長い一日
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風紀財団のアジトに戻ると、草壁は何やら熱心にパソコンに向かっていた。
もしかしたら雲雀から仕事を頼まれているのだろう。幸子は草壁の邪魔をしないようにキッチンの片付けを始めた。
なんだか落ち着かない。
気がつくと雲雀の事ばかり考えている。
「私、どれだけ恭弥のことが好きなんだろ」
わざと小さく口に出して冗談ぽく笑ってみると、幾分か気持ちが落ち着いた。
小一時間程雑用をこなしてから、幸子はコーヒーを淹れた。チョコでコーティングしたクッキーとコーヒーを盆に乗せて草壁を訪ねる。草壁はまだ熱心に調べものをしていた。
「草壁君、お疲れさま」
「幸子さん!?」
「コーヒー淹れたの。ちょっとだけ一休みして」
「ああ、ありがとう」
パソコン画面から目を離した草壁は チョコクッキーをひとつ口に放り込み、続いてコーヒーを飲んだ。
「沢田さん達の見送りは間に合ったか?」
「うん。草壁君のおかげでね。ありがとう」
「…俺は何もしてないさ」
とカップを手にしたまま草壁が微笑む。
「ねえ、草壁君は知ってるんだよね。恭弥が何処に出かけているのか」
「あ、ああ…」
一瞬 それ以上聞かないでくれと言わんばかりに草壁の目が泳いだので、幸子は慌てて付け加えた。
「私もね、知ってるんだ」
「幸子さんも!?」
「うん。リボーン君に聞いちゃった」
草壁は「そうか…」と呟いてまたコーヒーを一口飲んだ。
雲雀を長年サポートしてきた草壁だ。今回の件も知っていて然るべきであろう。
きっと今まで何度も危険な任務はあったはずだ。その度に草壁は主である雲雀の身を案じ、しかし案じながらもきちんと己の仕事をこなしてきたのだ。
「…なんか悔しいな」
「? ……何がだ?」
「草壁君の方が恭弥をしっかりと信頼してて」
ははっ…と笑えば、草壁はカップを置いて首を横に振った。
「幸子さんだって誰よりも恭さんを信頼してるじゃないか」
「草壁君…」
「それに…幸子さんと俺では立場が違う。恋人なんだ。離れる事に寂しさや不安を覚えるのは当然さ」
「!……」
今まで無理に押し込めようとしてきた感情。
それを否定する必要はないんだと気づかされ、幸子は胸のつかえが取れた気がした。
(なにか本当に…本当の意味で強くなれる気がする)
「それに…恭さんも誰よりも幸子さんを信頼していると思うぞ」
「そ、そう…かなぁ」
ボウッと一気に熱くなる頬に両手を充てると、草壁は愉快そうに笑った。
「ねえ、何してんの?」
開きっぱなしのドアから不愉快そうな声が聞こえたのは、その直後だった。
もしかしたら雲雀から仕事を頼まれているのだろう。幸子は草壁の邪魔をしないようにキッチンの片付けを始めた。
なんだか落ち着かない。
気がつくと雲雀の事ばかり考えている。
「私、どれだけ恭弥のことが好きなんだろ」
わざと小さく口に出して冗談ぽく笑ってみると、幾分か気持ちが落ち着いた。
小一時間程雑用をこなしてから、幸子はコーヒーを淹れた。チョコでコーティングしたクッキーとコーヒーを盆に乗せて草壁を訪ねる。草壁はまだ熱心に調べものをしていた。
「草壁君、お疲れさま」
「幸子さん!?」
「コーヒー淹れたの。ちょっとだけ一休みして」
「ああ、ありがとう」
パソコン画面から目を離した草壁は チョコクッキーをひとつ口に放り込み、続いてコーヒーを飲んだ。
「沢田さん達の見送りは間に合ったか?」
「うん。草壁君のおかげでね。ありがとう」
「…俺は何もしてないさ」
とカップを手にしたまま草壁が微笑む。
「ねえ、草壁君は知ってるんだよね。恭弥が何処に出かけているのか」
「あ、ああ…」
一瞬 それ以上聞かないでくれと言わんばかりに草壁の目が泳いだので、幸子は慌てて付け加えた。
「私もね、知ってるんだ」
「幸子さんも!?」
「うん。リボーン君に聞いちゃった」
草壁は「そうか…」と呟いてまたコーヒーを一口飲んだ。
雲雀を長年サポートしてきた草壁だ。今回の件も知っていて然るべきであろう。
きっと今まで何度も危険な任務はあったはずだ。その度に草壁は主である雲雀の身を案じ、しかし案じながらもきちんと己の仕事をこなしてきたのだ。
「…なんか悔しいな」
「? ……何がだ?」
「草壁君の方が恭弥をしっかりと信頼してて」
ははっ…と笑えば、草壁はカップを置いて首を横に振った。
「幸子さんだって誰よりも恭さんを信頼してるじゃないか」
「草壁君…」
「それに…幸子さんと俺では立場が違う。恋人なんだ。離れる事に寂しさや不安を覚えるのは当然さ」
「!……」
今まで無理に押し込めようとしてきた感情。
それを否定する必要はないんだと気づかされ、幸子は胸のつかえが取れた気がした。
(なにか本当に…本当の意味で強くなれる気がする)
「それに…恭さんも誰よりも幸子さんを信頼していると思うぞ」
「そ、そう…かなぁ」
ボウッと一気に熱くなる頬に両手を充てると、草壁は愉快そうに笑った。
「ねえ、何してんの?」
開きっぱなしのドアから不愉快そうな声が聞こえたのは、その直後だった。