2人の雲雀
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まるで鏡を見ているように、雲雀の目の前に雲雀自身が立っていた。
先程までそこにいたデイモンが消え、代わりに己の偽物がいる。それが示す答えなどひとつしかない。
「くだらない幻術だね」
「ヌフフ…ご名答」
己と瓜二つの容姿からデイモンの言葉が紡がれた。
声も雲雀と同じ。
喋り方が違わなければ、どちらが本物か容易に見分けがつかない程であった。
しかし今更 雲雀に姿を変えて、一体何の利があるというのか。
「それで…僕に化けて何がしたいんだい?僕が僕の偽物を咬み殺すのに躊躇うとでも?」
「ヌフフフ。言ったはずです。あなたとこれ以上戦う気はありません」
「僕の姿で気味の悪い笑い方するのやめてくれる?不愉快だから」
「あなたごときの姿を借りている私の方こそ吐き気がします。…忌々しい雲」
殺気を隠そうともしないやりとりは、お互いに一歩も譲る気配はない。
「それならさっきの完全装備とやらで来なよ。どんな君だろうと直ぐに咬み殺してあげるから」
「ヌフフフフ。幸子を奪われ焦る気持ちは判りますが、ここはひとつ余興を楽しむのもいいでしょう」
「余興…?」
トンファーを構えたまま、雲雀が怪訝そうに聞き返した。
「まずこの姿ですが……あなたの為のものではありません、雲雀恭弥」
「?」
「余興の主役はあなたではないのです」
「!!」
ちらりと背後のスクリーンに視線を走らせた。
視線の先には…幸子。
雲雀は瞬時に全てを理解した。
「君はここで咬み殺す!」
雲雀は跳び、己の容姿を持つデイモンにトンファーラッシュを浴びせた。
唐突な戦闘にも関わらず、デイモンはコピーしたトンファーで応戦する。
「どうしたというのです。まだ説明は終わっていませんよ?」
「黙れ」
「幸子は今、一人異空間に閉じ込められています。どんなに怖くて心細い思いをしている事でしょう…」
「幸子を追いつめた張本人が偉そうに吼えるな」
鋭いトンファーの一撃がデイモンを襲う。デイモンはそれを軽々と避け、雲雀と距離を取るように後方に飛んだ。
「もしそこに…雲雀恭弥、あなたが現れたら…幸子はどう思うでしょうね」
「!」
雲雀の顔をしたデイモンがいやらしい笑みを見せた。
「正確には "雲雀恭弥に姿を変えた私"が、ですが」
「幸子には指一本触れさせないよ」
「ヌフフ…きっと幸子は喜んで私に身を預ける事でしょう」
「黙れ!!」
素早い動きで雲雀は距離を詰め、デイモンの頭部目掛けてトンファーを振る。
デイモンはそれを難無く避け、恭しくお辞儀をした。
「雲雀恭弥。あなたには特別に、この忌々しい姿ではなく私本来の姿が見えるようにしてあげましょう」
顔を上げたデイモンの表情が優越感に歪む。
「ヌハハハハッ!しっかりとその目に焼きつけなさい。幸子が私のものとなる所を」
「!!」
勝ち誇った笑いと共に、フッとデイモンの姿が音もなく消えた。
先程までそこにいたデイモンが消え、代わりに己の偽物がいる。それが示す答えなどひとつしかない。
「くだらない幻術だね」
「ヌフフ…ご名答」
己と瓜二つの容姿からデイモンの言葉が紡がれた。
声も雲雀と同じ。
喋り方が違わなければ、どちらが本物か容易に見分けがつかない程であった。
しかし今更 雲雀に姿を変えて、一体何の利があるというのか。
「それで…僕に化けて何がしたいんだい?僕が僕の偽物を咬み殺すのに躊躇うとでも?」
「ヌフフフ。言ったはずです。あなたとこれ以上戦う気はありません」
「僕の姿で気味の悪い笑い方するのやめてくれる?不愉快だから」
「あなたごときの姿を借りている私の方こそ吐き気がします。…忌々しい雲」
殺気を隠そうともしないやりとりは、お互いに一歩も譲る気配はない。
「それならさっきの完全装備とやらで来なよ。どんな君だろうと直ぐに咬み殺してあげるから」
「ヌフフフフ。幸子を奪われ焦る気持ちは判りますが、ここはひとつ余興を楽しむのもいいでしょう」
「余興…?」
トンファーを構えたまま、雲雀が怪訝そうに聞き返した。
「まずこの姿ですが……あなたの為のものではありません、雲雀恭弥」
「?」
「余興の主役はあなたではないのです」
「!!」
ちらりと背後のスクリーンに視線を走らせた。
視線の先には…幸子。
雲雀は瞬時に全てを理解した。
「君はここで咬み殺す!」
雲雀は跳び、己の容姿を持つデイモンにトンファーラッシュを浴びせた。
唐突な戦闘にも関わらず、デイモンはコピーしたトンファーで応戦する。
「どうしたというのです。まだ説明は終わっていませんよ?」
「黙れ」
「幸子は今、一人異空間に閉じ込められています。どんなに怖くて心細い思いをしている事でしょう…」
「幸子を追いつめた張本人が偉そうに吼えるな」
鋭いトンファーの一撃がデイモンを襲う。デイモンはそれを軽々と避け、雲雀と距離を取るように後方に飛んだ。
「もしそこに…雲雀恭弥、あなたが現れたら…幸子はどう思うでしょうね」
「!」
雲雀の顔をしたデイモンがいやらしい笑みを見せた。
「正確には "雲雀恭弥に姿を変えた私"が、ですが」
「幸子には指一本触れさせないよ」
「ヌフフ…きっと幸子は喜んで私に身を預ける事でしょう」
「黙れ!!」
素早い動きで雲雀は距離を詰め、デイモンの頭部目掛けてトンファーを振る。
デイモンはそれを難無く避け、恭しくお辞儀をした。
「雲雀恭弥。あなたには特別に、この忌々しい姿ではなく私本来の姿が見えるようにしてあげましょう」
顔を上げたデイモンの表情が優越感に歪む。
「ヌハハハハッ!しっかりとその目に焼きつけなさい。幸子が私のものとなる所を」
「!!」
勝ち誇った笑いと共に、フッとデイモンの姿が音もなく消えた。