雲雀の選択
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「さっき以上の大口径で放たれちゃ、避ける場所が見当たんねーぞ!!」
「飛び降りるが勝ちだぜ」
ザンザスの操る獣帝銃の破壊力を読み取ったスクアーロとベルフェゴールは、失神するレヴィとルッスーリアを連れ 割れた窓から逃げる道を選んだ。
(万事休すか……。正面からやり合っては勝ち目はない!!)
銃口に集まる憤怒の炎をびりびりと体に感じながら風は思った。
「……」
一発目を辛うじて避け、ダッと床に着地した雲雀が正面を向いた。
額の脇からツー…と流れる汗。頬には赤黒い筋がその触手を伸ばしていた。
やばい…と雲雀の戦闘本能が告げているのだ。
先に避難したヴァリアー達は賢い。あれ以上の破壊力で来られたら、このフロア全体が吹っ飛ぶかもしれない。
逃げる気は毛頭ないが、幸子だけは別だ。守らなくては。
「さあ攻略するぜ 恭弥。手は出さねーけどな」
「!!」
思考を巡らせる雲雀の隣には、いつの間にかディーノが立っていた。
「わずかな隙間からでもザンザスのボスウォッチを破壊できる。
お前のボンゴレギアはそういう武器だろ?」
「!!」
ディーノの言葉により雲雀の脳裏に甦る記憶…。
『なぜムチなんて軟弱な武器選んだの?』
並中の屋上。
部下を連れ己を訪れたディーノにそう尋ねた。
強くて硬いトンファーを有する雲雀にとって、細くて柔らかい鞭は なんとも軟弱で頼りなく映ったのだ。
ぷっと笑った跳ね馬は あの時なんと答えただろう。
「……」
雲雀は己の武器を見つめた。
(柔軟性…)
『ムチってのは使いこなせば 遠くから意のままの軌道で細い隙間からでも敵の急所にぶち込める。しなって先端に蓄積される破壊力もトンファーなんぞに負けねーぜ』
仕込みトンファーの先端から下がる鎖が ジャラ…と音を立てた。
「幸子」
徐に傍に立つ幸子を振り返り名を呼ぶ。幸子は潤んだ瞳で雲雀を見つめていた。
「恭弥…」
「ここは危ない」
「心配すんな。幸子はオレが責任持って――」
「要らないよ」
ディーノが言い終わる前に断りの言葉を被せ、雲雀は幸子を抱き上げた。
「っ、恭弥っ!?」
「球針態」
ボウ…と現れた3つの球針態。そのひとつに抱き上げた幸子を乗せる。
「ロールが君についてる。心配ないよ」
「恭弥は…?」
「ボスザルを咬み殺す」
幸子は一瞬言葉に詰まった。
「っ、……気をつけて」
「すぐに戻るよ」
雲雀は優しく微笑むと、球針態を解き放った。
「死ね!!」
憤怒の炎を装填した獣帝銃から二匹の凶暴な獣が発射された。
「恭弥」
「ほっといて」
あくまで己一人でやるんだと、促すディーノを撥ね付けて雲雀は高く跳んだ。
その反動を利用して、トンファーを持つ右手を思いきり振り下ろした。
ビュオッと振り下ろされたトンファーの先端についた鎖が、獣弾スレスレに弧を描きながら伸びる。
標的はザンザスの左腕のボスウォッチ!
ドゴオ!と轟音を響かせ獣弾が炸裂したのはその直後だった。
「飛び降りるが勝ちだぜ」
ザンザスの操る獣帝銃の破壊力を読み取ったスクアーロとベルフェゴールは、失神するレヴィとルッスーリアを連れ 割れた窓から逃げる道を選んだ。
(万事休すか……。正面からやり合っては勝ち目はない!!)
銃口に集まる憤怒の炎をびりびりと体に感じながら風は思った。
「……」
一発目を辛うじて避け、ダッと床に着地した雲雀が正面を向いた。
額の脇からツー…と流れる汗。頬には赤黒い筋がその触手を伸ばしていた。
やばい…と雲雀の戦闘本能が告げているのだ。
先に避難したヴァリアー達は賢い。あれ以上の破壊力で来られたら、このフロア全体が吹っ飛ぶかもしれない。
逃げる気は毛頭ないが、幸子だけは別だ。守らなくては。
「さあ攻略するぜ 恭弥。手は出さねーけどな」
「!!」
思考を巡らせる雲雀の隣には、いつの間にかディーノが立っていた。
「わずかな隙間からでもザンザスのボスウォッチを破壊できる。
お前のボンゴレギアはそういう武器だろ?」
「!!」
ディーノの言葉により雲雀の脳裏に甦る記憶…。
『なぜムチなんて軟弱な武器選んだの?』
並中の屋上。
部下を連れ己を訪れたディーノにそう尋ねた。
強くて硬いトンファーを有する雲雀にとって、細くて柔らかい鞭は なんとも軟弱で頼りなく映ったのだ。
ぷっと笑った跳ね馬は あの時なんと答えただろう。
「……」
雲雀は己の武器を見つめた。
(柔軟性…)
『ムチってのは使いこなせば 遠くから意のままの軌道で細い隙間からでも敵の急所にぶち込める。しなって先端に蓄積される破壊力もトンファーなんぞに負けねーぜ』
仕込みトンファーの先端から下がる鎖が ジャラ…と音を立てた。
「幸子」
徐に傍に立つ幸子を振り返り名を呼ぶ。幸子は潤んだ瞳で雲雀を見つめていた。
「恭弥…」
「ここは危ない」
「心配すんな。幸子はオレが責任持って――」
「要らないよ」
ディーノが言い終わる前に断りの言葉を被せ、雲雀は幸子を抱き上げた。
「っ、恭弥っ!?」
「球針態」
ボウ…と現れた3つの球針態。そのひとつに抱き上げた幸子を乗せる。
「ロールが君についてる。心配ないよ」
「恭弥は…?」
「ボスザルを咬み殺す」
幸子は一瞬言葉に詰まった。
「っ、……気をつけて」
「すぐに戻るよ」
雲雀は優しく微笑むと、球針態を解き放った。
「死ね!!」
憤怒の炎を装填した獣帝銃から二匹の凶暴な獣が発射された。
「恭弥」
「ほっといて」
あくまで己一人でやるんだと、促すディーノを撥ね付けて雲雀は高く跳んだ。
その反動を利用して、トンファーを持つ右手を思いきり振り下ろした。
ビュオッと振り下ろされたトンファーの先端についた鎖が、獣弾スレスレに弧を描きながら伸びる。
標的はザンザスの左腕のボスウォッチ!
ドゴオ!と轟音を響かせ獣弾が炸裂したのはその直後だった。