だし巻き玉子
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ウィィン…と小さな音を立てて、ドアが開いた。
横になっていた獄寺が、痛む体を僅かに起こした。
「10代目、忘れ物でも?」
しかし入って来たのは沢田ではなかった。
「幸子…」
「獄寺君。怪我はどうかな?」
入って来たのが幸子だと判ると、獄寺は バフッと枕に頭を戻し、視線を幸子とは逆方向に向けてぶっきらぼうに応えた。
「まあまあだ」
「そっか。良かった…」
ツカツカと歩いて来た幸子は、ベッドの脇に置いてあったパイプ椅子に腰かける。
それを気配で察すると、獄寺はちらりと目線だけ幸子に向けた。
「お前も無事だったみてーだな」
「うん。獄寺君と山本君のおかげだよ」
「ヒバリのおかげだろ?」
と獄寺が再び視線を外す。
「獄寺君と山本君が一生懸命私を守ってくれたから、無事だったんだよ?」
「同情なんてすんじゃねー! ヒバリが現れなきゃ、俺達全員ヤツに殺られてたんだぞッ!!」
上体を起こした獄寺が幸子を見て興奮したように叫んだ。
突然いきり立った獄寺に驚く幸子の表情が、少なからず獄寺を冷静にさせた。
何してんだ、オレは。
こいつにだけはカッコ悪ィとこ見せたくねーのに。
「……すまねー」
己の行動を恥じるように口許を押さえると、視線を外して小さく詫びた。
幸子は首を横に振ると「傷に障るよ」と言い、まずは獄寺をベッドに寝かせた。
「結論から言えば、確かに私達は恭弥に助けられた。でもそれは……獄寺君や山本君が あのγっていう人と奮闘してくれた過程があってこその結果でしょ?」
「……」
「獄寺君…」
と幸子は立ち上がり、両手で獄寺の右手を握った。柔らかい手がきゅっと獄寺の骨張った手を包み込んだ。
「約束を果たしてくれて…私を守ってくれて、ありがとう」
「っ…!」
獄寺は目を大きく開いた後、ソッポを向いてチッと舌打ちした。
「ホント、幸子と話してると調子狂うぜ」
それから幸子は京子やハル、ランボ、イーピンと会ったが、こちらもみんな元気そうで一安心した。一日ぶりに会う過去の彼らは、幾分か落ち着いたように感じられた。
「こっちは今のところ問題ないわ。あなたは雲雀恭弥との時間を大切にしなさい」
通路を歩きながら、ビアンキはそう言って幸子の肩を叩いて励ましてくれた。
なんだか気恥ずかしい気もするが、ビアンキの言う通りにしようと思う。
談話室に戻れば、一時間弱の話し合いは終わっていた。ラル・ミルチは沢田の修行再開の為部屋を出ていき、リボーンは迎えに来たビアンキの愛の抱擁を受けていた。
「そろそろ帰るよ」
「うんっ」
雲雀は当たり前のように幸子の手を取り談話室を後にした。
気がかりなこと、不安や心配はまだまだある。
だが今は、何よりも雲雀といる時間を大切にしたいと幸子は心の底から思っていた。
横になっていた獄寺が、痛む体を僅かに起こした。
「10代目、忘れ物でも?」
しかし入って来たのは沢田ではなかった。
「幸子…」
「獄寺君。怪我はどうかな?」
入って来たのが幸子だと判ると、獄寺は バフッと枕に頭を戻し、視線を幸子とは逆方向に向けてぶっきらぼうに応えた。
「まあまあだ」
「そっか。良かった…」
ツカツカと歩いて来た幸子は、ベッドの脇に置いてあったパイプ椅子に腰かける。
それを気配で察すると、獄寺はちらりと目線だけ幸子に向けた。
「お前も無事だったみてーだな」
「うん。獄寺君と山本君のおかげだよ」
「ヒバリのおかげだろ?」
と獄寺が再び視線を外す。
「獄寺君と山本君が一生懸命私を守ってくれたから、無事だったんだよ?」
「同情なんてすんじゃねー! ヒバリが現れなきゃ、俺達全員ヤツに殺られてたんだぞッ!!」
上体を起こした獄寺が幸子を見て興奮したように叫んだ。
突然いきり立った獄寺に驚く幸子の表情が、少なからず獄寺を冷静にさせた。
何してんだ、オレは。
こいつにだけはカッコ悪ィとこ見せたくねーのに。
「……すまねー」
己の行動を恥じるように口許を押さえると、視線を外して小さく詫びた。
幸子は首を横に振ると「傷に障るよ」と言い、まずは獄寺をベッドに寝かせた。
「結論から言えば、確かに私達は恭弥に助けられた。でもそれは……獄寺君や山本君が あのγっていう人と奮闘してくれた過程があってこその結果でしょ?」
「……」
「獄寺君…」
と幸子は立ち上がり、両手で獄寺の右手を握った。柔らかい手がきゅっと獄寺の骨張った手を包み込んだ。
「約束を果たしてくれて…私を守ってくれて、ありがとう」
「っ…!」
獄寺は目を大きく開いた後、ソッポを向いてチッと舌打ちした。
「ホント、幸子と話してると調子狂うぜ」
それから幸子は京子やハル、ランボ、イーピンと会ったが、こちらもみんな元気そうで一安心した。一日ぶりに会う過去の彼らは、幾分か落ち着いたように感じられた。
「こっちは今のところ問題ないわ。あなたは雲雀恭弥との時間を大切にしなさい」
通路を歩きながら、ビアンキはそう言って幸子の肩を叩いて励ましてくれた。
なんだか気恥ずかしい気もするが、ビアンキの言う通りにしようと思う。
談話室に戻れば、一時間弱の話し合いは終わっていた。ラル・ミルチは沢田の修行再開の為部屋を出ていき、リボーンは迎えに来たビアンキの愛の抱擁を受けていた。
「そろそろ帰るよ」
「うんっ」
雲雀は当たり前のように幸子の手を取り談話室を後にした。
気がかりなこと、不安や心配はまだまだある。
だが今は、何よりも雲雀といる時間を大切にしたいと幸子は心の底から思っていた。