雲雀の選択
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風とマーモンの姿が砂のように消えていく…。
2人は誰にも邪魔されない幻覚空間で一対一の勝負を始めるつもりだ。
そして両チームのボスウォッチを所有する雲雀とザンザスもまた――‥
「僕らもやろう。ボスザル」
「散れ。ドカス」
互いの武器を手に 激しい火花を散らす。
「ゔお゙ぉい。雲雀の女ぁ!本当に逃げなくていいのかぁ!?」
雲雀とザンザスのバトルが始まってすぐ、スクアーロが耳をつんざくような大声で幸子に念を押した。
マーモンの幻術が強力なものと知ってるだけに、戦う力を持たない彼女が傷つく様を見るのが 忍びないのだ。
右手を己のバトラーウォッチに添え バトルを見守っていた幸子は、幾分緊張した面持ちでスクアーロを振り返る。
「はい、逃げません。私はここにいます」
「テメーは状況が解ってんのかぁ?」
助言を聞く気のない幸子にもどかしさを感じてスクアーロはつい声を荒げてしまう。
「お気遣いありがとうございます。でも――恭弥は負けません」
「んだとぉ!?」
「しししっ。カップル揃ってめでたい奴ら。ボスに勝てる訳ないじゃん」
断言する幸子に言葉を失うスクアーロの横で、ベルフェゴールが皮肉っぽく笑った。
めでたい、か。
本気で雲雀の勝利を信じて疑わない自分は、同じくザンザスの勝利を信じるヴァリアー達の目には 滑稽に映るのだろう。
(恭弥…)
雲雀は代理戦争をゲームだと言っていた。
彼が真剣にゲームに興じているのなら、自分も雲雀を信じて見守るまでだ。
「カスが」
ザンザスの銃口が雲雀を狙いすます。
放たれるオレンジの炎を跳んで避けた雲雀は トンファーを構えそのまま突っ込んだ。
ザンザスはそれをグリップで受け止め、もう片方の銃を至近距離から撃つ。
「かっ消えろ」
「……!」
すんでの所で交わし、雲雀は床へと着地した。
「ふうん。少しは腕をあげたようだね、ボスザル」
「ちょこまかと目障りなカスだ」
どちらも勝利への自信が揺らぐことは皆無。
(……幸子)
雲雀はザンザスを牽制しながらちらりと横目で幸子を確認した。
青ざめた顔をしてはいるものの、その目はしっかりとバトルを捉えている。
『ここに、いるよ』
幸子の返答を聞き、雲雀は瞬時に彼女の意思を読み取った。
雲雀の勝利を信じて疑っていない、と。
それでも争いを好まない幸子には、例えゲームと言えども無理をさせている事だろう。
さっさとボスザルを咬み殺し、幸子を抱きしめて安心させてやらなければ。
2人は誰にも邪魔されない幻覚空間で一対一の勝負を始めるつもりだ。
そして両チームのボスウォッチを所有する雲雀とザンザスもまた――‥
「僕らもやろう。ボスザル」
「散れ。ドカス」
互いの武器を手に 激しい火花を散らす。
「ゔお゙ぉい。雲雀の女ぁ!本当に逃げなくていいのかぁ!?」
雲雀とザンザスのバトルが始まってすぐ、スクアーロが耳をつんざくような大声で幸子に念を押した。
マーモンの幻術が強力なものと知ってるだけに、戦う力を持たない彼女が傷つく様を見るのが 忍びないのだ。
右手を己のバトラーウォッチに添え バトルを見守っていた幸子は、幾分緊張した面持ちでスクアーロを振り返る。
「はい、逃げません。私はここにいます」
「テメーは状況が解ってんのかぁ?」
助言を聞く気のない幸子にもどかしさを感じてスクアーロはつい声を荒げてしまう。
「お気遣いありがとうございます。でも――恭弥は負けません」
「んだとぉ!?」
「しししっ。カップル揃ってめでたい奴ら。ボスに勝てる訳ないじゃん」
断言する幸子に言葉を失うスクアーロの横で、ベルフェゴールが皮肉っぽく笑った。
めでたい、か。
本気で雲雀の勝利を信じて疑わない自分は、同じくザンザスの勝利を信じるヴァリアー達の目には 滑稽に映るのだろう。
(恭弥…)
雲雀は代理戦争をゲームだと言っていた。
彼が真剣にゲームに興じているのなら、自分も雲雀を信じて見守るまでだ。
「カスが」
ザンザスの銃口が雲雀を狙いすます。
放たれるオレンジの炎を跳んで避けた雲雀は トンファーを構えそのまま突っ込んだ。
ザンザスはそれをグリップで受け止め、もう片方の銃を至近距離から撃つ。
「かっ消えろ」
「……!」
すんでの所で交わし、雲雀は床へと着地した。
「ふうん。少しは腕をあげたようだね、ボスザル」
「ちょこまかと目障りなカスだ」
どちらも勝利への自信が揺らぐことは皆無。
(……幸子)
雲雀はザンザスを牽制しながらちらりと横目で幸子を確認した。
青ざめた顔をしてはいるものの、その目はしっかりとバトルを捉えている。
『ここに、いるよ』
幸子の返答を聞き、雲雀は瞬時に彼女の意思を読み取った。
雲雀の勝利を信じて疑っていない、と。
それでも争いを好まない幸子には、例えゲームと言えども無理をさせている事だろう。
さっさとボスザルを咬み殺し、幸子を抱きしめて安心させてやらなければ。