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応接室に着くなり、幸子は掴まれていた腕を強く引かれた。
「きゃっ!」
前触れもなく引かれ、バランスを崩した幸子の体はあっけなく雲雀の許に引き寄せられる。
「ねえ、何のつもり?」
「恭弥…?」
「跳ね馬は赤ん坊の代理人だ」
幸子は雲雀の言わんとしている事が分からなかった。
「知ってる…さっきディーノさんに聞いたから」
「知ってる?」
雲雀が眉を潜めた。
「君はまだ、このゲームのルールを理解していないようだね、幸子
「えっ…!?」
「戦闘が始まれば、跳ね馬とは敵同士になる。
そんな人の手伝いを呑気にしてるなんて、自覚がなさすぎるよ」
「でもディーノさんはそんな人じゃ……っ」
「うるさいよ」
いつもより低い雲雀の声が幸子の言葉を遮る。唇に吐息がかかるほどに近づけられた端正な顔。
「僕以外の男の名を口にするな」
紡がれた言葉は、独占欲。
唇を塞がれながら幸子は先程の雲雀の言葉に隠された裏の意味を知る。
「やっぱり自覚が足りなかった。ごめんなさい」
唇が離れたあと。
雲雀の顔を真っ直ぐに見つめながら、幸子は素直に謝った。
ヤキモチを妬いた雲雀の心情は別にしても、代理戦争への参戦は 尾道の言葉に乗ってしまった己の不注意が原因だ。もっと代理人としての自覚を持たなくてはいけない。
「分かればいい」
短く応え、雲雀は幸子を解放した。
それから30分程を応接室で過ごし、まだ用事があるという雲雀を残し 先に帰路に着いた。
(なんだか大変な事になっちゃったなぁ)
正門に続く道。校舎を振り返りながら幸子はひとつ溜め息をついた。
雲雀の用事とは、恐らくディーノとの戦闘だろう。
ディーノと戦うなら、それは代理戦争中という事。何の力も持たない自分は家でおとなしくしているのが賢明だ。
「(早く帰ろっと)……!!」
校舎を振り切って歩き出そうとした幸子の目が大きく開かれた。
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