腕時計と代理人
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「あ、あれ…っ?」
授業を終えて応接室に戻ると、そこに雲雀と風の姿はなかった。
「恭弥…?」
よく見ると窓が開け放たれたままになっている。まさか窓から揃って出かけたとでもいうのだろうか。
普通ならそんな考えに至る自分を一笑してしまいそうだが、沢田家への出入りを思えば雲雀なら有り得る。
窓際に寄ろうとした幸子だったが、ふと応接机の上に出しっぱなしになっているアタッシュケースが目につき足を止めた。
「時計……?」
幸子は思わず中を覗いてしまった。
アタッシュケースには横並びに腕時計が六本。腕時計の上部には大小の窪みがひとつずつある所を見れば、ここにも時計が入っていたのかもしれない。
さっき雲雀と風はこれを見ていたようだ。一見して ごく普通の腕時計だが。
「恭弥と風さん…何をしてるんだろ?」
『気になりますか!? ホホホ』
「きゃああっ!」
突然、腕時計から聞こえてきたおどけたような声に、幸子は悲鳴を上げて飛び上がった。
『ハハッ。びっくりさせてしまったようですね。フフッ』
これはどういう事態だろう。時計が…喋った!?
あまりの驚きに幸子が声を発せないでいると、腕時計の声は自己紹介を始めた。
『怪しいものではありません。私 尾道(ヲノミチ)と申します。フフッ』
充分怪しいよーっ、と幸子は心の中でツッコミを入れた。
『私はあなたの疑問を解決しに現れたのです。へへ』
「えっ?」
尾道の言葉に幸子の心が動く。
『私ならあなたの疑問を解消できると言っているのですよ。ヒヒヒ』
「ど、どうやって…?」
『ヒハッ。簡単です』
尾道が得意気に続ける。
『ここにある腕時計を装着すれば良いのです』
授業を終えて応接室に戻ると、そこに雲雀と風の姿はなかった。
「恭弥…?」
よく見ると窓が開け放たれたままになっている。まさか窓から揃って出かけたとでもいうのだろうか。
普通ならそんな考えに至る自分を一笑してしまいそうだが、沢田家への出入りを思えば雲雀なら有り得る。
窓際に寄ろうとした幸子だったが、ふと応接机の上に出しっぱなしになっているアタッシュケースが目につき足を止めた。
「時計……?」
幸子は思わず中を覗いてしまった。
アタッシュケースには横並びに腕時計が六本。腕時計の上部には大小の窪みがひとつずつある所を見れば、ここにも時計が入っていたのかもしれない。
さっき雲雀と風はこれを見ていたようだ。一見して ごく普通の腕時計だが。
「恭弥と風さん…何をしてるんだろ?」
『気になりますか!? ホホホ』
「きゃああっ!」
突然、腕時計から聞こえてきたおどけたような声に、幸子は悲鳴を上げて飛び上がった。
『ハハッ。びっくりさせてしまったようですね。フフッ』
これはどういう事態だろう。時計が…喋った!?
あまりの驚きに幸子が声を発せないでいると、腕時計の声は自己紹介を始めた。
『怪しいものではありません。私 尾道(ヲノミチ)と申します。フフッ』
充分怪しいよーっ、と幸子は心の中でツッコミを入れた。
『私はあなたの疑問を解決しに現れたのです。へへ』
「えっ?」
尾道の言葉に幸子の心が動く。
『私ならあなたの疑問を解消できると言っているのですよ。ヒヒヒ』
「ど、どうやって…?」
『ヒハッ。簡単です』
尾道が得意気に続ける。
『ここにある腕時計を装着すれば良いのです』