鏡の中の笑顔
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オレンジの炎を発光させながら 仮面の男はゆらゆらと蜃気楼のように揺らめいて消えた。
次の瞬間「もういいよ♪」と部屋中に声が響き渡り、鏡という鏡に仮面の男の姿が映り込んだ。
「や…!」
幸子は顔をひきつらせて声を洩らした。ゾッとするような光景だ。
「さあ、ホンモノのボクを当ててごらんよ♪」
鏡に映る仮面の男全てが一斉に喋り、室内に声が反響する。
チャンスは一度。
雲雀は暫くの間 黙って鏡を睨み付けていたが、ダッと地を蹴った。
構えたトンファーが雲のリングにより増幅された紫の炎に包まれる。
雲雀は風のように走り、素早い動きで室内に張り巡らされた鏡という鏡を殴打した。
「恭弥っ!!」
硝子の割れる音と共に砕け散る鏡。
全てを破壊し尽くした後、雲雀は静かに答えた。
「ホンモノの君なんていないよ」
ヒュッとトンファーを宙で一振りし、正面の割れた鏡に映る仮面の男を見る。
「最初からこの部屋に君の気配は感じられなかった。君の実体はここにはない。つまり全てニセモノだ」
「悔しいな。正解だ♪」
瞬間――
部屋中の鏡が粉々に砕けた。
「かくれんぼはボクの負けだ。またね。木梨幸子チャン♪」
それきり、部屋は静寂に包まれた。
鏡が砕けてなくなった壁から隠し扉が現れた。ドアを開けると、今度はのぼり階段がある。
「白くて丸い装置だったね」
「うん」
なぜか己をまじまじと見つめてくる幸子に対し、雲雀はあからさまに眉を潜めて怪訝そうな顔をした。
「なに?」
「やっぱり恭弥なんだな、って思ってたの」
「なに寝ぼけた事言ってんの。僕は僕だよ」
仰る通り。彼は雲雀恭弥だ。
心の中に巣食っていたものなど、鏡と共に砕け散ってしまった。
今はただ、目の前の雲雀を信じて前に進もう。
幸子はそっと雲雀の指に自分のそれを絡めた。
きゅっ…と、絡めた指に力が籠るのを感じた。
次の瞬間「もういいよ♪」と部屋中に声が響き渡り、鏡という鏡に仮面の男の姿が映り込んだ。
「や…!」
幸子は顔をひきつらせて声を洩らした。ゾッとするような光景だ。
「さあ、ホンモノのボクを当ててごらんよ♪」
鏡に映る仮面の男全てが一斉に喋り、室内に声が反響する。
チャンスは一度。
雲雀は暫くの間 黙って鏡を睨み付けていたが、ダッと地を蹴った。
構えたトンファーが雲のリングにより増幅された紫の炎に包まれる。
雲雀は風のように走り、素早い動きで室内に張り巡らされた鏡という鏡を殴打した。
「恭弥っ!!」
硝子の割れる音と共に砕け散る鏡。
全てを破壊し尽くした後、雲雀は静かに答えた。
「ホンモノの君なんていないよ」
ヒュッとトンファーを宙で一振りし、正面の割れた鏡に映る仮面の男を見る。
「最初からこの部屋に君の気配は感じられなかった。君の実体はここにはない。つまり全てニセモノだ」
「悔しいな。正解だ♪」
瞬間――
部屋中の鏡が粉々に砕けた。
「かくれんぼはボクの負けだ。またね。木梨幸子チャン♪」
それきり、部屋は静寂に包まれた。
鏡が砕けてなくなった壁から隠し扉が現れた。ドアを開けると、今度はのぼり階段がある。
「白くて丸い装置だったね」
「うん」
なぜか己をまじまじと見つめてくる幸子に対し、雲雀はあからさまに眉を潜めて怪訝そうな顔をした。
「なに?」
「やっぱり恭弥なんだな、って思ってたの」
「なに寝ぼけた事言ってんの。僕は僕だよ」
仰る通り。彼は雲雀恭弥だ。
心の中に巣食っていたものなど、鏡と共に砕け散ってしまった。
今はただ、目の前の雲雀を信じて前に進もう。
幸子はそっと雲雀の指に自分のそれを絡めた。
きゅっ…と、絡めた指に力が籠るのを感じた。