戦慄の序曲
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「雲雀恭弥。それに…木梨幸子さんでしたね。お久しぶりです」
骸の美しいオッドアイがまず雲雀を見て、次に隣にいる幸子に注がれた。
「勝手に見ないでくれる?」
「おや。幸子さんを見つめるのに君の許可がいるのですか、雲雀恭弥」
「気安く呼ぶな」
骸が「幸子さん」と呼んだ事が相当気にくわなかったらしい。雲雀が殺気を孕んだ声でそう告げると、骸は愉快そうに「クフフ」と笑った。
「あなたには僕の可愛いクロームが世話になっているようですね」
「あ、いえ。そんな…」
「感謝しますよ、幸子さん」
「咬み殺す」
幸子に向かって優雅に微笑んだ骸が、最後に幸子の名を呼んだ。
おそらくわざとやっているのだ。余裕のない雲雀というのが珍しく、面白いのだろう。
「クフフ、雲雀恭弥。僕はいつでも相手になりますよ」
「反応速度が落ちてる…今やってもつまらないよ」
「はっきり言ってくれますね」
骸が加藤ジュリーことD・スペードとの戦いで体力と炎を使い果たしている事を雲雀は見抜いていた。
さすがですね、雲雀恭弥。
言葉に出さずに骸は笑みを浮かべた。
「ならばお言葉に甘えて休ませてもらいましょう。それでは」
フラッと倒れた骸の姿がクロームに戻った。
リボーンに蹴られて床に倒れた沢田がクロームを無事受けとめ、そして小さく呻き声をあげたクロームが覚醒した。
「クロームちゃん!」
「…幸子…?」
クロームが遠慮がちに幸子を呼んだ。それが嬉しくて、幸子はクロームに抱きついた。
「!」
「幸子……!」
「良かった、いつものクロームちゃんだ」
クロームが頬を赤く染めて遠慮がちにぎゅっと幸子の背中を抱きしめ返した。…嬉しかったらしい。
しかしその光景が全く面白くない人物が一人。
「なにしてんの?」
ムスッとした顔の雲雀が2人の背後に立つと、クロームは申し訳ないと思ったのか慌てて幸子から離れた。
「ごめんなさい…」
「えっ!? クロームちゃんが謝る必要ないよ!」
「うん。先に抱きついたのは幸子だからね」
お、怒っている…。
女相手にも嫉妬するのか、この男は。
「だ、だって…嬉しかったんだもん」
「嬉しいなら僕に抱きつけばいいじゃない」
「なっ、なんでクロームちゃんの事で恭弥に抱きつかないといけないのっ!?」
「幸子は僕のものだから」
「っ!!」
カァァ…と一気に顔が火照るのを感じた。
「ハハッ。相変わらず相思相愛だなっ」
「まあ、未来の夫婦だからな。仕方ねーさ」
背後で山本とその肩に乗ったリボーンが笑いながら話している内容がまた羞恥を掻き立てる。
そこへ割って入ったランボが「おんぶしろ!!」とクロームの肩に飛び乗った事により話がそらされ、幸子は内心ホッとした。
幸子は当然のように雲雀に引き寄せられ、また許の位置に戻り、そして――‥
「おかしい」
すっかり和んだ場の空気を突然裂いたのは、フクロウの羽ばたきであった。
骸の美しいオッドアイがまず雲雀を見て、次に隣にいる幸子に注がれた。
「勝手に見ないでくれる?」
「おや。幸子さんを見つめるのに君の許可がいるのですか、雲雀恭弥」
「気安く呼ぶな」
骸が「幸子さん」と呼んだ事が相当気にくわなかったらしい。雲雀が殺気を孕んだ声でそう告げると、骸は愉快そうに「クフフ」と笑った。
「あなたには僕の可愛いクロームが世話になっているようですね」
「あ、いえ。そんな…」
「感謝しますよ、幸子さん」
「咬み殺す」
幸子に向かって優雅に微笑んだ骸が、最後に幸子の名を呼んだ。
おそらくわざとやっているのだ。余裕のない雲雀というのが珍しく、面白いのだろう。
「クフフ、雲雀恭弥。僕はいつでも相手になりますよ」
「反応速度が落ちてる…今やってもつまらないよ」
「はっきり言ってくれますね」
骸が加藤ジュリーことD・スペードとの戦いで体力と炎を使い果たしている事を雲雀は見抜いていた。
さすがですね、雲雀恭弥。
言葉に出さずに骸は笑みを浮かべた。
「ならばお言葉に甘えて休ませてもらいましょう。それでは」
フラッと倒れた骸の姿がクロームに戻った。
リボーンに蹴られて床に倒れた沢田がクロームを無事受けとめ、そして小さく呻き声をあげたクロームが覚醒した。
「クロームちゃん!」
「…幸子…?」
クロームが遠慮がちに幸子を呼んだ。それが嬉しくて、幸子はクロームに抱きついた。
「!」
「幸子……!」
「良かった、いつものクロームちゃんだ」
クロームが頬を赤く染めて遠慮がちにぎゅっと幸子の背中を抱きしめ返した。…嬉しかったらしい。
しかしその光景が全く面白くない人物が一人。
「なにしてんの?」
ムスッとした顔の雲雀が2人の背後に立つと、クロームは申し訳ないと思ったのか慌てて幸子から離れた。
「ごめんなさい…」
「えっ!? クロームちゃんが謝る必要ないよ!」
「うん。先に抱きついたのは幸子だからね」
お、怒っている…。
女相手にも嫉妬するのか、この男は。
「だ、だって…嬉しかったんだもん」
「嬉しいなら僕に抱きつけばいいじゃない」
「なっ、なんでクロームちゃんの事で恭弥に抱きつかないといけないのっ!?」
「幸子は僕のものだから」
「っ!!」
カァァ…と一気に顔が火照るのを感じた。
「ハハッ。相変わらず相思相愛だなっ」
「まあ、未来の夫婦だからな。仕方ねーさ」
背後で山本とその肩に乗ったリボーンが笑いながら話している内容がまた羞恥を掻き立てる。
そこへ割って入ったランボが「おんぶしろ!!」とクロームの肩に飛び乗った事により話がそらされ、幸子は内心ホッとした。
幸子は当然のように雲雀に引き寄せられ、また許の位置に戻り、そして――‥
「おかしい」
すっかり和んだ場の空気を突然裂いたのは、フクロウの羽ばたきであった。