Daybreak
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「デイモン!よく来てくれたな」
会議室に現れたデイモンを見たジョットが嬉しそうに近寄ってきた。
「Ⅰ世。ただいま戻りました」
胸に片手をあて恭しく頭を下げる。
室内にはジョットだけではなく、己以外の守護者たちも揃っている。
「これでみんな揃ったな」
ジョットが一同を見渡しながら言った。さて、守護者全員を集めて一体彼は何を話そうと言うのでしょう。
「実は」
ジョットが嬉しそうな顔で話を切り出す。それは、なにか穏やかではない話をするには不似合いの表情であった。
「アラウディが婚約したんだ!」
全く予想もしていなかった発言。
100歩譲ってそれが雨月やナックルならまだ解る。しかしアラウディ程"結婚"の二文字が似つかわしくない者がいるだろうか。
雨月やナックル、ランポウが口々に「おめでとう」と伝えてくるのを、アラウディは眉を潜めたまま黙って聞いていた。
「そこで、ファミリーでささやかながらアラウディの結婚式を開きたいと思うんだ」
召集の理由が結婚式とは、欲に欠けたⅠ世らしい。
デイモンは微笑みを浮かべたまま、酷く冷めた頭の中で思った。
―――――‥
ジョットの話が終わり一度は寝室に戻ったデイモンであったが、ふと街へ出ようと思い立ち廊下を歩いていた。
「おや…?」
ふと前方を見ると、アラウディが歩いてくるのが見えた。
「!」
アラウディもデイモンに気づいたらしい。2人の歩みが一定の距離をとって止まった。
「ヌフフフ。おめでとうございます」
「何のことだい?」
「もちろん婚約の事ですよ。まさかあなたが結婚する日がくるとは……」
「………」
アラウディは何も応えずにデイモンをじっと見据えている。
「しかも結婚式を挙げるなどとは……驚きです」
「うるさいよ。彼が勝手に決めたことだ」
これ以上からかわれるのはあからさまに不愉快というように、アラウディは「じゃあね」と短く言ってその場を後にした。
「全く……喰えない男ですね」
まあ、向こうも同じ事を感じているでしょうが。
アラウディは社交的なデイモンとは違い、言葉数も少なく、それこそ浮き雲のように掴み所がない。
デイモンは彼に己の計略全てを見透かされているのではないかと思う時がある。
(考えすぎですね。まあ、知った所で私の計略は止められないですが)
デイモンはアラウディの後ろ姿を見送ると、玄関に向かって歩き出した。
会議室に現れたデイモンを見たジョットが嬉しそうに近寄ってきた。
「Ⅰ世。ただいま戻りました」
胸に片手をあて恭しく頭を下げる。
室内にはジョットだけではなく、己以外の守護者たちも揃っている。
「これでみんな揃ったな」
ジョットが一同を見渡しながら言った。さて、守護者全員を集めて一体彼は何を話そうと言うのでしょう。
「実は」
ジョットが嬉しそうな顔で話を切り出す。それは、なにか穏やかではない話をするには不似合いの表情であった。
「アラウディが婚約したんだ!」
全く予想もしていなかった発言。
100歩譲ってそれが雨月やナックルならまだ解る。しかしアラウディ程"結婚"の二文字が似つかわしくない者がいるだろうか。
雨月やナックル、ランポウが口々に「おめでとう」と伝えてくるのを、アラウディは眉を潜めたまま黙って聞いていた。
「そこで、ファミリーでささやかながらアラウディの結婚式を開きたいと思うんだ」
召集の理由が結婚式とは、欲に欠けたⅠ世らしい。
デイモンは微笑みを浮かべたまま、酷く冷めた頭の中で思った。
―――――‥
ジョットの話が終わり一度は寝室に戻ったデイモンであったが、ふと街へ出ようと思い立ち廊下を歩いていた。
「おや…?」
ふと前方を見ると、アラウディが歩いてくるのが見えた。
「!」
アラウディもデイモンに気づいたらしい。2人の歩みが一定の距離をとって止まった。
「ヌフフフ。おめでとうございます」
「何のことだい?」
「もちろん婚約の事ですよ。まさかあなたが結婚する日がくるとは……」
「………」
アラウディは何も応えずにデイモンをじっと見据えている。
「しかも結婚式を挙げるなどとは……驚きです」
「うるさいよ。彼が勝手に決めたことだ」
これ以上からかわれるのはあからさまに不愉快というように、アラウディは「じゃあね」と短く言ってその場を後にした。
「全く……喰えない男ですね」
まあ、向こうも同じ事を感じているでしょうが。
アラウディは社交的なデイモンとは違い、言葉数も少なく、それこそ浮き雲のように掴み所がない。
デイモンは彼に己の計略全てを見透かされているのではないかと思う時がある。
(考えすぎですね。まあ、知った所で私の計略は止められないですが)
デイモンはアラウディの後ろ姿を見送ると、玄関に向かって歩き出した。