見上げる君
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クロームの様子を京子達に伝え、幸子は足早に雲雀の許へと戻った。
時間にしておよそ50分。
雲雀は待ちくたびれていないだろうか。…待ちくたびれているだろう、きっと。
「恭弥、お待たせ。遅くなって……!?」
襖を開けながら謝罪した幸子は言葉を止めた。雲雀の姿は何処にもない。
「恭弥?」
見渡してみるが、広い部屋の何処にも雲雀の姿を認める事はできなかった。
まさか本当に出ていってしまったのかと一瞬考えたが、その可能性は低いとすぐに打ち消した。
待っていると言ってくれたのだ。彼が幸子と交わした約束を簡単に破らないと、10年間の付き合いで解っている。
「それなら何処に行っちゃったんだろう…?」
キッチンや応接間も覗いてみたが姿はない。
まさかと思い雲雀の自室に行ってみると――
「恭弥!」
雲雀がいた。
窓枠に腰かけて外を眺めている。肩にはヒバードの姿もあった。
「遅かったね」
「ごめん…。でもまさか、ここにいるとは思わなかったよ」
寝室は最後に案内するつもりでいたのだ。
勘がいいというか、雲雀本人だから辿り着けて当たり前というか。とにかく見つかって一安心だ。
『ヒバリ ヒバリ』
スイーとヒバードが肩の上から外に飛び立ったのを合図に雲雀が窓枠から立ち上がった。
近づいてきた雲雀は今の彼より背は少し低いが、幸子が見上げる事には変わりない。
「幸子」
名を呼ばれ、その手が頬に触れる。
見つめてくる青灰色の瞳は美しく、見つめ返せば吸い込まれてしまいそうだ。
頬に触れていた指が動き、下唇をなぞられた。トクリ…と心臓が音を立てる。
こんな気持ちになるのはきっと、自分が雲雀を過去も未来もない程に愛しているからなんだろう。
近づいてくる雲雀の顔を見つめながらそう感じた幸子は、そっと目を閉じた――。
時間にしておよそ50分。
雲雀は待ちくたびれていないだろうか。…待ちくたびれているだろう、きっと。
「恭弥、お待たせ。遅くなって……!?」
襖を開けながら謝罪した幸子は言葉を止めた。雲雀の姿は何処にもない。
「恭弥?」
見渡してみるが、広い部屋の何処にも雲雀の姿を認める事はできなかった。
まさか本当に出ていってしまったのかと一瞬考えたが、その可能性は低いとすぐに打ち消した。
待っていると言ってくれたのだ。彼が幸子と交わした約束を簡単に破らないと、10年間の付き合いで解っている。
「それなら何処に行っちゃったんだろう…?」
キッチンや応接間も覗いてみたが姿はない。
まさかと思い雲雀の自室に行ってみると――
「恭弥!」
雲雀がいた。
窓枠に腰かけて外を眺めている。肩にはヒバードの姿もあった。
「遅かったね」
「ごめん…。でもまさか、ここにいるとは思わなかったよ」
寝室は最後に案内するつもりでいたのだ。
勘がいいというか、雲雀本人だから辿り着けて当たり前というか。とにかく見つかって一安心だ。
『ヒバリ ヒバリ』
スイーとヒバードが肩の上から外に飛び立ったのを合図に雲雀が窓枠から立ち上がった。
近づいてきた雲雀は今の彼より背は少し低いが、幸子が見上げる事には変わりない。
「幸子」
名を呼ばれ、その手が頬に触れる。
見つめてくる青灰色の瞳は美しく、見つめ返せば吸い込まれてしまいそうだ。
頬に触れていた指が動き、下唇をなぞられた。トクリ…と心臓が音を立てる。
こんな気持ちになるのはきっと、自分が雲雀を過去も未来もない程に愛しているからなんだろう。
近づいてくる雲雀の顔を見つめながらそう感じた幸子は、そっと目を閉じた――。