Teardrop
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時雨蒼燕流 特式十二の型 右太刀――
「斬雨!」
無数の太刀がデイモンに襲いかかる。その一撃が見事デイモンの額を切り裂いた。
「ここは退く事とします」
加藤ジュリーというかりそめの器では本来の能力の1割も使えないと悟ったデイモンは、この闘いに見切りをつける事を選んだのだ。
「幸子」
とデイモンが雲雀に抱かれた幸子を振り返る。何度見ても腸の煮えくりかえる光景だ。
「お前は私のものです」
「黙れ。幸子は僕のものだ」
「ヌフフフフ。吼えていなさい。幸子は必ず迎えに来ます」
「次は必ず咬み殺す」
意識を失っている幸子をよそに男同士の熾烈なやりとりが交わされ、そして…
「ぐっ」
デイモンとクロームの姿が消えた途端、ザッと山本がその場に膝をついた。
「山本!大丈夫!?」
すぐに沢田達が山本の許へ駆けつける。
病み上がりであるのだ。山本の消耗も並大抵のものではない。
「ハハッ。さすがにずっと全力ってのは………キツイな」
「ったりめーだバカ!!」
「何やってんの山本ォ~!!」
山本の事を心の底から心配しているからこその2人の発言。
「どいつもヘコたれてるから一度しっかり休んだ方がよさそうだな」
獄寺の肩の上に乗ったリボーンが一同を見回して言った。
「赤ん坊」
そこへ、依然眠ったままの幸子を姫抱きにした雲雀が近づいてきた。既にボンゴレギアは解かれており、いつもの学ラン姿に戻っている。
リボーンだけではなく沢田達も、雲雀と、その腕の中の幸子に視線を向けた。
沢田達が話に入ってきた事により、群れを嫌う雲雀はイラつき始めもしたが、まずは己の中の疑問を解消するのが先決だ。
「どうした、ヒバリ」
「『リブ』って誰?」
リブ――‥
あの時デイモンは幸子の事をそう呼んだ。
「あっ!それ、俺も思った!」
「10代目もですか!? 俺もです」
「リブか……」
「小僧、知ってるのか?」
俯いて何やら考え込んだリボーンに、なんとか立ち上がった山本が尋ねた。
「俺が知っている『リブ』は、長いボンゴレの歴史でもただ一人だ。しかもそいつはボンゴレ関係者ではあるがマフィアじゃねぇ」
「誰?」
雲雀の切れ長の瞳が、真っ直ぐにリボーンを映していた。
「Ⅰ世ファミリー最強の守護者にして初代門外顧問 孤高の浮き雲アラウディの妻であるリブだ」
「つっ、妻ぁ~!?」
思わずすっとんきょうな声を上げた沢田であったが、雲雀に睨みつけられすぐに静かになる。
「孤高を貫いたアラウディが唯一愛し、傍においた女……それがリブだ。そう、ちょうど雲雀にとっての幸子みたいな存在だな」
「……そう」
雲雀の視線がゆっくりと幸子に注がれ、それに促されるように全員の視線も幸子に移る。
「幸子さん…」
沢田が心配そうに幸子を覗き込む。
「勝手に見ないでくれる?」
「あっ、す、すすすいません!!」
雲雀はムスッとした不愉快そうな顔で沢田に告げると、羽織った学ランを翻す。知りたかった謎は解けた。これ以上草食動物達と群れる必要はない。
「ヒバリ!テメェ10代目になんて口の聞き方しやがる!!」
「ハハッ。ヒバリらしいなっ」
獄寺と山本の対照的な反応を背に、雲雀はその場を立ち去った。
「斬雨!」
無数の太刀がデイモンに襲いかかる。その一撃が見事デイモンの額を切り裂いた。
「ここは退く事とします」
加藤ジュリーというかりそめの器では本来の能力の1割も使えないと悟ったデイモンは、この闘いに見切りをつける事を選んだのだ。
「幸子」
とデイモンが雲雀に抱かれた幸子を振り返る。何度見ても腸の煮えくりかえる光景だ。
「お前は私のものです」
「黙れ。幸子は僕のものだ」
「ヌフフフフ。吼えていなさい。幸子は必ず迎えに来ます」
「次は必ず咬み殺す」
意識を失っている幸子をよそに男同士の熾烈なやりとりが交わされ、そして…
「ぐっ」
デイモンとクロームの姿が消えた途端、ザッと山本がその場に膝をついた。
「山本!大丈夫!?」
すぐに沢田達が山本の許へ駆けつける。
病み上がりであるのだ。山本の消耗も並大抵のものではない。
「ハハッ。さすがにずっと全力ってのは………キツイな」
「ったりめーだバカ!!」
「何やってんの山本ォ~!!」
山本の事を心の底から心配しているからこその2人の発言。
「どいつもヘコたれてるから一度しっかり休んだ方がよさそうだな」
獄寺の肩の上に乗ったリボーンが一同を見回して言った。
「赤ん坊」
そこへ、依然眠ったままの幸子を姫抱きにした雲雀が近づいてきた。既にボンゴレギアは解かれており、いつもの学ラン姿に戻っている。
リボーンだけではなく沢田達も、雲雀と、その腕の中の幸子に視線を向けた。
沢田達が話に入ってきた事により、群れを嫌う雲雀はイラつき始めもしたが、まずは己の中の疑問を解消するのが先決だ。
「どうした、ヒバリ」
「『リブ』って誰?」
リブ――‥
あの時デイモンは幸子の事をそう呼んだ。
「あっ!それ、俺も思った!」
「10代目もですか!? 俺もです」
「リブか……」
「小僧、知ってるのか?」
俯いて何やら考え込んだリボーンに、なんとか立ち上がった山本が尋ねた。
「俺が知っている『リブ』は、長いボンゴレの歴史でもただ一人だ。しかもそいつはボンゴレ関係者ではあるがマフィアじゃねぇ」
「誰?」
雲雀の切れ長の瞳が、真っ直ぐにリボーンを映していた。
「Ⅰ世ファミリー最強の守護者にして初代門外顧問 孤高の浮き雲アラウディの妻であるリブだ」
「つっ、妻ぁ~!?」
思わずすっとんきょうな声を上げた沢田であったが、雲雀に睨みつけられすぐに静かになる。
「孤高を貫いたアラウディが唯一愛し、傍においた女……それがリブだ。そう、ちょうど雲雀にとっての幸子みたいな存在だな」
「……そう」
雲雀の視線がゆっくりと幸子に注がれ、それに促されるように全員の視線も幸子に移る。
「幸子さん…」
沢田が心配そうに幸子を覗き込む。
「勝手に見ないでくれる?」
「あっ、す、すすすいません!!」
雲雀はムスッとした不愉快そうな顔で沢田に告げると、羽織った学ランを翻す。知りたかった謎は解けた。これ以上草食動物達と群れる必要はない。
「ヒバリ!テメェ10代目になんて口の聞き方しやがる!!」
「ハハッ。ヒバリらしいなっ」
獄寺と山本の対照的な反応を背に、雲雀はその場を立ち去った。