雲雀の選択
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戦況が動いたのは、マーモンの幻覚空間が破れた時だった。
「今 気を失わせて楽にしてあげます!!」
風の圧倒的な武術の前に勝利を疑い、血を流すマーモンを気絶させようと動いた風の体が 見る間に縮んでいく。呪解時間をタイムオーバーしてしまったのだ。
「しまった…私としたことが」
嵐のアルコバレーノの異変に気づき、バトル中の雲雀とザンザスが僅かに視線を走らせたのを見て、幸子やヴァリアー達もそちらを注目する。
視線の先には、赤ん坊に戻った風と、荒く息を吐きながら勝利を確信するマーモン。
「ざまみろ風!勝負に負けても代理戦争で勝つのは僕だ!!」
「(マズイ…)――ぐっ」
勝機を疑った一瞬の隙をつかれ風も吐血する。
そんな風を一瞥したマーモンは、風の代理人に矛先を向けた。標的は雲雀!
「風はもう戦闘資格を失った!! あとはお前だけだ、雲雀恭弥!!」
「危ないっ、恭弥!」
幸子は思わず叫んだ。
マーモンと幸子。どちらの声が聞こえたのか、トンファーでザンザスをヒットした雲雀が背後を振り返る。
鬼気迫るマーモンが彼に幻術をかけたのはその直後だった。
「ボスウォッチはもらった!! エイッ」
「!!」
ビキキ!
瞬時に雲雀の足元が氷で固まる。
氷は足を固めながらどんどん上がっていき、とうとうトンファーを構える腕にまで到達して雲雀の動きを完全に封じた。
「さあボス!! ボスウォッチを壊して!!」
「ああ、飽きた」
頷くと、ザンザスは銃を構えた。目映いオレンジの炎が銃全体を包み込む。
「!!」
銃口は至近距離から確実に雲雀を狙っている。
地につく足もトンファーを持つ手も氷に捕えられ動かせない。まさに絶体絶命!
「……ぐっ」
まるでヒビが入るように顎から頬に向けてピキピキと赤黒い筋が走り、ブシャッ…と嫌な音がして雲雀の皮膚が裂け 血飛沫が飛び散った。
「――っ!!」
幸子はハッと息を呑んだ。
絶叫も出来ない程のショックが全身を駆け巡る。次いでその瞳から涙が溢れそうになるのを、震える唇をぐっと噛みしめ堪えた。
左腕を痛いほどに握りしめていた指は 白い皮膚に食い込み、血色を失い更に白くなっていた。
「死ね カス」
ザンザスがトリガーを引いた。強大なエネルギーが銃口から放たれる。
「恭弥ぁっ!」
今度こそ幸子は叫んでいた。
彼女の瞳から零れた涙が一滴、床に落ちるとほぼ同時に出入口付近から鋭く伸びてきたものがある。鞭だ。
それは幻術をかけているマーモンの腕に絡みつき、術を妨害する。
そのおかげで幻術が解け、自由の効くようになった雲雀は 寸前でザンザスの攻撃を回避する事が出来た。
「誰だ!? 邪魔したのは!!」
手に入れかけた勝利を奪われたマーモンは取り乱し、声を荒げながら鞭の先へと視線を滑らせる。
鞭はしゅるりとマーモンの腕から離れ、持ち主の元へ収まった。
ハァハァと乱れた息を整えながら、片膝をついた雲雀もまた 出入り扉付近に目を向けた。
「並中(ウチ)の生徒に手ぇだすな」
リボーンチームの切り札。鞭を構えたディーノが立っていた。
「今 気を失わせて楽にしてあげます!!」
風の圧倒的な武術の前に勝利を疑い、血を流すマーモンを気絶させようと動いた風の体が 見る間に縮んでいく。呪解時間をタイムオーバーしてしまったのだ。
「しまった…私としたことが」
嵐のアルコバレーノの異変に気づき、バトル中の雲雀とザンザスが僅かに視線を走らせたのを見て、幸子やヴァリアー達もそちらを注目する。
視線の先には、赤ん坊に戻った風と、荒く息を吐きながら勝利を確信するマーモン。
「ざまみろ風!勝負に負けても代理戦争で勝つのは僕だ!!」
「(マズイ…)――ぐっ」
勝機を疑った一瞬の隙をつかれ風も吐血する。
そんな風を一瞥したマーモンは、風の代理人に矛先を向けた。標的は雲雀!
「風はもう戦闘資格を失った!! あとはお前だけだ、雲雀恭弥!!」
「危ないっ、恭弥!」
幸子は思わず叫んだ。
マーモンと幸子。どちらの声が聞こえたのか、トンファーでザンザスをヒットした雲雀が背後を振り返る。
鬼気迫るマーモンが彼に幻術をかけたのはその直後だった。
「ボスウォッチはもらった!! エイッ」
「!!」
ビキキ!
瞬時に雲雀の足元が氷で固まる。
氷は足を固めながらどんどん上がっていき、とうとうトンファーを構える腕にまで到達して雲雀の動きを完全に封じた。
「さあボス!! ボスウォッチを壊して!!」
「ああ、飽きた」
頷くと、ザンザスは銃を構えた。目映いオレンジの炎が銃全体を包み込む。
「!!」
銃口は至近距離から確実に雲雀を狙っている。
地につく足もトンファーを持つ手も氷に捕えられ動かせない。まさに絶体絶命!
「……ぐっ」
まるでヒビが入るように顎から頬に向けてピキピキと赤黒い筋が走り、ブシャッ…と嫌な音がして雲雀の皮膚が裂け 血飛沫が飛び散った。
「――っ!!」
幸子はハッと息を呑んだ。
絶叫も出来ない程のショックが全身を駆け巡る。次いでその瞳から涙が溢れそうになるのを、震える唇をぐっと噛みしめ堪えた。
左腕を痛いほどに握りしめていた指は 白い皮膚に食い込み、血色を失い更に白くなっていた。
「死ね カス」
ザンザスがトリガーを引いた。強大なエネルギーが銃口から放たれる。
「恭弥ぁっ!」
今度こそ幸子は叫んでいた。
彼女の瞳から零れた涙が一滴、床に落ちるとほぼ同時に出入口付近から鋭く伸びてきたものがある。鞭だ。
それは幻術をかけているマーモンの腕に絡みつき、術を妨害する。
そのおかげで幻術が解け、自由の効くようになった雲雀は 寸前でザンザスの攻撃を回避する事が出来た。
「誰だ!? 邪魔したのは!!」
手に入れかけた勝利を奪われたマーモンは取り乱し、声を荒げながら鞭の先へと視線を滑らせる。
鞭はしゅるりとマーモンの腕から離れ、持ち主の元へ収まった。
ハァハァと乱れた息を整えながら、片膝をついた雲雀もまた 出入り扉付近に目を向けた。
「並中(ウチ)の生徒に手ぇだすな」
リボーンチームの切り札。鞭を構えたディーノが立っていた。