修行開始
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それから一時間後、ディーノは一人でバンガローへ戻ってきた。
「ごめんなさい。まだご飯出来てなくて…」
鍋の火加減を調節しながら幸子が言うと、ディーノはクンクンと漂う匂いを嗅いだ。
「うまそーな匂いだな。カレーか?」
「当たり!ディーノさん、カレーお好きですか?」
「ああ、大好きだぜ」
「良かったぁ!」
ディーノは温かい笑みを浮かべながら、無邪気にはしゃぐ幸子の頭をまたくしゃりと撫でた。
雲雀には絶対秘密だが、ディーノに頭を撫でられるのは嫌じゃない。頼れる兄が出来たようで嬉しいのだ。
ニコニコとディーノを見ると、彼は眉を八の字にして何処か申し訳なさそうな顔をしている。
「ディーノさん?」
「悪ぃな幸子。実はもう行かなくちゃいけねーんだ」
「えっ!? 今日の修行は終わりなんですか?」
「今日の俺の役目は終わりだ」
ディーノが首を横に振る。
「開匣のアドバイスはした。後はもう恭弥次第だ。俺がいない方が捗るだろ」
なるほど。ディーノの言う通りだ。
元々雲雀は彼を家庭教師と認めている訳ではない。ならばアドバイスを与え、後は雲雀に任せるのが得策だ。
雲雀をよく知るディーノらしい導き方だ。
「分かりました。ディーノさん、ありがとうございます」
「幸子、お前も大変だろうが恭弥をよろしくな」
「はい、任せて下さい」
ディーノは労ってくれているが、本当に大変なのはみんなの方だ。
幸子はそれを痛い程に解っていた。
「戦う力のない私が出来る事は限られてるから…。だから私に出来る事があるなら何でもさせて下さい」
ディーノは暫く幸子を見つめていたが、さっきと同じように髪をくしゃりと撫でてくれた。
「戦うってのは、武器を振るうだけが全てじゃねーさ。こうして飯を作ったり、誰かを按じたり…それだって充分戦ってる事になるんだぜ?」
「ディーノさん…!?」
「幸子は幸子だけが出来るやり方で俺達を……恭弥を支えてやってくれ。恭弥を支えられるのはお前しかいないんだ、幸子」
「……っ、はい!」
「恭弥に美味いカレーをたらふく食わせてやってくれよ。頼んだぜ」
全てを包容する大空は、そう言って微笑んだ。
「ごめんなさい。まだご飯出来てなくて…」
鍋の火加減を調節しながら幸子が言うと、ディーノはクンクンと漂う匂いを嗅いだ。
「うまそーな匂いだな。カレーか?」
「当たり!ディーノさん、カレーお好きですか?」
「ああ、大好きだぜ」
「良かったぁ!」
ディーノは温かい笑みを浮かべながら、無邪気にはしゃぐ幸子の頭をまたくしゃりと撫でた。
雲雀には絶対秘密だが、ディーノに頭を撫でられるのは嫌じゃない。頼れる兄が出来たようで嬉しいのだ。
ニコニコとディーノを見ると、彼は眉を八の字にして何処か申し訳なさそうな顔をしている。
「ディーノさん?」
「悪ぃな幸子。実はもう行かなくちゃいけねーんだ」
「えっ!? 今日の修行は終わりなんですか?」
「今日の俺の役目は終わりだ」
ディーノが首を横に振る。
「開匣のアドバイスはした。後はもう恭弥次第だ。俺がいない方が捗るだろ」
なるほど。ディーノの言う通りだ。
元々雲雀は彼を家庭教師と認めている訳ではない。ならばアドバイスを与え、後は雲雀に任せるのが得策だ。
雲雀をよく知るディーノらしい導き方だ。
「分かりました。ディーノさん、ありがとうございます」
「幸子、お前も大変だろうが恭弥をよろしくな」
「はい、任せて下さい」
ディーノは労ってくれているが、本当に大変なのはみんなの方だ。
幸子はそれを痛い程に解っていた。
「戦う力のない私が出来る事は限られてるから…。だから私に出来る事があるなら何でもさせて下さい」
ディーノは暫く幸子を見つめていたが、さっきと同じように髪をくしゃりと撫でてくれた。
「戦うってのは、武器を振るうだけが全てじゃねーさ。こうして飯を作ったり、誰かを按じたり…それだって充分戦ってる事になるんだぜ?」
「ディーノさん…!?」
「幸子は幸子だけが出来るやり方で俺達を……恭弥を支えてやってくれ。恭弥を支えられるのはお前しかいないんだ、幸子」
「……っ、はい!」
「恭弥に美味いカレーをたらふく食わせてやってくれよ。頼んだぜ」
全てを包容する大空は、そう言って微笑んだ。