裏 球針態
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ジュッ!!
長剣を受け止めたトンファーの先端部分が焼けるような音をあげて千切れ、舞い飛んだ。
「硬度の低い霧の炎も一点に集中すれば、鋼鉄を焼きちぎるなど造作もない」
「知ってるよ」
唯一の攻撃手段にして己を守る唯一であるトンファーを焼きちぎられてもなお、雲雀の顔から笑みが消えることはなかった。
「!!」
たった今、この男にとって絶望的な宣告をしたばかりだというのに。
(何がおかしい…!?)
動揺を隠しつつ、幻騎士は両足の剣を軸にして体を高速回転させる。
回転を利用して両手の剣を繰り出した。
打って出る雲雀のトンファーが破壊され、少しずつ原形を失っていく…。
雲雀の頬やスーツが裂けて血飛沫が飛び散った。
それでも…雲雀は不敵な笑みを浮かべたまま。
「貴様…死を望んでいるのか?」
「どうして僕が? 咬み殺されることになるのは君なのに」
本当は 僕が直接したかったんだけどね。もう時間がない。
「!? この状況で何を言っている!!」
雲雀の肌が裂けて迸る鮮血が幻騎士の顔を汚しても、彼は攻撃の手を休めない。
ついにトンファーはバラバラに焼きちぎられた。その時にはもう、雲雀は幻騎士の目前に迫っていて。
「うらやましいな」
「くっ!」
傷だらけの右手を己に向かって伸ばされ、幻騎士は思わず飛び退いて雲雀と距離をとった。
(何だこの不敵な目は…!! 何だ……。何なんだ この男は!?)
完全に気圧されていた。
プレッシャーをはね除けるように、幻騎士は刃を降り下ろした。
「えぇい!! 死ねい!!!」
その瞬間、頭に浮かんだのは…愛しい女。
「幸子…」
"僕"を見たら 君はどんな顔をするんだろう。
きっと君の事だから どんな状況でも "僕"を全力で愛するんだろうな。
"僕"が "君"だけを愛しているようにね。
(大丈夫だよ)
ほんの少しの別れだ。
全て終わったら たっぷりと可愛がって 寂しさなんてすぐ忘れさせてあげる。
ねえ、幸子のこと――‥
(まかせたよ)
雲雀は笑みを浮かべて、迫る刃の先にある未来を見つめた。
長剣を受け止めたトンファーの先端部分が焼けるような音をあげて千切れ、舞い飛んだ。
「硬度の低い霧の炎も一点に集中すれば、鋼鉄を焼きちぎるなど造作もない」
「知ってるよ」
唯一の攻撃手段にして己を守る唯一であるトンファーを焼きちぎられてもなお、雲雀の顔から笑みが消えることはなかった。
「!!」
たった今、この男にとって絶望的な宣告をしたばかりだというのに。
(何がおかしい…!?)
動揺を隠しつつ、幻騎士は両足の剣を軸にして体を高速回転させる。
回転を利用して両手の剣を繰り出した。
打って出る雲雀のトンファーが破壊され、少しずつ原形を失っていく…。
雲雀の頬やスーツが裂けて血飛沫が飛び散った。
それでも…雲雀は不敵な笑みを浮かべたまま。
「貴様…死を望んでいるのか?」
「どうして僕が? 咬み殺されることになるのは君なのに」
本当は 僕が直接したかったんだけどね。もう時間がない。
「!? この状況で何を言っている!!」
雲雀の肌が裂けて迸る鮮血が幻騎士の顔を汚しても、彼は攻撃の手を休めない。
ついにトンファーはバラバラに焼きちぎられた。その時にはもう、雲雀は幻騎士の目前に迫っていて。
「うらやましいな」
「くっ!」
傷だらけの右手を己に向かって伸ばされ、幻騎士は思わず飛び退いて雲雀と距離をとった。
(何だこの不敵な目は…!! 何だ……。何なんだ この男は!?)
完全に気圧されていた。
プレッシャーをはね除けるように、幻騎士は刃を降り下ろした。
「えぇい!! 死ねい!!!」
その瞬間、頭に浮かんだのは…愛しい女。
「幸子…」
"僕"を見たら 君はどんな顔をするんだろう。
きっと君の事だから どんな状況でも "僕"を全力で愛するんだろうな。
"僕"が "君"だけを愛しているようにね。
(大丈夫だよ)
ほんの少しの別れだ。
全て終わったら たっぷりと可愛がって 寂しさなんてすぐ忘れさせてあげる。
ねえ、幸子のこと――‥
(まかせたよ)
雲雀は笑みを浮かべて、迫る刃の先にある未来を見つめた。