風紀vs.粛正
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翌朝――‥
幸子はいつもより早く自宅を出た。
昨日の一件が気になって、あまり眠れなかったのだ。
あの後、雲雀に特別変わった様子は見られず、アーデルハイトの事も話題には一切のぼらなかった。
いつものように2人きりの時間を応接室で過ごし、いつものようにたくさん口づけを交わして、いつものように家の前まで送ってもらった。
(あの人は、なんで恭弥を狙っているんだろう…)
風紀委員会に変わる粛清委員会の並盛中学支配…
それが鈴木アーデルハイトの目的だと襲われた図書委員長は言っていた。
だが、アーデルハイトの真の目的は並盛中学でも風紀委員会でもない。もっと他にあるのではないか…幸子はそう感じていた。
そう、例えば雲雀に…。
『ユキコ ユキコ』
ふいに可愛らしい声が頭上で聞こえた。
見上げると、ヒバードがこちらに向かってぱたぱたと空を飛んできた。
「ヒバード、おはよう」
幸子が声をかけると、ヒバードはぽふっと幸子の頭に軟着陸し、肩へと移ってきた。
『ユキコ ユキコ』
「ふふっ。おはよう」
『オハヨー オハヨー』
ああ、この子は本当に可愛いなぁ…と思いながらその小さな頭を撫でてやる。
撫でながら幸子はある事に気づいた。
「ヒバード…恭弥は一緒じゃないの?」
『ヒバリ ヒバリ』
雲雀の姿がない事が、幸子を不安にさせた。
まさかアーデルハイトに…!?
『ユキコ ユキコ』
ヒバードが自分を呼ぶ声に幸子はハッと我に返った。
考えすぎだ。
雲雀を想うあまり、変な想像にとりつかれてしまっている。
これは並盛中学の秩序をかけた委員会同士の抗争にすぎない。大騒ぎするほどの事ではないのだ。
しかし、そう思い込もうとすればするほど幸子の心の中の不安は大きくなっていった。
とにかく、早く学校に行って雲雀に逢いたい。
「…リブ…」
「えっ……?」
駆け出そうとした幸子は、誰かに呼ばれたような気がして足を止めた。
振り返るが自分とヒバード以外に人気はない。
「ヒバード、今私を呼んだ?」
『ユキコ ユキコ』
幸子に応えるように肩の上で鳴くヒバード。
違う。この高音の可愛いらしい声じゃない。
もっと低い……そう、大人の男の声だった。
「あれっ?」
そこで幸子は首を捻る。
リブ――‥
なんで私、それが自分だと思ったんだろう…。
「!?」
ふいに何者かの視線を感じ幸子は慌てて周囲を見渡した。やはり人影はない。
幸子は寝苦しい夜のような不快感を感じた。
「やっ…なにこれ…」
「彼女♪」
「きゃあぁあっ!」
背後からかけられた声に、幸子は悲鳴をあげて跳び上がった。
幸子はいつもより早く自宅を出た。
昨日の一件が気になって、あまり眠れなかったのだ。
あの後、雲雀に特別変わった様子は見られず、アーデルハイトの事も話題には一切のぼらなかった。
いつものように2人きりの時間を応接室で過ごし、いつものようにたくさん口づけを交わして、いつものように家の前まで送ってもらった。
(あの人は、なんで恭弥を狙っているんだろう…)
風紀委員会に変わる粛清委員会の並盛中学支配…
それが鈴木アーデルハイトの目的だと襲われた図書委員長は言っていた。
だが、アーデルハイトの真の目的は並盛中学でも風紀委員会でもない。もっと他にあるのではないか…幸子はそう感じていた。
そう、例えば雲雀に…。
『ユキコ ユキコ』
ふいに可愛らしい声が頭上で聞こえた。
見上げると、ヒバードがこちらに向かってぱたぱたと空を飛んできた。
「ヒバード、おはよう」
幸子が声をかけると、ヒバードはぽふっと幸子の頭に軟着陸し、肩へと移ってきた。
『ユキコ ユキコ』
「ふふっ。おはよう」
『オハヨー オハヨー』
ああ、この子は本当に可愛いなぁ…と思いながらその小さな頭を撫でてやる。
撫でながら幸子はある事に気づいた。
「ヒバード…恭弥は一緒じゃないの?」
『ヒバリ ヒバリ』
雲雀の姿がない事が、幸子を不安にさせた。
まさかアーデルハイトに…!?
『ユキコ ユキコ』
ヒバードが自分を呼ぶ声に幸子はハッと我に返った。
考えすぎだ。
雲雀を想うあまり、変な想像にとりつかれてしまっている。
これは並盛中学の秩序をかけた委員会同士の抗争にすぎない。大騒ぎするほどの事ではないのだ。
しかし、そう思い込もうとすればするほど幸子の心の中の不安は大きくなっていった。
とにかく、早く学校に行って雲雀に逢いたい。
「…リブ…」
「えっ……?」
駆け出そうとした幸子は、誰かに呼ばれたような気がして足を止めた。
振り返るが自分とヒバード以外に人気はない。
「ヒバード、今私を呼んだ?」
『ユキコ ユキコ』
幸子に応えるように肩の上で鳴くヒバード。
違う。この高音の可愛いらしい声じゃない。
もっと低い……そう、大人の男の声だった。
「あれっ?」
そこで幸子は首を捻る。
リブ――‥
なんで私、それが自分だと思ったんだろう…。
「!?」
ふいに何者かの視線を感じ幸子は慌てて周囲を見渡した。やはり人影はない。
幸子は寝苦しい夜のような不快感を感じた。
「やっ…なにこれ…」
「彼女♪」
「きゃあぁあっ!」
背後からかけられた声に、幸子は悲鳴をあげて跳び上がった。