だし巻き玉子
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夜明け前。幸子は ふと目を覚ました。
温かな温もりで、すぐに雲雀の腕に抱かれているんだと気付く。同時に つい二、三時間前まで雲雀に抱かれていた事も思いだし、一気に顔の熱が上がった。
目の前にある雲雀の胸部がゆっくりと上下している。そのまま顔を上向かせてみれば、雲雀は小さな寝息を立てていた。よく眠っているようだ。
(寝顔、なんだか可愛いな)
起きている時からは想像つかないような あどけない寝顔。気を許してくれている証だと思うと、堪らなく幸せな気持ちになる。
なのにずっと、幸子の心はざわめきっぱなしだった。
雲雀も帰って来た。ならば何も心配する必要なんてないのに。
それでも影を射すようによぎる微かな不安。
「恭弥…」
小さく、小さく、名前を呼んだ。
じわりと滲んできたものを拭おうとして もぞりと動けば、雲雀は んー…と吐息を溢してうっすら目を開けた。
「ごめん、起こしちゃった…?」
「ん… 構わないよ」
ふあー…と大きく欠伸をして、雲雀は幸子を抱き直した。
「どうしたんだい?こんなに早く」
「う、うん。ちょっと…」
「……?」
まどろみから覚醒を始めた雲雀の視線が幸子の潤む瞳に注がれた。それに気づき、幸子は必死で言い訳する。
「あのね、こ…怖い夢見ちゃって……っ」
「……そう」
君の嘘はすぐ分かる。
雲雀は幸子の目蓋に ちゅっと口づけた。
「心配いらないよ」
「うんっ」
不安がゆっくりと払拭されていくのを感じた――‥
「ねえ、幸子」
「なあに?」
「もしかして君、抱かれたりなかったのかい?」
「なっ、ちが…っ」
「冗談だよ」
フ、と笑みを浮かべた雲雀に見惚れた幸子であったが、それは一瞬のこと。すぐに自分の体の異変を察知した。
「き、恭弥…?」
「なんだい?」
「どこ触ってるの…?」
「君の太股だけど?」
きわどい部分を大きな手のひらで散漫に撫でながら、雲雀が しれっと答えた。
「じ、冗談だって言ってたよね?」
「何が?」
「わ、私が…だ、抱かれ…たりないって、思ってるって」
「うん、言ったよ」
「それならどうして…」
「僕が幸子を抱きたりないのさ」
言うなり雲雀は体を起こして幸子を組み伏せた。
見上げる雲雀の青灰色の瞳はどこか妖艶で。しかし間違いなく肉食獣のような、それ。
ああ、これぞまさしく雲雀恭弥。
温かな温もりで、すぐに雲雀の腕に抱かれているんだと気付く。同時に つい二、三時間前まで雲雀に抱かれていた事も思いだし、一気に顔の熱が上がった。
目の前にある雲雀の胸部がゆっくりと上下している。そのまま顔を上向かせてみれば、雲雀は小さな寝息を立てていた。よく眠っているようだ。
(寝顔、なんだか可愛いな)
起きている時からは想像つかないような あどけない寝顔。気を許してくれている証だと思うと、堪らなく幸せな気持ちになる。
なのにずっと、幸子の心はざわめきっぱなしだった。
雲雀も帰って来た。ならば何も心配する必要なんてないのに。
それでも影を射すようによぎる微かな不安。
「恭弥…」
小さく、小さく、名前を呼んだ。
じわりと滲んできたものを拭おうとして もぞりと動けば、雲雀は んー…と吐息を溢してうっすら目を開けた。
「ごめん、起こしちゃった…?」
「ん… 構わないよ」
ふあー…と大きく欠伸をして、雲雀は幸子を抱き直した。
「どうしたんだい?こんなに早く」
「う、うん。ちょっと…」
「……?」
まどろみから覚醒を始めた雲雀の視線が幸子の潤む瞳に注がれた。それに気づき、幸子は必死で言い訳する。
「あのね、こ…怖い夢見ちゃって……っ」
「……そう」
君の嘘はすぐ分かる。
雲雀は幸子の目蓋に ちゅっと口づけた。
「心配いらないよ」
「うんっ」
不安がゆっくりと払拭されていくのを感じた――‥
「ねえ、幸子」
「なあに?」
「もしかして君、抱かれたりなかったのかい?」
「なっ、ちが…っ」
「冗談だよ」
フ、と笑みを浮かべた雲雀に見惚れた幸子であったが、それは一瞬のこと。すぐに自分の体の異変を察知した。
「き、恭弥…?」
「なんだい?」
「どこ触ってるの…?」
「君の太股だけど?」
きわどい部分を大きな手のひらで散漫に撫でながら、雲雀が しれっと答えた。
「じ、冗談だって言ってたよね?」
「何が?」
「わ、私が…だ、抱かれ…たりないって、思ってるって」
「うん、言ったよ」
「それならどうして…」
「僕が幸子を抱きたりないのさ」
言うなり雲雀は体を起こして幸子を組み伏せた。
見上げる雲雀の青灰色の瞳はどこか妖艶で。しかし間違いなく肉食獣のような、それ。
ああ、これぞまさしく雲雀恭弥。