2人の雲雀
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不気味なトランプが壁紙のようにひしめく空間に幸子はいた。
「ここは…どこ…?」
不安げに辺りを見渡す。
雲雀が自分を守る為にD・スペードに挑み…そしてトランプの中に吸い込まれてしまった。
そのあとデイモンは幸子の元に降りてきて……デイモンがトランプをかざした。
そして気づいたらこの空間にいたのだ。
これがデイモンが獄寺達を飛ばした幻覚で創った異空間なのであろうか。だとしたら、雲雀もここに……?
「恭弥!」
呼んでみるが当たり前のように返ってくる声はなかった。やはり雲雀はここにはいないのか…。
デイモンの攻撃をかわした雲雀は無事だろうか。戦いの最中に頬を切っていたが、それ以外に怪我をしていないだろうか。
逢いたい。
雲雀に逢いたい…。
「恭弥!恭弥っ!!」
己の声のみが禍々しい空間に虚しく響き渡る。
その空虚さに、幸子は知らず知らず涙を溢していた。
「うっ……きょうや…」
張り詰め堪えていたものが塞き止めるものを無くし、一気に溢れ出た。
「恭弥……どこにいるの…?」
「幸子」
「!?」
耳を疑った。
それは、今一番聞きたかった声……。
「恭弥!」
声の聞こえた方を見るが誰もいない。
幸子はキョロキョロと必死で声の主を探した。
「恭弥ぁっ!」
「ここだよ幸子」
「!!」
再び声のする方を振り向くと、50メートル程離れた場所に見覚えのある長ラン――‥
「恭弥!」
幸子は何度か転びそうになりながら夢中で雲雀に走り寄った。
あと30メートル…10メートル――‥
「っ!?」
雲雀の胸に飛び込む寸前、なぜか幸子は躊躇するように歩みを止めた。
「あ、あれ…っ?私…」
なぜかは判らない。
だが、あえて理由をつけるなら……雲雀に呼ばれた気がしたから。
目の前に雲雀がいるのに、他の場所から雲雀の呼ぶ声がするなんてありえるだろうか。
幸子自身も自分の行動に戸惑っていると、そのまま腕を引かれて抱きしめられた。強く…強く。
「幸子」
「恭…弥?」
「……やっと……」
「えっ…?」
聞き返そうと顔を上げると雲雀の顔がゆっくりと近づいてきた。
「やっ…!」
愛しい恋人との口づけ。
なのに気がつけば幸子は、ドンッと雲雀の胸を押していた。
なぜだろう…彼が……怖い……。
「どうしたんだい、幸子」
「あっ…私………」
幸子自身もその行動に答えを出せない。
どうかしてる。
自分を守る為に戦いに身を投じた雲雀を拒否するなど…。
一体自分はどうしてしまったというのか。
「僕を嫌いになったのかい?」
「そんな事ない!!」
幸子は慌てて首を横に振った。
嫌いになったのか、なんて…なんと雲雀らしくない言葉であろう。彼をそこまで傷つけてしまったのだろうか。
「愛してる…」
心の中の僅かな違和感を消し、幸子はそっと雲雀に寄り添った。
雲雀は微笑みを浮かべ、ゆっくりと幸子を抱きしめた。
「幸子…愛してる」
「ここは…どこ…?」
不安げに辺りを見渡す。
雲雀が自分を守る為にD・スペードに挑み…そしてトランプの中に吸い込まれてしまった。
そのあとデイモンは幸子の元に降りてきて……デイモンがトランプをかざした。
そして気づいたらこの空間にいたのだ。
これがデイモンが獄寺達を飛ばした幻覚で創った異空間なのであろうか。だとしたら、雲雀もここに……?
「恭弥!」
呼んでみるが当たり前のように返ってくる声はなかった。やはり雲雀はここにはいないのか…。
デイモンの攻撃をかわした雲雀は無事だろうか。戦いの最中に頬を切っていたが、それ以外に怪我をしていないだろうか。
逢いたい。
雲雀に逢いたい…。
「恭弥!恭弥っ!!」
己の声のみが禍々しい空間に虚しく響き渡る。
その空虚さに、幸子は知らず知らず涙を溢していた。
「うっ……きょうや…」
張り詰め堪えていたものが塞き止めるものを無くし、一気に溢れ出た。
「恭弥……どこにいるの…?」
「幸子」
「!?」
耳を疑った。
それは、今一番聞きたかった声……。
「恭弥!」
声の聞こえた方を見るが誰もいない。
幸子はキョロキョロと必死で声の主を探した。
「恭弥ぁっ!」
「ここだよ幸子」
「!!」
再び声のする方を振り向くと、50メートル程離れた場所に見覚えのある長ラン――‥
「恭弥!」
幸子は何度か転びそうになりながら夢中で雲雀に走り寄った。
あと30メートル…10メートル――‥
「っ!?」
雲雀の胸に飛び込む寸前、なぜか幸子は躊躇するように歩みを止めた。
「あ、あれ…っ?私…」
なぜかは判らない。
だが、あえて理由をつけるなら……雲雀に呼ばれた気がしたから。
目の前に雲雀がいるのに、他の場所から雲雀の呼ぶ声がするなんてありえるだろうか。
幸子自身も自分の行動に戸惑っていると、そのまま腕を引かれて抱きしめられた。強く…強く。
「幸子」
「恭…弥?」
「……やっと……」
「えっ…?」
聞き返そうと顔を上げると雲雀の顔がゆっくりと近づいてきた。
「やっ…!」
愛しい恋人との口づけ。
なのに気がつけば幸子は、ドンッと雲雀の胸を押していた。
なぜだろう…彼が……怖い……。
「どうしたんだい、幸子」
「あっ…私………」
幸子自身もその行動に答えを出せない。
どうかしてる。
自分を守る為に戦いに身を投じた雲雀を拒否するなど…。
一体自分はどうしてしまったというのか。
「僕を嫌いになったのかい?」
「そんな事ない!!」
幸子は慌てて首を横に振った。
嫌いになったのか、なんて…なんと雲雀らしくない言葉であろう。彼をそこまで傷つけてしまったのだろうか。
「愛してる…」
心の中の僅かな違和感を消し、幸子はそっと雲雀に寄り添った。
雲雀は微笑みを浮かべ、ゆっくりと幸子を抱きしめた。
「幸子…愛してる」