変わらない風
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「行くよ」
朝食の後。身支度を済ませた雲雀は、後片づけを終えた幸子を見るなり告げた。
「そういえば昨日も何処かへ行こうとしてたよね」
「君に泣きつかれてやめたけど」
「な、泣きつかれたって……」
「違うのかい?」
「…違わないけど」
仕方ないではないか。今の幸子にとって雲雀と離れる事が一番辛いのだから。
そんな想いを込めて軽く睨み付けてやるが、涼しい顔でスルーされてしまった。
「でも恭弥。一体どこへ………あっ!!」
問いかけようとして思い当たってしまった。風紀委員長の在るべき場所などひとつしかない。
「お二人共どちらへ?!」
並盛商店街に差し掛かる辺りで草壁に呼び止められた。2人の姿が見えない事に気づき、慌てて追ってきたのだろう。
束縛を嫌う雲雀は当然イライラして睨みつける。
「君に言う必要はないね」
「い、委員長…。しかし……!!」
オロオロする草壁を安心させてあげたい。
しかし本当の答えを言ってしまえば 草壁の肩を持ったと独占欲の強い雲雀はふてくされそうだ。ならば答えスレスレのヒントを告げておこう。
「心配しないで。私達の出逢った場所にいるから!」
ハッとした草壁がグッと上に親指を立てた。
並中の屋上――。
陽当たりの良い場所に寝転がると、その隣に幸子が腰を下ろした。
「並中の屋上、久しぶりだなぁ」
などと一人呑気に感動している幸子を横目でちらりと見た。
あの時…十年後の未来とやらに来る直前も、こうして幸子と屋上にいた。
「ねえ、恭弥。風が気持ちいいね」
上向いて風を感じていた幸子が話しかけてくる。
「いつもと変わらないな」
「変わらないよね、この風…。懐かしいなぁ」
思い出に浸るように幸子は目を閉じた。よく知る並中生の幸子より、幾分大人びた横顔。
「…ムカつく」
「えっ!? な、なにが?!」
「昨日まで並中生だったのに、なに勝手に成長してんの」
「ええーっ!!?」
ああ、本当に。
雲雀恭弥は何処までも雲雀恭弥なのだ。
朝食の後。身支度を済ませた雲雀は、後片づけを終えた幸子を見るなり告げた。
「そういえば昨日も何処かへ行こうとしてたよね」
「君に泣きつかれてやめたけど」
「な、泣きつかれたって……」
「違うのかい?」
「…違わないけど」
仕方ないではないか。今の幸子にとって雲雀と離れる事が一番辛いのだから。
そんな想いを込めて軽く睨み付けてやるが、涼しい顔でスルーされてしまった。
「でも恭弥。一体どこへ………あっ!!」
問いかけようとして思い当たってしまった。風紀委員長の在るべき場所などひとつしかない。
「お二人共どちらへ?!」
並盛商店街に差し掛かる辺りで草壁に呼び止められた。2人の姿が見えない事に気づき、慌てて追ってきたのだろう。
束縛を嫌う雲雀は当然イライラして睨みつける。
「君に言う必要はないね」
「い、委員長…。しかし……!!」
オロオロする草壁を安心させてあげたい。
しかし本当の答えを言ってしまえば 草壁の肩を持ったと独占欲の強い雲雀はふてくされそうだ。ならば答えスレスレのヒントを告げておこう。
「心配しないで。私達の出逢った場所にいるから!」
ハッとした草壁がグッと上に親指を立てた。
並中の屋上――。
陽当たりの良い場所に寝転がると、その隣に幸子が腰を下ろした。
「並中の屋上、久しぶりだなぁ」
などと一人呑気に感動している幸子を横目でちらりと見た。
あの時…十年後の未来とやらに来る直前も、こうして幸子と屋上にいた。
「ねえ、恭弥。風が気持ちいいね」
上向いて風を感じていた幸子が話しかけてくる。
「いつもと変わらないな」
「変わらないよね、この風…。懐かしいなぁ」
思い出に浸るように幸子は目を閉じた。よく知る並中生の幸子より、幾分大人びた横顔。
「…ムカつく」
「えっ!? な、なにが?!」
「昨日まで並中生だったのに、なに勝手に成長してんの」
「ええーっ!!?」
ああ、本当に。
雲雀恭弥は何処までも雲雀恭弥なのだ。