変わらない風
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寝転んだ雲雀はガサガサとポケットを探り、紫色の小さな箱を取り出した。
「それ…ボンゴレ匣……」
「知っているのかい?」
「詳しくは知らない。ちょっと……見た事があっただけ」
「ふうん」
と頷いて雲雀は匣を眺めだした。
『それって、普段恭弥が使ってる匣と違うね』
書斎に立ち寄った際、机の上に無造作に置かれていたそれが気になって尋ねた事がある。
『これはボンゴレの匣だからね』
『それならやっぱり雲の守護者である恭弥にしか開けられないの?』
『さあ、どうかな。強い雲の炎を宿していれば可能かもしれないよ。試してみるかい?』
『わ、私?! 私には無理だよ!!!』
『分からないよ。幸子、君は僕と同じだからね』
そう微笑んだ雲雀。
ただの世間話のようなものだったのに酷く印象に残っていたのは、珍しく雲雀がボンゴレにまつわる話をしていたからだ。
「(あの時既に、事態は動き出していたのかもしれない)……?!」
「うるさいな」
不快そうに呟いた雲雀の言葉に我に返った途端、ワイワイと賑やかな数人の声が聞こえてきた。
見れば、向こう側の校舎の屋上に沢田達がいる。きっと彼らにとっても特別なこの中学校に、自然と足が向いたのだろう。
「沢田君達も来たんだね。やっぱりみんな並中が大好きなんだよ」
「……みてーだな。あいつらいい顔してる」
「!」
雲雀ではない声がそう応えた瞬間、弾かれたように飛び起きた雲雀が幸子を守るように前に立った。その手にはトンファー。
「き、恭弥…」
雲雀の背中に殺気立つものを感じながら声の聞こえた方向――給水塔を見上げた。
太陽の光に照らされた、給水塔に座る見覚えのある青年。
「まあ待て。恭弥。そう慌てなくても、みっちり鍛えてやっから」
キャバッローネファミリー10代目ボス ディーノが笑みを浮かべてそこにいた。
「それ…ボンゴレ匣……」
「知っているのかい?」
「詳しくは知らない。ちょっと……見た事があっただけ」
「ふうん」
と頷いて雲雀は匣を眺めだした。
『それって、普段恭弥が使ってる匣と違うね』
書斎に立ち寄った際、机の上に無造作に置かれていたそれが気になって尋ねた事がある。
『これはボンゴレの匣だからね』
『それならやっぱり雲の守護者である恭弥にしか開けられないの?』
『さあ、どうかな。強い雲の炎を宿していれば可能かもしれないよ。試してみるかい?』
『わ、私?! 私には無理だよ!!!』
『分からないよ。幸子、君は僕と同じだからね』
そう微笑んだ雲雀。
ただの世間話のようなものだったのに酷く印象に残っていたのは、珍しく雲雀がボンゴレにまつわる話をしていたからだ。
「(あの時既に、事態は動き出していたのかもしれない)……?!」
「うるさいな」
不快そうに呟いた雲雀の言葉に我に返った途端、ワイワイと賑やかな数人の声が聞こえてきた。
見れば、向こう側の校舎の屋上に沢田達がいる。きっと彼らにとっても特別なこの中学校に、自然と足が向いたのだろう。
「沢田君達も来たんだね。やっぱりみんな並中が大好きなんだよ」
「……みてーだな。あいつらいい顔してる」
「!」
雲雀ではない声がそう応えた瞬間、弾かれたように飛び起きた雲雀が幸子を守るように前に立った。その手にはトンファー。
「き、恭弥…」
雲雀の背中に殺気立つものを感じながら声の聞こえた方向――給水塔を見上げた。
太陽の光に照らされた、給水塔に座る見覚えのある青年。
「まあ待て。恭弥。そう慌てなくても、みっちり鍛えてやっから」
キャバッローネファミリー10代目ボス ディーノが笑みを浮かべてそこにいた。