だし巻き玉子
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キッチンからは味噌汁の良い香りが漂っていた。
テーブルには だし巻き玉子や きんぴらといった幸子お手製の品々が並ぶ。
二週間ぶりに帰って来た雲雀に用意する久しぶりの食事。迷わず和食をチョイスした。
「幸子さん、おはよう」
呼ばれて振り返ると、キッチンの入口に草壁が立っていた。リーゼントがビシッと決まっている。
「おはよう、草壁君。遅くなってごめんね。もうすぐ朝食出来るから…」
「俺の事は気にしなくていい。外に出る用事があったんでな、済ませて来た。
恭さんと2人でゆっくり食べてくれ」
草壁がにこやかに言った。
普段草壁はどちらかというと雲雀の私邸(つまりここ)ではなく、風紀財団の地下アジトに滞在している。
必要以上に雲雀と幸子の時間を邪魔したくないという、草壁なりの粋な配慮なんだろう。
「それなら味見だけでもしてって」
「し、しかし…」
「早く早く」
玉子焼きを一切れ菜箸で摘まみあげ 手招きをされれば、草壁はもう観念するしかない。
足早にキッチン台に寄って来た草壁に だし巻き玉子を渡すと、彼はそれを一口で頬張った。
「うん、美味い」
「ホント!? 良かったぁ」
はしゃぐ幸子に応えながらも、草壁は落ち着きなくチラチラと入口を見ている。
「? …どうかした?」
「いや、恭さんに見られたら大変な事になりそうだと思ってな」
雲雀の幸子に対する独占欲の強さは、ずっと彼についてきた草壁なら充分すぎる程に思い知っているのだろう。かくいう幸子もそれを否定する事など出来ず。
「あははっ、確かにっ。じゃあ恭弥には内緒だねっ」
「…その方がいいな。恭さんに咬み殺される」
幸子が悪戯っぽく笑うのに釣られ、草壁も思わず笑みを見せた。
「恭弥ね、草壁君の事 とっても信頼してるんだよ」
「光栄だな。有り難い」
「草壁君、いつも恭弥をサポートしてくれてありがとう」
草壁には並中時代から世話になりっぱなしだ。
感謝を伸べれば、草壁はゆっくりと首を横に振った。
「俺がそうしたいからしてるだけだ。特別な事をしてる訳じゃないさ」
「そう考えてくれるとこが既に私にとっては感謝なのっ」
得意気に言い返すと、草壁は肩を揺らして気持ちよく笑った。
「変わらないな、幸子さんは」
「そういう草壁君だって変わらないよ」
一瞬顔を見合わせ、すぐに2人は声をあげて笑った。
かつての風紀委員会副委員長。
こうして雲雀を慕ってくれる人と今も良い関係が築けているのもまた嬉しい。
テーブルには だし巻き玉子や きんぴらといった幸子お手製の品々が並ぶ。
二週間ぶりに帰って来た雲雀に用意する久しぶりの食事。迷わず和食をチョイスした。
「幸子さん、おはよう」
呼ばれて振り返ると、キッチンの入口に草壁が立っていた。リーゼントがビシッと決まっている。
「おはよう、草壁君。遅くなってごめんね。もうすぐ朝食出来るから…」
「俺の事は気にしなくていい。外に出る用事があったんでな、済ませて来た。
恭さんと2人でゆっくり食べてくれ」
草壁がにこやかに言った。
普段草壁はどちらかというと雲雀の私邸(つまりここ)ではなく、風紀財団の地下アジトに滞在している。
必要以上に雲雀と幸子の時間を邪魔したくないという、草壁なりの粋な配慮なんだろう。
「それなら味見だけでもしてって」
「し、しかし…」
「早く早く」
玉子焼きを一切れ菜箸で摘まみあげ 手招きをされれば、草壁はもう観念するしかない。
足早にキッチン台に寄って来た草壁に だし巻き玉子を渡すと、彼はそれを一口で頬張った。
「うん、美味い」
「ホント!? 良かったぁ」
はしゃぐ幸子に応えながらも、草壁は落ち着きなくチラチラと入口を見ている。
「? …どうかした?」
「いや、恭さんに見られたら大変な事になりそうだと思ってな」
雲雀の幸子に対する独占欲の強さは、ずっと彼についてきた草壁なら充分すぎる程に思い知っているのだろう。かくいう幸子もそれを否定する事など出来ず。
「あははっ、確かにっ。じゃあ恭弥には内緒だねっ」
「…その方がいいな。恭さんに咬み殺される」
幸子が悪戯っぽく笑うのに釣られ、草壁も思わず笑みを見せた。
「恭弥ね、草壁君の事 とっても信頼してるんだよ」
「光栄だな。有り難い」
「草壁君、いつも恭弥をサポートしてくれてありがとう」
草壁には並中時代から世話になりっぱなしだ。
感謝を伸べれば、草壁はゆっくりと首を横に振った。
「俺がそうしたいからしてるだけだ。特別な事をしてる訳じゃないさ」
「そう考えてくれるとこが既に私にとっては感謝なのっ」
得意気に言い返すと、草壁は肩を揺らして気持ちよく笑った。
「変わらないな、幸子さんは」
「そういう草壁君だって変わらないよ」
一瞬顔を見合わせ、すぐに2人は声をあげて笑った。
かつての風紀委員会副委員長。
こうして雲雀を慕ってくれる人と今も良い関係が築けているのもまた嬉しい。