腕時計と代理人
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幸子は腕時計を凝視したまま動きを止めた。
腕時計を装着する?
「私のものじゃないから勝手につけるのは…」
『ハハッ。心配無用です。これは私共が貸し出しているものですので。へへ』
「……」
腕時計から聞こえる声に言われると腕時計に言われているようで、妙な説得力があるのが不思議だ。
「これはどんな時計なんですか?」
『それはつけてからお話致しますよ。ホホホ』
幸子は腕時計に手を伸ばしかけ、躊躇うようにぎゅっと拳を握った。
理由は何であれ、これは雲雀の居城…応接室にあるものだ。それを無断で装着して良いものだろうか。
そんな迷いとは裏腹に、幸子の心は起きている事を知りたい衝動に駆られていた。
腕時計をつけて、何が起きているのか分かったら直ぐに外せばいいのでは?…そんな安易な考えが脳裏をよぎる。
「……」
幸子は思いきって左側の腕時計を手にした。
『ヒャハッ。そうです。そのまま一気に!!』
そして尾道の焚き付けるまま、時計を腕に装着した。
その瞬間。ピッと音がして時計のスイッチが起動する。
盤には『FON』というアルファベットと『06:50』という数字が刻まれた。
「な、なに…っ?」
『木梨幸子さん。嵐のアルコバレーノ 風の代理人として代理戦争への参加を許可します』
驚く幸子とは対称的に どこか楽しげな尾道の声。
「だ、代理戦争!?」
『ハハッ。ご武運を』
「ま、待って!」
いくら腕時計に声をかけても、尾道はもう何も応えなかった。
腕時計を装着する?
「私のものじゃないから勝手につけるのは…」
『ハハッ。心配無用です。これは私共が貸し出しているものですので。へへ』
「……」
腕時計から聞こえる声に言われると腕時計に言われているようで、妙な説得力があるのが不思議だ。
「これはどんな時計なんですか?」
『それはつけてからお話致しますよ。ホホホ』
幸子は腕時計に手を伸ばしかけ、躊躇うようにぎゅっと拳を握った。
理由は何であれ、これは雲雀の居城…応接室にあるものだ。それを無断で装着して良いものだろうか。
そんな迷いとは裏腹に、幸子の心は起きている事を知りたい衝動に駆られていた。
腕時計をつけて、何が起きているのか分かったら直ぐに外せばいいのでは?…そんな安易な考えが脳裏をよぎる。
「……」
幸子は思いきって左側の腕時計を手にした。
『ヒャハッ。そうです。そのまま一気に!!』
そして尾道の焚き付けるまま、時計を腕に装着した。
その瞬間。ピッと音がして時計のスイッチが起動する。
盤には『FON』というアルファベットと『06:50』という数字が刻まれた。
「な、なに…っ?」
『木梨幸子さん。嵐のアルコバレーノ 風の代理人として代理戦争への参加を許可します』
驚く幸子とは対称的に どこか楽しげな尾道の声。
「だ、代理戦争!?」
『ハハッ。ご武運を』
「ま、待って!」
いくら腕時計に声をかけても、尾道はもう何も応えなかった。