Teardrop
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茂みから現れたのは幸子であった。
その表情はどこか虚ろだ。
幸子が現れた事に誰よりも驚愕し、デイモンから引き離そうと反射的に動いた雲雀の身体は、すぐに動きを止めた。
「――!!」
霧のカーテン――
結界を破るのは容易いが、それはクロームの命と引き替えである事を意味する。
なぜ幸子がここに…
雲雀の脳裏に、数時間前に見た幸子の笑顔が浮かんだ。
おそらくデイモンは、己と別れた後の幸子に接触したに違いない。
ぎりっ…と奥歯を噛みしめて、雲雀はデイモンを睨み付けた。そんな雲雀の様子を見てデイモンは優越感に浸る。
ヌフフフ……良い目だ雲雀恭弥。そうだ。この現実をもっとその目に焼きつけるがいい。
「あっ、幸子さん!!」
「なんで幸子がここにいるんだよ!?」
雲雀の反応から遅れること数秒。
幸子の姿を確認した沢田と獄寺、そしてリボーンに山本も驚きを隠せない様子だ。
「どうやらクロームだけじゃなく幸子もデイモンに何かされてるみてーだな」
リボーンが冷静に事態を分析した。
デイモンは己の少し後ろに控えていた幸子に声をかけた。
「ヌフフフ。おいで幸子」
「はい、デイモン様」
幸子は従順に応え、デイモンの許へと進む。
「良い子ですね」
先程の冷酷な姿からは想像できない優しい表情を浮かべ、デイモンは愛しそうに幸子の頬を撫でる。
「触るな」
雲雀が低く絞り出すような声を出した。
今や雲雀はみなぎる殺気を抑えようともせずに、デイモンを睨み据えていた。
「それ、僕のものだから」
「今は私のものです」
どちらも引く気配はない。
「やはり君はここで咬み殺そう」
「ヌハハハッ。霧のカーテンすら破れぬくせに何を偉そうに吼えているのです」
「黙れ。結界も君もすぐに咬み殺してあげる」
「ヌフフ。おお、怖い。幸子が怪我をしたらどうするのですか」
わざと雲雀にみせつけるように、デイモンは幸子の腰を引き寄せた。
そんなデイモンの挑発に、面白いくらいに雲雀は反応を返してしまう。幸子の事になると余裕がないのだ。
「触るなって言ったの聞こえなかったの?」
「雲雀恭弥…幸子は君と逢うずっと以前から私のものなのです」
「なにそれ」
「ヌフフフフ。君は知らなくてもいい事です。幸子」
呼びかけると、幸子は光のない瞳をデイモンに向けた。
「私を愛していますか?」
「はい」
「………!」
デイモンへの怒り、そして幸子への独占欲が心の底から沸き上がってくる。
なにかされていると解っていても、幸子が他の男への愛を口にするなど許せない。そんな雲雀の心中を知ってか、デイモンは更なる追い打ちをかけた。
「その口で言うのです。誰よりも、誰を、愛しているのか」
その表情はどこか虚ろだ。
幸子が現れた事に誰よりも驚愕し、デイモンから引き離そうと反射的に動いた雲雀の身体は、すぐに動きを止めた。
「――!!」
霧のカーテン――
結界を破るのは容易いが、それはクロームの命と引き替えである事を意味する。
なぜ幸子がここに…
雲雀の脳裏に、数時間前に見た幸子の笑顔が浮かんだ。
おそらくデイモンは、己と別れた後の幸子に接触したに違いない。
ぎりっ…と奥歯を噛みしめて、雲雀はデイモンを睨み付けた。そんな雲雀の様子を見てデイモンは優越感に浸る。
ヌフフフ……良い目だ雲雀恭弥。そうだ。この現実をもっとその目に焼きつけるがいい。
「あっ、幸子さん!!」
「なんで幸子がここにいるんだよ!?」
雲雀の反応から遅れること数秒。
幸子の姿を確認した沢田と獄寺、そしてリボーンに山本も驚きを隠せない様子だ。
「どうやらクロームだけじゃなく幸子もデイモンに何かされてるみてーだな」
リボーンが冷静に事態を分析した。
デイモンは己の少し後ろに控えていた幸子に声をかけた。
「ヌフフフ。おいで幸子」
「はい、デイモン様」
幸子は従順に応え、デイモンの許へと進む。
「良い子ですね」
先程の冷酷な姿からは想像できない優しい表情を浮かべ、デイモンは愛しそうに幸子の頬を撫でる。
「触るな」
雲雀が低く絞り出すような声を出した。
今や雲雀はみなぎる殺気を抑えようともせずに、デイモンを睨み据えていた。
「それ、僕のものだから」
「今は私のものです」
どちらも引く気配はない。
「やはり君はここで咬み殺そう」
「ヌハハハッ。霧のカーテンすら破れぬくせに何を偉そうに吼えているのです」
「黙れ。結界も君もすぐに咬み殺してあげる」
「ヌフフ。おお、怖い。幸子が怪我をしたらどうするのですか」
わざと雲雀にみせつけるように、デイモンは幸子の腰を引き寄せた。
そんなデイモンの挑発に、面白いくらいに雲雀は反応を返してしまう。幸子の事になると余裕がないのだ。
「触るなって言ったの聞こえなかったの?」
「雲雀恭弥…幸子は君と逢うずっと以前から私のものなのです」
「なにそれ」
「ヌフフフフ。君は知らなくてもいい事です。幸子」
呼びかけると、幸子は光のない瞳をデイモンに向けた。
「私を愛していますか?」
「はい」
「………!」
デイモンへの怒り、そして幸子への独占欲が心の底から沸き上がってくる。
なにかされていると解っていても、幸子が他の男への愛を口にするなど許せない。そんな雲雀の心中を知ってか、デイモンは更なる追い打ちをかけた。
「その口で言うのです。誰よりも、誰を、愛しているのか」