雲雀の選択
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風チームとマーモンチームのバトルは引き分けに終わった。
「ヒバリの奴 やりやがった。てめーの言う通り負けずに済んだなぁ!…っていねぇぞぉぉ!」
さっきまでディーノの隣に立っていたハズの幸子を振り向くも、既に彼女の姿はそこにはなかった。
「幸子ならあそこにいるぜ」
スクアーロの盛大なツッコミに吹き出しながら、ディーノは前方を指差した。
バトル終了の合図があった直後。幸子は走り出していたのだ。
無論 向かった先は――
「恭弥ぁっ!!」
未だ片膝をつき、煩く喚く左手のボスウォッチを見つめていた雲雀。
彼の首に腕を回してぎゅっとすがりついた。
戦闘時間は終了した。
ならばもう、雲雀を邪魔する事にはならないと判断したのだ。
「幸子…?」
「良かった…恭弥…」
幸子の涙声に気づき、雲雀は左手を彼女の震える背中に回し、安心させるように抱きしめてやった。
雲雀の匂いが幸子を落ち着かせていく。ぐずっ…と鼻を鳴らすと首筋に埋めていた顔をあげて雲雀を見つめる。
「酷い顔してるね。ぐちゃぐちゃだ」
「っ、恭弥のせいだもん…っ」
からかいの言葉とは裏腹に声音は優しい。
雲雀は再び幸子の目尻に溜まりかけた涙を指先で拭ってやる。それから何気なく指を幸子の頬に滑らせた所で驚いた表情を見せた。
「恭弥、怪我してる…」
そんな雲雀の様子には気づかずに、幸子は雲雀の頬に残る傷痕にそっと触れた。血は既に乾いて固まっている。
ポケットから薄いピンクのハンカチを取りだすと 血を優しく拭った。
「痛くない?」
「痛くないよ。それより――」
と幸子の滑らかな頬をもう一度撫でる。やはり幸子の頬には傷ひとつなかった。
「怪我してないかい?」
「うん、私は大丈夫だよ」
笑みを見せて応える幸子。
マーモンの幻術はフロアにいた幸子にもかかっていたはず。
事実 本能がヤバイと感じた瞬間 己は血を流す結果となった。しかし幸子は――‥
幸子が雲雀を信じているように、雲雀もまた己を信じる幸子を信じている。
それでも万が一の時は、考えなくて済むように眠らせようと思っていた。でも…
(そんな必要まるでなかったみたいだね)
「ヒバリの奴 やりやがった。てめーの言う通り負けずに済んだなぁ!…っていねぇぞぉぉ!」
さっきまでディーノの隣に立っていたハズの幸子を振り向くも、既に彼女の姿はそこにはなかった。
「幸子ならあそこにいるぜ」
スクアーロの盛大なツッコミに吹き出しながら、ディーノは前方を指差した。
バトル終了の合図があった直後。幸子は走り出していたのだ。
無論 向かった先は――
「恭弥ぁっ!!」
未だ片膝をつき、煩く喚く左手のボスウォッチを見つめていた雲雀。
彼の首に腕を回してぎゅっとすがりついた。
戦闘時間は終了した。
ならばもう、雲雀を邪魔する事にはならないと判断したのだ。
「幸子…?」
「良かった…恭弥…」
幸子の涙声に気づき、雲雀は左手を彼女の震える背中に回し、安心させるように抱きしめてやった。
雲雀の匂いが幸子を落ち着かせていく。ぐずっ…と鼻を鳴らすと首筋に埋めていた顔をあげて雲雀を見つめる。
「酷い顔してるね。ぐちゃぐちゃだ」
「っ、恭弥のせいだもん…っ」
からかいの言葉とは裏腹に声音は優しい。
雲雀は再び幸子の目尻に溜まりかけた涙を指先で拭ってやる。それから何気なく指を幸子の頬に滑らせた所で驚いた表情を見せた。
「恭弥、怪我してる…」
そんな雲雀の様子には気づかずに、幸子は雲雀の頬に残る傷痕にそっと触れた。血は既に乾いて固まっている。
ポケットから薄いピンクのハンカチを取りだすと 血を優しく拭った。
「痛くない?」
「痛くないよ。それより――」
と幸子の滑らかな頬をもう一度撫でる。やはり幸子の頬には傷ひとつなかった。
「怪我してないかい?」
「うん、私は大丈夫だよ」
笑みを見せて応える幸子。
マーモンの幻術はフロアにいた幸子にもかかっていたはず。
事実 本能がヤバイと感じた瞬間 己は血を流す結果となった。しかし幸子は――‥
幸子が雲雀を信じているように、雲雀もまた己を信じる幸子を信じている。
それでも万が一の時は、考えなくて済むように眠らせようと思っていた。でも…
(そんな必要まるでなかったみたいだね)