束の間の休息
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朝、目覚めると幸子の姿は何処にもなかった。
代わりに部屋の隅に置かれた文机の上に手紙を見つけた。
「?……」
手に取ってみると それは薄紫の封筒だった。
封筒には『極秘指令』と書かれている。よく知る幸子の字だ。
「指令……」
"指令"とはつまり"命令"のことであり。
「僕に命令するなんて いい度胸してるね、幸子」
呟きながら雲雀は薄紫の封筒を開けた。
中には折り畳まれた紙が3つ。それぞれ『指令1』『指令2』『指令3』と書かれている。
雲雀はまず『指令1』と書かれた紙を広げた。
【指令1】
並盛駅にある地下ショッピングモールに行け。
着くまで『指令2』は開くな。
命令口調ではあるが、封筒と同じ薄紫の便箋にピンクのボールペンを用いているせいで全く迫力がなく、むしろ可愛らしい。
更に『開くな』という文の下には幸子力作のヒバードのような鳥が描かれており、羽根でバッテンを作っている。ご丁寧に「だめっ」という吹き出し付きだ。
群れ嫌いの己をショッピングモールに呼び出すなど、言語道断だ。幸子を探しだして、たっぷりとお仕置きしなければ。
「待っていなよね、幸子」
―――――‥
30分後。雲雀は地下ショッピングモールに着いた。
世間も休日な為か、ショッピングモールは人で溢れていた。雲雀は群れにイライラしながら指令2を読む。
【指令2】
ショッピングモール内のよんでも返事しないお店を背にして道なりに進め。
突き当たった出口から地上に出よ。
呼んでも返事をしなければ咬み殺すまでだ。
雲雀の思考はあっさりとそういう結論に至る。
しかし今回は、咬み殺せば終わりという訳にはいかない。これは幸子からの指令なのだから。
いや "指令"という名の"謎かけ"…か。
雲雀は改めて文章を見直した。すぐに文面の微妙な言葉に気がつく。
『よんでも』が平仮名になっている。
これを漢字に充てるなら、"呼んでも"ではなく"読んでも"が正解だろう。
つまり読んでも返事しない店=本屋だ。
「甘いね、幸子」
幸い群れを咬み殺す前に、並盛書店は見つかった。そこを背にして道なりに、入って来た正面入口とは違う出入口から地上に出る。
そこで雲雀は『指令3』を開いた。
代わりに部屋の隅に置かれた文机の上に手紙を見つけた。
「?……」
手に取ってみると それは薄紫の封筒だった。
封筒には『極秘指令』と書かれている。よく知る幸子の字だ。
「指令……」
"指令"とはつまり"命令"のことであり。
「僕に命令するなんて いい度胸してるね、幸子」
呟きながら雲雀は薄紫の封筒を開けた。
中には折り畳まれた紙が3つ。それぞれ『指令1』『指令2』『指令3』と書かれている。
雲雀はまず『指令1』と書かれた紙を広げた。
【指令1】
並盛駅にある地下ショッピングモールに行け。
着くまで『指令2』は開くな。
命令口調ではあるが、封筒と同じ薄紫の便箋にピンクのボールペンを用いているせいで全く迫力がなく、むしろ可愛らしい。
更に『開くな』という文の下には幸子力作のヒバードのような鳥が描かれており、羽根でバッテンを作っている。ご丁寧に「だめっ」という吹き出し付きだ。
群れ嫌いの己をショッピングモールに呼び出すなど、言語道断だ。幸子を探しだして、たっぷりとお仕置きしなければ。
「待っていなよね、幸子」
―――――‥
30分後。雲雀は地下ショッピングモールに着いた。
世間も休日な為か、ショッピングモールは人で溢れていた。雲雀は群れにイライラしながら指令2を読む。
【指令2】
ショッピングモール内のよんでも返事しないお店を背にして道なりに進め。
突き当たった出口から地上に出よ。
呼んでも返事をしなければ咬み殺すまでだ。
雲雀の思考はあっさりとそういう結論に至る。
しかし今回は、咬み殺せば終わりという訳にはいかない。これは幸子からの指令なのだから。
いや "指令"という名の"謎かけ"…か。
雲雀は改めて文章を見直した。すぐに文面の微妙な言葉に気がつく。
『よんでも』が平仮名になっている。
これを漢字に充てるなら、"呼んでも"ではなく"読んでも"が正解だろう。
つまり読んでも返事しない店=本屋だ。
「甘いね、幸子」
幸い群れを咬み殺す前に、並盛書店は見つかった。そこを背にして道なりに、入って来た正面入口とは違う出入口から地上に出る。
そこで雲雀は『指令3』を開いた。