雲雀飛来!
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幸子は寝苦しい夢の中にいるようであった。
さっきまでいた軽いノリの男の姿は消え、美形な大人の男がそこにいた。
目の前の男は知らない。
だが、彼とよく似た男なら知っている。
名を六道骸という、雲雀と因縁を持つ男だ。
六道骸と目の前の男の決定的な違いは、纏う空気であった。
骸からは冷たくもどこか温かみを感じたのに対し、この男からは凍るような冷たさしか感じない。
「久しぶりですね、リブ」
リブ――‥
いつか聞いたその言葉。
「いえ、今は木梨幸子でしたね。…逢いたかったですよ、幸子」
そう言って男は、恐怖に硬直している幸子の頬を愛しそうに撫でた。
怖い…
怖い!!
恐怖で声も出ない。
雲雀を愛しく想う涙とは別の涙が幸子の頬を伝った。
「ヌフフ…私に逢えた事がそんなに嬉しいのですか?幸子」
「あなたは……誰?」
幸子の頬から手を離した男は眉を潜めていた。
「やはり思い出してくれてはいないみたいですね。私の名はD・スペード」
「デイモン…」
聞いた事のない名前だ。
「そうです、幸子」
己の名を呼んだ事を愛しく感じたのか、デイモンは再び幸子の頬に手を伸ばした。
しかし幸子は身をよじってそれを避け、距離をとるように後退る。
「さ、触らないで!」
「おやおや、気の強い事だ」
構わずにデイモンは幸子の腕を掴み、己の許へ引き寄せた。
「いやっ。助けて恭弥!」
雲雀の名を出した事が余程気に障ったらしい。幸子の腕を掴むデイモンの手に力が入る。
「痛いっ」
「ヌフフフ……君が悪いのですよ、幸子」
ギリギリとデイモンの指が幸子の腕に食い込む。
「ああっ!」
「アラウディの次は雲雀恭弥…。全く、君という人はどこまで私を焦らせば気が済むのですか」
ふっ…と手の力をゆるめたデイモンは、幸子を片手で抱いたままその髪を撫でた。
「やぁっ、恭弥っ!」
身をよじって逃げ出そうとする幸子の身体を強く抱きしめたまま、デイモンの手は首筋に移動し、ある一点をなぞりあげた。
そこには赤く咲いた花が一輪…。
「雲雀恭弥に抱かれたのですね…」
腹の底からどす黒い嫉妬心と独占欲が沸き上がってくる。
雲雀のつけた痕を消すように、暴れる幸子の首筋を強く吸いあげた。
「やだぁっ!恭弥ぁっ!!」
幸子は泣き叫び狂ったように雲雀を呼んだ。
見ず知らずの男の腕に抱かれ、雲雀がつけた痕を汚されている。
その事実に、心が張り裂けそうであった。
「お仕置きです」
業を煮やしたデイモンが、幸子の顎を掴み己の方に向かせた。
「私のものになるのです……幸子」
デイモンの右目に、スペードが浮かび上がった。
「いやぁっ!恭弥……恭弥っ!!」
思考が薄れていく。
心が黒く塗り潰されるような感覚に、幸子は愛しいその名を呼び続けた。
やがて――‥
デイモンが抱く腕の力をゆるめても、幸子はもう暴れることはなかった。
「ヌフフフ。お前は永遠に私のものです、幸子。誰にも渡しません。アラウディにも…雲雀恭弥にも…」
雲雀恭弥……
誰だろう?聞き覚えのある名前だ。
しかし、そんな事はもうどうでもいい。
「愛していますよ、幸子」
「はい、私もです。デイモン様」
その頬を愛しげに撫でながら、デイモンは満足そうに微笑んだ。
光を映さない幸子の瞳がデイモンを見つめていた。
さっきまでいた軽いノリの男の姿は消え、美形な大人の男がそこにいた。
目の前の男は知らない。
だが、彼とよく似た男なら知っている。
名を六道骸という、雲雀と因縁を持つ男だ。
六道骸と目の前の男の決定的な違いは、纏う空気であった。
骸からは冷たくもどこか温かみを感じたのに対し、この男からは凍るような冷たさしか感じない。
「久しぶりですね、リブ」
リブ――‥
いつか聞いたその言葉。
「いえ、今は木梨幸子でしたね。…逢いたかったですよ、幸子」
そう言って男は、恐怖に硬直している幸子の頬を愛しそうに撫でた。
怖い…
怖い!!
恐怖で声も出ない。
雲雀を愛しく想う涙とは別の涙が幸子の頬を伝った。
「ヌフフ…私に逢えた事がそんなに嬉しいのですか?幸子」
「あなたは……誰?」
幸子の頬から手を離した男は眉を潜めていた。
「やはり思い出してくれてはいないみたいですね。私の名はD・スペード」
「デイモン…」
聞いた事のない名前だ。
「そうです、幸子」
己の名を呼んだ事を愛しく感じたのか、デイモンは再び幸子の頬に手を伸ばした。
しかし幸子は身をよじってそれを避け、距離をとるように後退る。
「さ、触らないで!」
「おやおや、気の強い事だ」
構わずにデイモンは幸子の腕を掴み、己の許へ引き寄せた。
「いやっ。助けて恭弥!」
雲雀の名を出した事が余程気に障ったらしい。幸子の腕を掴むデイモンの手に力が入る。
「痛いっ」
「ヌフフフ……君が悪いのですよ、幸子」
ギリギリとデイモンの指が幸子の腕に食い込む。
「ああっ!」
「アラウディの次は雲雀恭弥…。全く、君という人はどこまで私を焦らせば気が済むのですか」
ふっ…と手の力をゆるめたデイモンは、幸子を片手で抱いたままその髪を撫でた。
「やぁっ、恭弥っ!」
身をよじって逃げ出そうとする幸子の身体を強く抱きしめたまま、デイモンの手は首筋に移動し、ある一点をなぞりあげた。
そこには赤く咲いた花が一輪…。
「雲雀恭弥に抱かれたのですね…」
腹の底からどす黒い嫉妬心と独占欲が沸き上がってくる。
雲雀のつけた痕を消すように、暴れる幸子の首筋を強く吸いあげた。
「やだぁっ!恭弥ぁっ!!」
幸子は泣き叫び狂ったように雲雀を呼んだ。
見ず知らずの男の腕に抱かれ、雲雀がつけた痕を汚されている。
その事実に、心が張り裂けそうであった。
「お仕置きです」
業を煮やしたデイモンが、幸子の顎を掴み己の方に向かせた。
「私のものになるのです……幸子」
デイモンの右目に、スペードが浮かび上がった。
「いやぁっ!恭弥……恭弥っ!!」
思考が薄れていく。
心が黒く塗り潰されるような感覚に、幸子は愛しいその名を呼び続けた。
やがて――‥
デイモンが抱く腕の力をゆるめても、幸子はもう暴れることはなかった。
「ヌフフフ。お前は永遠に私のものです、幸子。誰にも渡しません。アラウディにも…雲雀恭弥にも…」
雲雀恭弥……
誰だろう?聞き覚えのある名前だ。
しかし、そんな事はもうどうでもいい。
「愛していますよ、幸子」
「はい、私もです。デイモン様」
その頬を愛しげに撫でながら、デイモンは満足そうに微笑んだ。
光を映さない幸子の瞳がデイモンを見つめていた。