守護者揃う
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笹川の話の後――
「恭弥、話があるの」
「なに?」
己の代理として 笹川の話を聞きにボンゴレアジトに入った草壁と共に幸子が現れても、雲雀は然程驚きを見せなかった。
「…ごめんなさい」
「なんのこと?」
ふかふかの座布団に腰をおろした着流しの雲雀は、目の前の文机を見つめたまま応えた。
「草壁君やみんなと一緒に笹川君の話を聞きました」
雲雀の表情は変わらなかった。まるでそうなる事が判っていたかのように。
「恭弥に無断で勝手なことして…ごめんなさい」
俯き、心底申し訳なさそうに詫びる幸子を雲雀がちらりと横目で見た。
「謝る必要はないよ」
「えっ…」
顔を上げた幸子と雲雀の青灰色の瞳があう。
「誰に強制された訳じゃない、幸子が聞きたいと望んでそうしたんだろ?」
「う、うん……」
「君が自分で決めたなら、僕の許可を取る必要はない」
人一倍独占欲が強い雲雀ではあるが、こういう時には幸子の意思を尊重してくれたりする。
勿論 あまりに度が過ぎている内容ならば介入してくるハズなので(例えば他の守護者と2人きりで出かける、とか)、最初から雲雀は決断を幸子自身に任せるつもりでボンゴレアジトに行かせたのだろう。
幸子をよく知る雲雀ならではの采配という所か。
―――――‥‥
「幸子」
キッチンで昼食の支度をしていると 背後から名前を呼ばれた。
「恭弥っ」
「お腹すいた」
「ふふ…もう少しで出来るよ」
横に立って鍋の中を覗き込んでいる雲雀に笑いかけ、火を弱火にする。
雲雀はいつもの黒スーツに身を包んでいた。午後から沢田との修行に赴く為だ。
「恭弥」
「ん?」
幸子は すすっ…と雲雀に近づき、背伸びして そっと耳打ちした。
「昨日はありがとう」
予想外の言葉だったのか、雲雀は僅かに目を開いて驚きの表情を見せたが、すぐにいつもの不敵な笑みを浮かべて幸子の腰を引き寄せた。
「僕は何もしてないけど」
「ううん。恭弥は私にチャンスをくれた――これから何が起きるのか…知るチャンス」
こてん、と雲雀の胸に頭を寄せる。
「怖かったけど、ちゃんと聞けたよ」
これでもっと恭弥を支えられる。
口には出さずに舌の上で転がした。
「だから…ありがとう」
「幸子…」
2人の間に甘い空気が流れ始めた時――‥
「恭さん、大変です!! ――っと、失礼しました!!」
騒々しく現れた草壁は、2人の様子に慌てふためいて詫びた。幸子との時間を邪魔すればどうなるか、身を持って知っているのだ。
「なんだい哲。騒々しいね」
真っ赤になって離れようとする幸子の腰を離れないようきつく抱き寄せ、雲雀は草壁に問うた。
「クローム髑髏の容体が急変しました!」
草壁の言葉は幸子を凍りつかせた。
動揺する幸子を抱き寄せたままで、雲雀はかちりと鍋の火を消す。
「行くよ」
それから短く言った。
急がなければ。全て台無しになる。
「恭弥、話があるの」
「なに?」
己の代理として 笹川の話を聞きにボンゴレアジトに入った草壁と共に幸子が現れても、雲雀は然程驚きを見せなかった。
「…ごめんなさい」
「なんのこと?」
ふかふかの座布団に腰をおろした着流しの雲雀は、目の前の文机を見つめたまま応えた。
「草壁君やみんなと一緒に笹川君の話を聞きました」
雲雀の表情は変わらなかった。まるでそうなる事が判っていたかのように。
「恭弥に無断で勝手なことして…ごめんなさい」
俯き、心底申し訳なさそうに詫びる幸子を雲雀がちらりと横目で見た。
「謝る必要はないよ」
「えっ…」
顔を上げた幸子と雲雀の青灰色の瞳があう。
「誰に強制された訳じゃない、幸子が聞きたいと望んでそうしたんだろ?」
「う、うん……」
「君が自分で決めたなら、僕の許可を取る必要はない」
人一倍独占欲が強い雲雀ではあるが、こういう時には幸子の意思を尊重してくれたりする。
勿論 あまりに度が過ぎている内容ならば介入してくるハズなので(例えば他の守護者と2人きりで出かける、とか)、最初から雲雀は決断を幸子自身に任せるつもりでボンゴレアジトに行かせたのだろう。
幸子をよく知る雲雀ならではの采配という所か。
―――――‥‥
「幸子」
キッチンで昼食の支度をしていると 背後から名前を呼ばれた。
「恭弥っ」
「お腹すいた」
「ふふ…もう少しで出来るよ」
横に立って鍋の中を覗き込んでいる雲雀に笑いかけ、火を弱火にする。
雲雀はいつもの黒スーツに身を包んでいた。午後から沢田との修行に赴く為だ。
「恭弥」
「ん?」
幸子は すすっ…と雲雀に近づき、背伸びして そっと耳打ちした。
「昨日はありがとう」
予想外の言葉だったのか、雲雀は僅かに目を開いて驚きの表情を見せたが、すぐにいつもの不敵な笑みを浮かべて幸子の腰を引き寄せた。
「僕は何もしてないけど」
「ううん。恭弥は私にチャンスをくれた――これから何が起きるのか…知るチャンス」
こてん、と雲雀の胸に頭を寄せる。
「怖かったけど、ちゃんと聞けたよ」
これでもっと恭弥を支えられる。
口には出さずに舌の上で転がした。
「だから…ありがとう」
「幸子…」
2人の間に甘い空気が流れ始めた時――‥
「恭さん、大変です!! ――っと、失礼しました!!」
騒々しく現れた草壁は、2人の様子に慌てふためいて詫びた。幸子との時間を邪魔すればどうなるか、身を持って知っているのだ。
「なんだい哲。騒々しいね」
真っ赤になって離れようとする幸子の腰を離れないようきつく抱き寄せ、雲雀は草壁に問うた。
「クローム髑髏の容体が急変しました!」
草壁の言葉は幸子を凍りつかせた。
動揺する幸子を抱き寄せたままで、雲雀はかちりと鍋の火を消す。
「行くよ」
それから短く言った。
急がなければ。全て台無しになる。