長い一日
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ハッと2人同時に振り返ると 立っていたのは――‥
「恭弥っ!?」
慌てて駆け寄り、雲雀の無事を確認した。
スーツは多少の汚れや破れがあるものの、体は擦り傷くらいでほぼ無傷な状態だった。
どれだけ強靭なのか。圧倒的な強さを思い知らされる。
「無事で良かった…」
「問題ないよ。それより……2人きりで何してたんだい?」
雲雀を見れば随分と怖い顔をしていた。
「誤解です、恭さん!!」
「そ、そうだよ。草壁君にコーヒーを差し入れに来ただけだからねっ!」
「ふうん」
揃って言い訳しているのが多少なりとも面白くないとは感じただろうが、雲雀はジロリと机の上のカップを一瞥しながら短い相槌を打っただけで、それ以上は踏み込んでこなかった。
「そ、それより恭さん…お早いお帰りで」
「スケジュールが詰まっているからね」
「スケジュール…?」
「白くて丸い装置だったかな」
幸子の疑問を意図的にかスルーして、雲雀は草壁に命ずる。
「すぐに向かうよ。準備して」
「へい!」
草壁が急いで部屋を出ていくと、しん…と静まり返った部屋に雲雀と幸子だけが残された。
緊迫した事態のせいか、沈黙に気まずさを感じて幸子は話題を探した。
「あの、恭弥……お腹すいてない?」
「ん?」
「ハンバーグ作ったんだ」
「!……」
話題が唐突すぎたのか 雲雀は目を丸くして幸子を見たが、すぐに笑みを浮かべて呟いた。
「喜ぶな」
「えっ…!?」
「なんでもない。帰ってから食べるよ」
「う、うん…」
幸子はなぜか違和感を感じながら頷いた。
そして再び静寂。交わすべき会話が思い浮かばず なんとなく雲雀の足元を見ていると、ふいに名前を呼ばれた。
「おいで。幸子」
「っ…」
その低く甘い声に誘われるように、幸子は自ら雲雀の胸へと身を委ねた。
すぐに雲雀の手が腰と背中に回り、温かい腕の中に閉じ込められる。
密着してみると、僅かに雲雀の息が乱れているのが感じられた。いくらボンゴレ最強の守護者といえども、あれだけの多勢を相手にしたのだ。体力を消耗するのは当然と言える。
「恭弥…っ」
顔を上げると待ち構えていたかのように近づいてくる雲雀の端正な顔。
彼の首に両腕を絡めて目を閉じれば 間もなく唇が重ねられた。
触れるだけ。でも とびきり甘くて優しい口づけ。
「これから敵アジトに乗り込むよ」
「!!?」
唇が離れると、雲雀は静かに告げた。
雲雀の囮作戦は成功した。だが これで終わりではないのだ。
既に沢田達は敵地に侵入している。雲雀が後を追うのは当然のことで。
「っ、きょ……」
「一緒に来るかい?」
「え…っ!?」
驚いて雲雀を見ると、逸らされる事なく真っ直ぐに見つめる青灰色の瞳。
普段から危険な任務には幸子を連れていかない雲雀だ。敵アジトに乗り込む行為が危険でない訳がない。
それでも来るかと問うているからには、雲雀は幸子が一緒に来る事を望んでいるのだろう。
選択肢があるように見えて実は元より一択しかなく、だが幸子の答えもまた決まっていて。
「うん…っ。一緒に行きたい」
しっかりと頷けば、雲雀は優しく幸子の頬を撫でた。
「君は必ず"僕"が守るよ」
必ず、ね。
「恭弥っ!?」
慌てて駆け寄り、雲雀の無事を確認した。
スーツは多少の汚れや破れがあるものの、体は擦り傷くらいでほぼ無傷な状態だった。
どれだけ強靭なのか。圧倒的な強さを思い知らされる。
「無事で良かった…」
「問題ないよ。それより……2人きりで何してたんだい?」
雲雀を見れば随分と怖い顔をしていた。
「誤解です、恭さん!!」
「そ、そうだよ。草壁君にコーヒーを差し入れに来ただけだからねっ!」
「ふうん」
揃って言い訳しているのが多少なりとも面白くないとは感じただろうが、雲雀はジロリと机の上のカップを一瞥しながら短い相槌を打っただけで、それ以上は踏み込んでこなかった。
「そ、それより恭さん…お早いお帰りで」
「スケジュールが詰まっているからね」
「スケジュール…?」
「白くて丸い装置だったかな」
幸子の疑問を意図的にかスルーして、雲雀は草壁に命ずる。
「すぐに向かうよ。準備して」
「へい!」
草壁が急いで部屋を出ていくと、しん…と静まり返った部屋に雲雀と幸子だけが残された。
緊迫した事態のせいか、沈黙に気まずさを感じて幸子は話題を探した。
「あの、恭弥……お腹すいてない?」
「ん?」
「ハンバーグ作ったんだ」
「!……」
話題が唐突すぎたのか 雲雀は目を丸くして幸子を見たが、すぐに笑みを浮かべて呟いた。
「喜ぶな」
「えっ…!?」
「なんでもない。帰ってから食べるよ」
「う、うん…」
幸子はなぜか違和感を感じながら頷いた。
そして再び静寂。交わすべき会話が思い浮かばず なんとなく雲雀の足元を見ていると、ふいに名前を呼ばれた。
「おいで。幸子」
「っ…」
その低く甘い声に誘われるように、幸子は自ら雲雀の胸へと身を委ねた。
すぐに雲雀の手が腰と背中に回り、温かい腕の中に閉じ込められる。
密着してみると、僅かに雲雀の息が乱れているのが感じられた。いくらボンゴレ最強の守護者といえども、あれだけの多勢を相手にしたのだ。体力を消耗するのは当然と言える。
「恭弥…っ」
顔を上げると待ち構えていたかのように近づいてくる雲雀の端正な顔。
彼の首に両腕を絡めて目を閉じれば 間もなく唇が重ねられた。
触れるだけ。でも とびきり甘くて優しい口づけ。
「これから敵アジトに乗り込むよ」
「!!?」
唇が離れると、雲雀は静かに告げた。
雲雀の囮作戦は成功した。だが これで終わりではないのだ。
既に沢田達は敵地に侵入している。雲雀が後を追うのは当然のことで。
「っ、きょ……」
「一緒に来るかい?」
「え…っ!?」
驚いて雲雀を見ると、逸らされる事なく真っ直ぐに見つめる青灰色の瞳。
普段から危険な任務には幸子を連れていかない雲雀だ。敵アジトに乗り込む行為が危険でない訳がない。
それでも来るかと問うているからには、雲雀は幸子が一緒に来る事を望んでいるのだろう。
選択肢があるように見えて実は元より一択しかなく、だが幸子の答えもまた決まっていて。
「うん…っ。一緒に行きたい」
しっかりと頷けば、雲雀は優しく幸子の頬を撫でた。
「君は必ず"僕"が守るよ」
必ず、ね。