腕時計と代理人
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本日の授業もあと20分で全て終了という時間。
担当教諭に頼まれて、授業で使用した本を図書室まで返しに行く道すがら。
幸子は ふと思い立ち、応接室に寄り道をした。
(恭弥、驚くかな?)
それはちょっとしたイタズラ心だった。
普段 滅多な事では授業をサボらない"自称"優等生の自分が授業中に現れたら、雲雀は一体どんな顔をするだろう?
今は授業中だろうと怒りだすのか、はたまた突然の来訪を態度には出さずとも喜んでくれるのか。…多分、後者だと信じたい。
「恭弥!」
ノックもせずにドアを開けると、そこにいたのはお目当ての雲雀と…
「風さん!?」
「またお会いできましたね。幸子さん」
応接机に立つ風が礼儀正しくペコリと頭を下げると、彼の頭上でリーチが「キキッ」と鳴いた。
「リーチ、こんにちはっ」
ニコッとリーチに笑いかけながら幸子は応接室の様子を探る。
雲雀は机に立つ風とは向かい合うような形でソファーに座っている。2人の間には、アタッシュケース…。
「ん…?」
「まだ授業中のはずだけど?」
トゲのある雲雀の言葉にハッとして、幸子は手の中の本を見せた。
「先生に頼まれて、図書室に本を返しに行く途中なんだっ」
「ふうん。早く返しに行けば?」
「う、うん……。じゃあ、授業終わってからまた来るね」
応接室を出て、廊下を歩きながら幸子は溜め息をついた。
…前者だったな。ちくりと痛む胸。
でも……違う。
胸が痛むのは、雲雀の言動がわざと自分を締め出しているように聞こえたから。
あれは…そう。雲雀が幸子を守ろうとする時の"癖"のようなもの。
心が…ざわつく。
担当教諭に頼まれて、授業で使用した本を図書室まで返しに行く道すがら。
幸子は ふと思い立ち、応接室に寄り道をした。
(恭弥、驚くかな?)
それはちょっとしたイタズラ心だった。
普段 滅多な事では授業をサボらない"自称"優等生の自分が授業中に現れたら、雲雀は一体どんな顔をするだろう?
今は授業中だろうと怒りだすのか、はたまた突然の来訪を態度には出さずとも喜んでくれるのか。…多分、後者だと信じたい。
「恭弥!」
ノックもせずにドアを開けると、そこにいたのはお目当ての雲雀と…
「風さん!?」
「またお会いできましたね。幸子さん」
応接机に立つ風が礼儀正しくペコリと頭を下げると、彼の頭上でリーチが「キキッ」と鳴いた。
「リーチ、こんにちはっ」
ニコッとリーチに笑いかけながら幸子は応接室の様子を探る。
雲雀は机に立つ風とは向かい合うような形でソファーに座っている。2人の間には、アタッシュケース…。
「ん…?」
「まだ授業中のはずだけど?」
トゲのある雲雀の言葉にハッとして、幸子は手の中の本を見せた。
「先生に頼まれて、図書室に本を返しに行く途中なんだっ」
「ふうん。早く返しに行けば?」
「う、うん……。じゃあ、授業終わってからまた来るね」
応接室を出て、廊下を歩きながら幸子は溜め息をついた。
…前者だったな。ちくりと痛む胸。
でも……違う。
胸が痛むのは、雲雀の言動がわざと自分を締め出しているように聞こえたから。
あれは…そう。雲雀が幸子を守ろうとする時の"癖"のようなもの。
心が…ざわつく。