見上げる君
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食事を終えた後――。
幸子は10年前の雲雀に室内を案内していた。
雲雀に雲雀の私邸を案内するとは不思議な感覚だ。当の雲雀は純和風の造りが気に入ったのか大人しく案内されていた(雲雀本人の設計なので当たり前といえば当たり前だが)
「ここが居間。晴れた日は特に見晴らしがいいんだよ♪」
「ふうん」
開け放たれた障子から日本庭園を眺める雲雀が相槌を打った。まんざらでもない様子だ。
「あと寝室とアジトを案内するね」
「いいよ」
「えっ…!?」
「僕はもう行くから」
そう告げると雲雀はスタスタと廊下に向かい歩き出してしまった。幸子は慌てて後を追う。
「ま、待って恭弥。何処へ行くの!?」
「決まってるよ――」
襖に手をかけ顔だけで幸子を振り返った雲雀が具体的な場所を言う前に、襖が音もなくス…と開いた。
「恭さん…! いえ、委員長。良かった、幸子さんも一緒だな」
廊下側から襖を開けたのは草壁だった。
「…草壁哲矢」
「どうしたの?」
草壁は一瞬雲雀を見て言いにくそうに口ごもったが、直ぐに幸子へと視線を移して口を開いた。
「財団アジトの前に笹川京子と三浦ハルが来ている」
「京子ちゃんとハルちゃんが…?!」
「ああ。幸子さんとの面会を望んでいるようだ」
「私!?」
2人が揃って訪ねてくるなど何かあったのだろうか。
早く行かなくては…。そう思いながらも幸子はちらりと雲雀を見た。
この時代に来たばかりの雲雀を一時でも放っておくのは気が退ける。
「どうする幸子さん?」
「草壁君、先に行ってて」
「あ、ああ…」
ぎこちなく頷き、草壁は去っていった。
幸子は10年前の雲雀に室内を案内していた。
雲雀に雲雀の私邸を案内するとは不思議な感覚だ。当の雲雀は純和風の造りが気に入ったのか大人しく案内されていた(雲雀本人の設計なので当たり前といえば当たり前だが)
「ここが居間。晴れた日は特に見晴らしがいいんだよ♪」
「ふうん」
開け放たれた障子から日本庭園を眺める雲雀が相槌を打った。まんざらでもない様子だ。
「あと寝室とアジトを案内するね」
「いいよ」
「えっ…!?」
「僕はもう行くから」
そう告げると雲雀はスタスタと廊下に向かい歩き出してしまった。幸子は慌てて後を追う。
「ま、待って恭弥。何処へ行くの!?」
「決まってるよ――」
襖に手をかけ顔だけで幸子を振り返った雲雀が具体的な場所を言う前に、襖が音もなくス…と開いた。
「恭さん…! いえ、委員長。良かった、幸子さんも一緒だな」
廊下側から襖を開けたのは草壁だった。
「…草壁哲矢」
「どうしたの?」
草壁は一瞬雲雀を見て言いにくそうに口ごもったが、直ぐに幸子へと視線を移して口を開いた。
「財団アジトの前に笹川京子と三浦ハルが来ている」
「京子ちゃんとハルちゃんが…?!」
「ああ。幸子さんとの面会を望んでいるようだ」
「私!?」
2人が揃って訪ねてくるなど何かあったのだろうか。
早く行かなくては…。そう思いながらも幸子はちらりと雲雀を見た。
この時代に来たばかりの雲雀を一時でも放っておくのは気が退ける。
「どうする幸子さん?」
「草壁君、先に行ってて」
「あ、ああ…」
ぎこちなく頷き、草壁は去っていった。