「こんにちはっ」
ボンゴレアジトの談話室に顔を覗かせれば、室内にいた京子にハル、ランボとイーピン、そしてビアンキとフゥ太がこちらを一斉に注目した。
「幸子さん！」
「はひー！幸子ちゃんですー!!」
「幸子ー。ランボさんと遊びに来たのかー!?」
フゥ太に肩車されていたランボが、ぴょんっと幸子に飛び付いた。幸子はランボを両手で受け止めだっこしてやりながら笑顔で頷いた。
「うんっ、そうだよ」
「じゃあさー幸子ー、添い寝しろー！」
「ええっ?!」
突然何を言い出すのか、この牛の子は。
「幸子はランボさんの愛人だからー…一緒にお昼寝するんだもんね」
「あ、ああ…そういう事か……はは」
雲雀がこの場にいたら間違いなく牛の子は咬み殺されていただろう。
「ま、まずは皆でおやつ食べようよ」
「おやつー？ ランボさんカレーがいい！」
「うーん…カレーはおやつじゃないかな。ホットケーキじゃだめ？ チョコペンで絵が描けるよ」
幸子の提案に、ランボの顔がパァァと薔薇色に輝いた。
「絵ー!? ランボさんホットケーキにするー！」
「イーピンも!!」
「じゃあ皆でキッチンに移動！」
「ガハハ！ランボさんがいっちばーん！」
「ランボ転ぶ。走るのダメ」
ランボはぴょこっと幸子の手から飛び降りると、イーピンと２人で はしゃぎながらキッチンに走っていった。
子供達は思ったより元気そうで安心だ。ホッと胸を撫で下ろしていると、ハルと京子が声をかけてきた。
「幸子ちゃんが来てくれて、ランボちゃんもイーピンちゃんも とっても喜んでます」
「私もみんなに会えて嬉しいんだっ」
「ふふ…一緒だね。ねえ、幸子さん。後でお話しようね」
「うんっ。たくさん話そう」
ハルと京子も見た目には元気そうだ。
「幸子、いらっしゃい」
「ビアンキさん…！」
ビアンキが幸子の肩にポンと手を乗せた。それから隣に立つフゥ太に小さく頷く。
「幸子姉、僕達は先にキッチンに行ってるね」
「あっ、うん。私達もすぐに行くから」
察しの良いフゥ太は、京子とハルを連れて談話室を出ていった。