭弥!」
幸子はなんの疑いもせず、真っ直ぐにデイモンに向かって駆けてくると思われた。
しかし、なぜか彼女は寸前でその足を止める。
「あ、あれ…っ?私…」
その行動に当の幸子本人も戸惑っているようだった。焦れたデイモンは、そのまま幸子の腕を引いて強く抱き寄せる。
「幸子」
その温もりに触れる事を何度夢見た事だろう。
「恭…弥…?」
「……やっと……」
やっと…私のものに…
「えっ…?」
顔を上げた幸子の瞳に吸い寄せられるように、デイモンはゆっくりと顔を近づけた。
これからお前は私の名だけを呼び、私だけを見て、私の傍で生きるのです……幸子。
唇が触れあう瞬間……
「!」
ドンッとデイモンの胸を押し、幸子はそれを拒否した。
「どうしたんだい、幸子」
僅かな動揺を見せながら幸子に問いかけると、その瞳に怯えたような色が浮かんでいる。
私の完璧な幻術が、戦う力を持たない無知な彼女に見破れる訳がない。
そう思いながらも、デイモンは雲雀の姿で探るような質問をする。
「僕を嫌いになったのかい?」
「そんな事ない!!」
慌てて首を横に振った幸子は、やがてデイモンの胸にそっと寄り添うと、静かな声で言った。
「愛してる…」
幸子の口から紡がれた愛の言葉。
ああ なんと心地好い響きだろう――‥
自ら私の腕に抱かれる事を望み、寄り添う幸子がたまらなく愛しい。
デイモンは今まで見せた事がない程に満ち足りた微笑みを浮かべ、幸子を抱きしめた。
「幸子…愛してる」
私の幸子。
もう 離しません――‥