腕時計と代理人
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ティリリリ――
"戦闘終了!!"
数分前に嵌めていた腕時計からけたたましい音声が聞こえてきて以来、再び腕時計は沈黙を守っていた。
腕時計からの情報によると、おそらく今の時間は代理戦争のバトル時間だったのだろう。
終了したという事は、もうすぐ雲雀達が帰って来るかもしれない。
(そもそも代理戦争ってなんなんだろう…?)
ソファーに座り、腕時計の盤に指先を滑らせながら幸子は疑問を浮かべる。
盤面の上に表示されたアルファベット『FON』とは風の事で間違いないだろう。
尾道は言っていた。幸子を風の代理人として認める、と。だとしたら、これは代理戦争に参加する為の切符のようなものなんだろう。
(何の為にそんな物騒なことするのかな?)
その思考はドアの開く音に遮られた。
反射的に立ち上がると、案の定 現れたのは雲雀と風だった。
「あっ、恭弥」
「幸子…!!」
珍しく声を荒げてつかつかと近寄ってくる雲雀。表情がやけに険しい。
「い、いたっ」
「これ、なに?」
ぐいっと掴まれた左腕を高々と上げられる。
「なるほど。バトラーウォッチですね」
トンッと応接机に飛び乗った風は、幸子の装着している腕時計をまじまじと見た。
それから開きっぱなしのアタッシュケースに目を向ける。
「急いでいたので開けたままにしてしまいましたか」
「幸子。なんで君がこれをつけているんだい?」
「ご、ごめんなさい」
「答えになってないよ」
いつもより厳しい雲雀の声音に思わずビクっと肩を震わせてしまう。
彼がかなり本気で怒っているのが分かる。
私は…装着すべきではなかったのだ。
"戦闘終了!!"
数分前に嵌めていた腕時計からけたたましい音声が聞こえてきて以来、再び腕時計は沈黙を守っていた。
腕時計からの情報によると、おそらく今の時間は代理戦争のバトル時間だったのだろう。
終了したという事は、もうすぐ雲雀達が帰って来るかもしれない。
(そもそも代理戦争ってなんなんだろう…?)
ソファーに座り、腕時計の盤に指先を滑らせながら幸子は疑問を浮かべる。
盤面の上に表示されたアルファベット『FON』とは風の事で間違いないだろう。
尾道は言っていた。幸子を風の代理人として認める、と。だとしたら、これは代理戦争に参加する為の切符のようなものなんだろう。
(何の為にそんな物騒なことするのかな?)
その思考はドアの開く音に遮られた。
反射的に立ち上がると、案の定 現れたのは雲雀と風だった。
「あっ、恭弥」
「幸子…!!」
珍しく声を荒げてつかつかと近寄ってくる雲雀。表情がやけに険しい。
「い、いたっ」
「これ、なに?」
ぐいっと掴まれた左腕を高々と上げられる。
「なるほど。バトラーウォッチですね」
トンッと応接机に飛び乗った風は、幸子の装着している腕時計をまじまじと見た。
それから開きっぱなしのアタッシュケースに目を向ける。
「急いでいたので開けたままにしてしまいましたか」
「幸子。なんで君がこれをつけているんだい?」
「ご、ごめんなさい」
「答えになってないよ」
いつもより厳しい雲雀の声音に思わずビクっと肩を震わせてしまう。
彼がかなり本気で怒っているのが分かる。
私は…装着すべきではなかったのだ。