雲雀恭弥vs.D・スペード
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以前より伸びてはいるが頭部にくせのある髪。美しくも狂気を孕むオッドアイ。
容姿だけで言えば間違いなく六道骸であった。
しかし その纏うオーラと右目に浮かぶスペードが、彼が骸の顔をした別の人物である事を物語っていた。
「ヌフフ」
D・スペードがその表情を変える事なく笑う。
雲雀は小刻みに震える幸子を守るように己の後ろに下がらせると、ス…とトンファーを構えた。
前方に立つ沢田、山本、獄寺が同じく臨戦体勢に入ると、それを阻止するようにクロームが両手を広げて割って入る。
「待ってボス!! あれは骸様の身体!! 攻撃しないで!」
クロームの叫びに、デイモンへの攻撃を躊躇する沢田達。そんな彼らに焦れた骸が、憑依したムクロウの姿で空から激した声を浴びせた。
「そのようなレベルの話ではないのです!僕の肉体を手に入れたことで、あの男は自分と僕を足した以上のとんでもない力を手に入れたようです…もはや人ではない。あれはもう――化物だ」
今は梟に身を変えた美しいオッドアイが沢田を見つめその決心を促した。
「君は当然わかっていますね。沢田綱吉。今持てる限りの戦力で全力で立ち向かわなければ 全てを失う」
トンファーを構えデイモンを見据えたまま、雲雀は骸の言葉を聞いていた。
確かに昨夜までのデイモンとは全く違う。その禍々しいオーラが強くなったように感じる。
だがそんな事は関係ない。
デイモンが何を企んでいるかなんて知らないし興味もない。解っているのは、あの化物を咬み殺さない限り何も終らない事だけ。
ただ、ひとつだけ気になる事がある。
あれだけ幸子に執着していたデイモンが、今回は全く彼女に視線を向けようとしていないのだ。
まあ いい。僕はもう、彼の目に幸子を映させるつもりはないからね。
雲雀はボンゴレギアを装着すると幸子を振り返り、先程と同じ言葉をもう一度告げた。
「終わらせるよ」
自分を守る為に雲雀が危険な戦いへ赴くなど心が張り裂けそうだ。しかし彼を止められない事も解っていた。
雲雀はこの戦いで全てを終わらせるつもりだ。
ならば幸子が出来るのは雲雀を信じて送り出すこと。
幸子は一瞬ぎゅっと唇を噛みしめたが、すぐに穏やかな笑顔を雲雀に向けしっかりと頷いた。
「はい」
それだけで雲雀には幸子の想い全てが伝わったのだろう。
応えるように雲雀は優しく笑み、次に前を振り向いた時には、獲物を仕留める鋭い光をその瞳に宿していた。
容姿だけで言えば間違いなく六道骸であった。
しかし その纏うオーラと右目に浮かぶスペードが、彼が骸の顔をした別の人物である事を物語っていた。
「ヌフフ」
D・スペードがその表情を変える事なく笑う。
雲雀は小刻みに震える幸子を守るように己の後ろに下がらせると、ス…とトンファーを構えた。
前方に立つ沢田、山本、獄寺が同じく臨戦体勢に入ると、それを阻止するようにクロームが両手を広げて割って入る。
「待ってボス!! あれは骸様の身体!! 攻撃しないで!」
クロームの叫びに、デイモンへの攻撃を躊躇する沢田達。そんな彼らに焦れた骸が、憑依したムクロウの姿で空から激した声を浴びせた。
「そのようなレベルの話ではないのです!僕の肉体を手に入れたことで、あの男は自分と僕を足した以上のとんでもない力を手に入れたようです…もはや人ではない。あれはもう――化物だ」
今は梟に身を変えた美しいオッドアイが沢田を見つめその決心を促した。
「君は当然わかっていますね。沢田綱吉。今持てる限りの戦力で全力で立ち向かわなければ 全てを失う」
トンファーを構えデイモンを見据えたまま、雲雀は骸の言葉を聞いていた。
確かに昨夜までのデイモンとは全く違う。その禍々しいオーラが強くなったように感じる。
だがそんな事は関係ない。
デイモンが何を企んでいるかなんて知らないし興味もない。解っているのは、あの化物を咬み殺さない限り何も終らない事だけ。
ただ、ひとつだけ気になる事がある。
あれだけ幸子に執着していたデイモンが、今回は全く彼女に視線を向けようとしていないのだ。
まあ いい。僕はもう、彼の目に幸子を映させるつもりはないからね。
雲雀はボンゴレギアを装着すると幸子を振り返り、先程と同じ言葉をもう一度告げた。
「終わらせるよ」
自分を守る為に雲雀が危険な戦いへ赴くなど心が張り裂けそうだ。しかし彼を止められない事も解っていた。
雲雀はこの戦いで全てを終わらせるつもりだ。
ならば幸子が出来るのは雲雀を信じて送り出すこと。
幸子は一瞬ぎゅっと唇を噛みしめたが、すぐに穏やかな笑顔を雲雀に向けしっかりと頷いた。
「はい」
それだけで雲雀には幸子の想い全てが伝わったのだろう。
応えるように雲雀は優しく笑み、次に前を振り向いた時には、獲物を仕留める鋭い光をその瞳に宿していた。