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部屋には雲雀と幸子の2人だけが残った。
「恭弥。ちょっとだけ待っててくれる…?」
「その必要はないよ」
部屋を出ていこうとする雲雀の腕を慌てて両手で掴んだ。
「待ってってば、恭弥!」
「君は笹川京子達と群れに行くんでしょ? 早く行きなよ」
「だから…っ、すぐ戻るからここにいて?」
「いやだね。僕は誰の指図も受けない」
ああ、そうなのだ。
10年前の雲雀は今より輪をかけて群れ嫌いだった。
自分を放っておいて幸子が群れに行くのを許せる程寛大じゃない(独占欲が強いという点では今もそう変わってはいないか)
普段なら彼を宥めたり多少強引だが行って来てしまったりしたかもしれない。だが今の幸子にその余裕はなかった。
「……ない」
「ん?」
「それならいかない。恭弥の傍にいる」
「!」
きゅっと雲雀の背中にすがるように身を寄せた。
「だから何処にも行かないで」
「幸子…」
「私の傍にいて。……離れたくないよ」
「……」
密着している幸子の体が小刻みに震えていた。
雲雀は小さく息を吐くと、くるりと態勢を変え幸子と向かい合った。
身を屈めると震える唇にそっと口づける。
「早くしなよ」
「恭弥…?」
「すぐに戻るんでしょ?」
「…っ、うん!」
幸子は頷くと、急ぎ足で部屋を出ていった。
一人残った雲雀はくるりと向きを変え誂えられた座椅子に陣取る。ふかふかの座布団の座り心地が最高だ。
『ヒバリ ヒバリ』
何処からかパタパタと飛んできたヒバードが雲雀の肩に停まり羽を休めた。
気にせず雲雀は美しい和風庭園に目を向ける。
「恭弥。ちょっとだけ待っててくれる…?」
「その必要はないよ」
部屋を出ていこうとする雲雀の腕を慌てて両手で掴んだ。
「待ってってば、恭弥!」
「君は笹川京子達と群れに行くんでしょ? 早く行きなよ」
「だから…っ、すぐ戻るからここにいて?」
「いやだね。僕は誰の指図も受けない」
ああ、そうなのだ。
10年前の雲雀は今より輪をかけて群れ嫌いだった。
自分を放っておいて幸子が群れに行くのを許せる程寛大じゃない(独占欲が強いという点では今もそう変わってはいないか)
普段なら彼を宥めたり多少強引だが行って来てしまったりしたかもしれない。だが今の幸子にその余裕はなかった。
「……ない」
「ん?」
「それならいかない。恭弥の傍にいる」
「!」
きゅっと雲雀の背中にすがるように身を寄せた。
「だから何処にも行かないで」
「幸子…」
「私の傍にいて。……離れたくないよ」
「……」
密着している幸子の体が小刻みに震えていた。
雲雀は小さく息を吐くと、くるりと態勢を変え幸子と向かい合った。
身を屈めると震える唇にそっと口づける。
「早くしなよ」
「恭弥…?」
「すぐに戻るんでしょ?」
「…っ、うん!」
幸子は頷くと、急ぎ足で部屋を出ていった。
一人残った雲雀はくるりと向きを変え誂えられた座椅子に陣取る。ふかふかの座布団の座り心地が最高だ。
『ヒバリ ヒバリ』
何処からかパタパタと飛んできたヒバードが雲雀の肩に停まり羽を休めた。
気にせず雲雀は美しい和風庭園に目を向ける。