転入生
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閉められたドアの音が応接室に響いた途端、幸子はその場に崩れ落ちそうになり、雲雀に抱き留められた。
張り詰めていた糸が、アーデルハイトの退室で一気に解けたらしい。足ががくがくしている。
雲雀の体温と匂いにふわりと包まれると安心した。
幸子が落ち着くのを見計らって抱擁を解くと、雲雀は、はー…と息を吐いた。
「木梨幸子…君には今をもって図書委員会を退会してもらう」
「えっ!?き、恭弥っ」
「たった今から君は風紀委員だ。…いいね?」
有無を言わせない口調だった。
素っ気ない中にも、雲雀が自分を心配している事が痛いほど伝わった。
いつもなら何か言い訳を考えたところだが、今回のような事になってしまえば、雲雀は絶対に譲らないだろう。
幸子が観念したように頷くと、雲雀は満足そうに薄い笑みを浮かべた。
「本当に君は人騒がせだね。目が離せないよ」
「ごめんなさい。委員長からあの人の話を聞いたの。それで、次は恭弥が襲われるんじゃないかと思って……」
幸子がノックもなしに応接室に飛び込んできた理由が解った。
彼女は己の身を案じて応接室に来たのだろう。
しかし雲雀は、それが面白くないというようにムスッとする。
「僕が負けるとでも?」
「ううん、そんな事思ってないよ。ただ…」
「ただ、なに?」
「恭弥が大切なだけ」
次の瞬間、幸子は再び雲雀の腕の中にいた。
「幸子」
自分の名を呼ぶ雲雀の声は、甘く優しい。
雲雀は幸子の頬を撫でると、その柔らかな唇に己の唇を重ねた。
幸子が愛おしい。
こみ上げてくる気持ちを抑えることが出来ない。
群れるのは嫌いだ。
しかし幸子だけは別だ。手放す気は全くない。
(僕がこんな感情を持つなんて…ね)
頭の片隅で自嘲しながらも、雲雀はこの感情も悪くないと思った。
張り詰めていた糸が、アーデルハイトの退室で一気に解けたらしい。足ががくがくしている。
雲雀の体温と匂いにふわりと包まれると安心した。
幸子が落ち着くのを見計らって抱擁を解くと、雲雀は、はー…と息を吐いた。
「木梨幸子…君には今をもって図書委員会を退会してもらう」
「えっ!?き、恭弥っ」
「たった今から君は風紀委員だ。…いいね?」
有無を言わせない口調だった。
素っ気ない中にも、雲雀が自分を心配している事が痛いほど伝わった。
いつもなら何か言い訳を考えたところだが、今回のような事になってしまえば、雲雀は絶対に譲らないだろう。
幸子が観念したように頷くと、雲雀は満足そうに薄い笑みを浮かべた。
「本当に君は人騒がせだね。目が離せないよ」
「ごめんなさい。委員長からあの人の話を聞いたの。それで、次は恭弥が襲われるんじゃないかと思って……」
幸子がノックもなしに応接室に飛び込んできた理由が解った。
彼女は己の身を案じて応接室に来たのだろう。
しかし雲雀は、それが面白くないというようにムスッとする。
「僕が負けるとでも?」
「ううん、そんな事思ってないよ。ただ…」
「ただ、なに?」
「恭弥が大切なだけ」
次の瞬間、幸子は再び雲雀の腕の中にいた。
「幸子」
自分の名を呼ぶ雲雀の声は、甘く優しい。
雲雀は幸子の頬を撫でると、その柔らかな唇に己の唇を重ねた。
幸子が愛おしい。
こみ上げてくる気持ちを抑えることが出来ない。
群れるのは嫌いだ。
しかし幸子だけは別だ。手放す気は全くない。
(僕がこんな感情を持つなんて…ね)
頭の片隅で自嘲しながらも、雲雀はこの感情も悪くないと思った。