暴走
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暴走による超増殖は、圧倒的スピードで匣実験場を埋め尽くし、破壊していく。
「に、逃げなくちゃ…」
異変に気づいた幸子は、自分に言い聞かせるように呟き、キョロキョロと辺りを見る。増殖した球針態の影響で草壁達、それに山本とラルの姿はない。
完全に孤立してしまっていた。
「き、恭弥…」
雲雀と幻騎士の姿も球針態に隠れてみえない。
雲雀は何処にいるのだろう。
十年前から来たばかりで右も左も事情も分からないまま、臆することなく強敵と対峙した雲雀。彼を置いては行けない。
「あっ…!」
とにかくこの場を動こうとした幸子の目の前に球針態が迫る。じりじりと後退するが、すぐに背が壁に当たった。
「やっ…恭弥……」
青ざめた幸子は ふるふると首を横に振りながら無意識に恋人の名を呼んだ。
こんな時にすがってしまうのはやはり雲雀なのだ。
迫りくる鋭いトゲ。
「幸子!」
「!」
見上げると、球針態を飛び移りながら雲雀がこちらにやって来る。
ほんの僅かな時間、目があっただけだ。
だが雲雀は、彼にとっては未来の自分を己の愛する女と認識していた。
「恭弥ぁっ!!」
幸子は目に涙を滲ませながら叫んだ。
バッと球針態を蹴った雲雀が幸子の目の前に着地した。
「きゃっ…!」
「行くよ」
雲雀は幸子を抱き上げると、すぐにその場を離れた。
間一髪、鋭いトゲが壁に突き刺さり破壊した。
「っ…」
あと少し、雲雀が来るのが遅れていたら…そう思うと恐怖に身がすくんだ。
幸子は思わず雲雀の首に両手を回してきゅっとすがりついた。大人の雲雀より幾分華奢な…しかしやはり頼りになる男性の体つき。
なにより安心する、雲雀の腕の中。
「に、逃げなくちゃ…」
異変に気づいた幸子は、自分に言い聞かせるように呟き、キョロキョロと辺りを見る。増殖した球針態の影響で草壁達、それに山本とラルの姿はない。
完全に孤立してしまっていた。
「き、恭弥…」
雲雀と幻騎士の姿も球針態に隠れてみえない。
雲雀は何処にいるのだろう。
十年前から来たばかりで右も左も事情も分からないまま、臆することなく強敵と対峙した雲雀。彼を置いては行けない。
「あっ…!」
とにかくこの場を動こうとした幸子の目の前に球針態が迫る。じりじりと後退するが、すぐに背が壁に当たった。
「やっ…恭弥……」
青ざめた幸子は ふるふると首を横に振りながら無意識に恋人の名を呼んだ。
こんな時にすがってしまうのはやはり雲雀なのだ。
迫りくる鋭いトゲ。
「幸子!」
「!」
見上げると、球針態を飛び移りながら雲雀がこちらにやって来る。
ほんの僅かな時間、目があっただけだ。
だが雲雀は、彼にとっては未来の自分を己の愛する女と認識していた。
「恭弥ぁっ!!」
幸子は目に涙を滲ませながら叫んだ。
バッと球針態を蹴った雲雀が幸子の目の前に着地した。
「きゃっ…!」
「行くよ」
雲雀は幸子を抱き上げると、すぐにその場を離れた。
間一髪、鋭いトゲが壁に突き刺さり破壊した。
「っ…」
あと少し、雲雀が来るのが遅れていたら…そう思うと恐怖に身がすくんだ。
幸子は思わず雲雀の首に両手を回してきゅっとすがりついた。大人の雲雀より幾分華奢な…しかしやはり頼りになる男性の体つき。
なにより安心する、雲雀の腕の中。