裏 球針態
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何度目かのぶつかりあいを終え、両者は再び左右に別れて着地した。
「だいぶ息が上がってきたね」
薄くなっていく酸素。酸欠状態を(見た目には)ものともしていない雲雀に対し、幻騎士の息は確実に上がっていた。
肩で大きく呼吸をしながら前方の雲雀を見据えた。
今まで体技で己と互角に渡り合った者など見たことがない。武器を交えれば交えるほど雲雀という男の強さが分かる。
「だが、わからぬ…。なぜ笑っていられる?」
「?」
態勢を低く保ちトンファーを構えていた雲雀が、変わらぬ笑みを浮かべたままで幻騎士を見た。
「裏 球針態とやらは匣兵器こそ封じたが、リングの力を封じてはいない。リングを持たぬ貴様に勝機はないのだぞ」
それは確かに雲雀へ向けての言葉であったが、自分自身に言い聞かせているようにも聞こえた。
以前 雲雀は不敵な笑みを湛えたままで――静かに口を開く。
「確かに君の強さは予想外だったよ。君のおかげでスケジュールにも狂いが出たしね」
「!……(またスケジュールだと…?)」
「でも それ以上に久しぶりに血をしたたらせた姿を見たくなるほどの獲物に出会えて嬉しいんだ。これで強力なリングがあれば文句はないんだけどね」
悠然と話す雲雀には動揺など微塵も感じられず、それがかえって自信を漂わせているようにすら思わせた。
(いいや。奴には何も残ってはいない)
握りしめた拳。その中指で霧のリングが炎を灯す。
「よかろう。手加減せずに葬ってやる」
その長剣に霧の炎を纏わせた幻騎士が動いた。
「だいぶ息が上がってきたね」
薄くなっていく酸素。酸欠状態を(見た目には)ものともしていない雲雀に対し、幻騎士の息は確実に上がっていた。
肩で大きく呼吸をしながら前方の雲雀を見据えた。
今まで体技で己と互角に渡り合った者など見たことがない。武器を交えれば交えるほど雲雀という男の強さが分かる。
「だが、わからぬ…。なぜ笑っていられる?」
「?」
態勢を低く保ちトンファーを構えていた雲雀が、変わらぬ笑みを浮かべたままで幻騎士を見た。
「裏 球針態とやらは匣兵器こそ封じたが、リングの力を封じてはいない。リングを持たぬ貴様に勝機はないのだぞ」
それは確かに雲雀へ向けての言葉であったが、自分自身に言い聞かせているようにも聞こえた。
以前 雲雀は不敵な笑みを湛えたままで――静かに口を開く。
「確かに君の強さは予想外だったよ。君のおかげでスケジュールにも狂いが出たしね」
「!……(またスケジュールだと…?)」
「でも それ以上に久しぶりに血をしたたらせた姿を見たくなるほどの獲物に出会えて嬉しいんだ。これで強力なリングがあれば文句はないんだけどね」
悠然と話す雲雀には動揺など微塵も感じられず、それがかえって自信を漂わせているようにすら思わせた。
(いいや。奴には何も残ってはいない)
握りしめた拳。その中指で霧のリングが炎を灯す。
「よかろう。手加減せずに葬ってやる」
その長剣に霧の炎を纏わせた幻騎士が動いた。