三人の訪問者
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数日後。いつものように応接室を訪ねると、来客があった。
いつものノリで特に部屋の様子を伺うでもなくドアを開けてしまった幸子は、あたふたして雲雀と来客に謝罪した。
「ご、ごめんなさい。お客さんがいると思わなくて」
「いえ。私の事は気にしないで下さい」
"来客"は行儀よく応えて穏やかに微笑んだ。
背格好はリボーンと同じくらいだろう。
頭に白い猿を乗せ、朱色のチャイナ服を着たその人物は、容姿こそ赤ん坊だが立ち振舞いは大人だ。
その端正な顔はどことなく雲雀を幼くしたようで…
(あれっ、私以前この人に…)
「お久しぶりですね。またお会いできて嬉しいです」
ペコリと頭を下げてから幸子を見た優しい瞳が"覚えている"と伝えてくる。
「風さん、でしたよねっ。この子がリーチで」
「キキッ」
「覚えていてくれたのですね」
ありがとうございます、と風がまた微笑む。心なしかリーチも嬉しそうだ。
「忘れる訳ないです!大切な…恩人なんだから」
雲雀からの贈り物。羽根の形を模したトップのついたシルバーペンダント。それを無くしてしまった時、見つけてくれたのが何を隠そう風とリーチなのである。
「あの時は本当にありがとうございました」
「いえ。お役に立てて何よりです。あのペンダントは今もあなたの胸元で輝いているのでしょうね」
「はいっ!大切にしてます!!」
言うなりブラウスのボタンをひとつだけ外し、並中にいる間はその存在を示す事のないペンダントを見せる。
「こうして……きゃっ!」
笑顔でペンダントトップを摘まみ上げようとした幸子の手を雲雀がぐいっと引っ張る。
「き、恭弥っ!?」
「何してんの、君は」
「な、なにって…ペンダントを見せようと」
「必要ない」
「えっ!?」
「雲雀恭弥は、あなたの肌が例え僅かでも自分以外の目に触れる事が我慢ならないんですよ」
風がくすくすと笑う。雲雀は不機嫌そうに風を一瞥した。
「ふてくされないで。その首筋を見れば、彼女があなただけのものである事は解りますから」
「っ、きゃあああっ!!」
言われて首筋に手を充てた幸子は、ハッと何かを思い出したように慌ててそこを隠した。
幸子の首筋に咲く赤い花は、雲雀の所有の証。
そんな幸子の様子を見て、また楽しそうに笑う風。本当に器の広い人なのだ。
「そういえば、まだあなたの名前を伺っていませんでした」
「あっ…」
確かにそうだった。あの時は礼もそこそこに雲雀に連れ去られてしまった為、名乗りすらしていない。
幸子は外した第一ボタンを留めてペンダントと赤を隠すと、ささっと織りを正し風に向き直った。
「木梨幸子です」
「幸子さん…良い名ですね」
「うわぁ、嬉しいなっ。ありがとうございます」
「ねえ、用が済んだならさっさと出てってくれる?風紀の仕事の邪魔だ」
「き、恭弥!? またそんな言い方をする」
「いいんですよ幸子さん。我々は失礼するとしましょうか、リーチ」
「キキッ」
窓にひらりと飛び乗った風を雲雀が「ねえ」と呼び止める。
「約束。ちゃんと守ってよね」
「はい、勿論です」
いつものノリで特に部屋の様子を伺うでもなくドアを開けてしまった幸子は、あたふたして雲雀と来客に謝罪した。
「ご、ごめんなさい。お客さんがいると思わなくて」
「いえ。私の事は気にしないで下さい」
"来客"は行儀よく応えて穏やかに微笑んだ。
背格好はリボーンと同じくらいだろう。
頭に白い猿を乗せ、朱色のチャイナ服を着たその人物は、容姿こそ赤ん坊だが立ち振舞いは大人だ。
その端正な顔はどことなく雲雀を幼くしたようで…
(あれっ、私以前この人に…)
「お久しぶりですね。またお会いできて嬉しいです」
ペコリと頭を下げてから幸子を見た優しい瞳が"覚えている"と伝えてくる。
「風さん、でしたよねっ。この子がリーチで」
「キキッ」
「覚えていてくれたのですね」
ありがとうございます、と風がまた微笑む。心なしかリーチも嬉しそうだ。
「忘れる訳ないです!大切な…恩人なんだから」
雲雀からの贈り物。羽根の形を模したトップのついたシルバーペンダント。それを無くしてしまった時、見つけてくれたのが何を隠そう風とリーチなのである。
「あの時は本当にありがとうございました」
「いえ。お役に立てて何よりです。あのペンダントは今もあなたの胸元で輝いているのでしょうね」
「はいっ!大切にしてます!!」
言うなりブラウスのボタンをひとつだけ外し、並中にいる間はその存在を示す事のないペンダントを見せる。
「こうして……きゃっ!」
笑顔でペンダントトップを摘まみ上げようとした幸子の手を雲雀がぐいっと引っ張る。
「き、恭弥っ!?」
「何してんの、君は」
「な、なにって…ペンダントを見せようと」
「必要ない」
「えっ!?」
「雲雀恭弥は、あなたの肌が例え僅かでも自分以外の目に触れる事が我慢ならないんですよ」
風がくすくすと笑う。雲雀は不機嫌そうに風を一瞥した。
「ふてくされないで。その首筋を見れば、彼女があなただけのものである事は解りますから」
「っ、きゃあああっ!!」
言われて首筋に手を充てた幸子は、ハッと何かを思い出したように慌ててそこを隠した。
幸子の首筋に咲く赤い花は、雲雀の所有の証。
そんな幸子の様子を見て、また楽しそうに笑う風。本当に器の広い人なのだ。
「そういえば、まだあなたの名前を伺っていませんでした」
「あっ…」
確かにそうだった。あの時は礼もそこそこに雲雀に連れ去られてしまった為、名乗りすらしていない。
幸子は外した第一ボタンを留めてペンダントと赤を隠すと、ささっと織りを正し風に向き直った。
「木梨幸子です」
「幸子さん…良い名ですね」
「うわぁ、嬉しいなっ。ありがとうございます」
「ねえ、用が済んだならさっさと出てってくれる?風紀の仕事の邪魔だ」
「き、恭弥!? またそんな言い方をする」
「いいんですよ幸子さん。我々は失礼するとしましょうか、リーチ」
「キキッ」
窓にひらりと飛び乗った風を雲雀が「ねえ」と呼び止める。
「約束。ちゃんと守ってよね」
「はい、勿論です」