思わぬ再会
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昼休み。母親お手製の 美味しくて栄養たっぷり愛情弁当を片手に 応接室へと続く廊下を歩いていた幸子は、思いがけない人物との再会に驚き、思わず足を止めた。
「クロームちゃん!!」
そう、笹川京子と一緒にいたのは見間違えるはずもない。クローム髑髏だった。
「……幸子?」
「やっぱりクロームちゃんだ!どうして並中に?」
黒曜の生徒あった彼女が、並中の制服を着て校内を歩いている理由などひとつしか思いあたらない。
「もしかして、並中に転校して来たの?」
「………」
興奮した口調で幸子が尋ねると、クロームは頬僅かに染めたまま こくん…と頷いた。
「うちのクラスに転校して来たんだよ」
クロームの隣に立っていた京子が、本当に嬉しそうな笑顔で言った。
「うわぁ、そうなんだっ。クロームちゃん、ようこそ並中へ」
思いがけずこんな形で逢えて嬉しい…と 彼女の手を取りはしゃぐと、感極まったのか、クロームは目じりに涙を溜め 一瞬キョロキョロと辺りを見回した。
「?…」
そうして何かを確かめ終えると、そのまま ぎゅっと幸子に抱きついてくる。
「く、クロームちゃん!?」
「……私も、幸子に…逢いたかった」
「!」
ぽそりと遠慮がちに紡がれる言葉。
「……心配、だった。ずっと。あんな事があったから……幸子のこと」
クロームの言う"あんな事"とは、数週間前に起きたあの出来事で間違いないだろう。
『幸子、お前は私のものです』
狂う程の愛を幸子に捧げた男――‥
「クロームちゃん…」
幸子がそのクセのある髪を優しく撫でると、クロームは顔を上げた。
身長差がほとんどないせいか、クロームの潤んだ瞳が涙でほんのり赤く充血しているのがよく分かる。
幸子は努めて明るい笑顔で彼女に語った。
「ありがとう、心配してくれて。私はもう大丈夫だよっ」
「幸子…」
「クロームちゃん大好きっ」
「っ!!」
ぎゅーと幸子が抱きしめ返すと、クロームは慌てたように言った。
「……雲の人」
「へっ?」
「…怒らせちゃう…!」
どうやら雲雀の事をとても気にしているらしい。
シモンの縄張りでの一件で雲雀の独占欲の強さを目の当たりにしたせいだろう。そう思うと、先程彼女がキョロキョロした理由も見えてくる。要は雲雀がいないか確認したのである。
「恭弥はここにはいないから、黙ってれば分からないよ」
「…うん…」
その言葉に安心したのか、クロームは嬉しそうにきゅっと抱きついた。
そういえばクロームは霧の守護者である六道骸の関係者である。
Ⅰ世の時代の霧の守護者と似た風貌を持つ骸。確か彼は復讐者の牢獄から出獄したはずだ。
やっと己が慕う者と逢えたというのに、ここに来てのクロームの転校。それはとても不自然な気がした。
骸とクロームの間に何かあったのだろうか。
「クロームちゃん!!」
そう、笹川京子と一緒にいたのは見間違えるはずもない。クローム髑髏だった。
「……幸子?」
「やっぱりクロームちゃんだ!どうして並中に?」
黒曜の生徒あった彼女が、並中の制服を着て校内を歩いている理由などひとつしか思いあたらない。
「もしかして、並中に転校して来たの?」
「………」
興奮した口調で幸子が尋ねると、クロームは頬僅かに染めたまま こくん…と頷いた。
「うちのクラスに転校して来たんだよ」
クロームの隣に立っていた京子が、本当に嬉しそうな笑顔で言った。
「うわぁ、そうなんだっ。クロームちゃん、ようこそ並中へ」
思いがけずこんな形で逢えて嬉しい…と 彼女の手を取りはしゃぐと、感極まったのか、クロームは目じりに涙を溜め 一瞬キョロキョロと辺りを見回した。
「?…」
そうして何かを確かめ終えると、そのまま ぎゅっと幸子に抱きついてくる。
「く、クロームちゃん!?」
「……私も、幸子に…逢いたかった」
「!」
ぽそりと遠慮がちに紡がれる言葉。
「……心配、だった。ずっと。あんな事があったから……幸子のこと」
クロームの言う"あんな事"とは、数週間前に起きたあの出来事で間違いないだろう。
『幸子、お前は私のものです』
狂う程の愛を幸子に捧げた男――‥
「クロームちゃん…」
幸子がそのクセのある髪を優しく撫でると、クロームは顔を上げた。
身長差がほとんどないせいか、クロームの潤んだ瞳が涙でほんのり赤く充血しているのがよく分かる。
幸子は努めて明るい笑顔で彼女に語った。
「ありがとう、心配してくれて。私はもう大丈夫だよっ」
「幸子…」
「クロームちゃん大好きっ」
「っ!!」
ぎゅーと幸子が抱きしめ返すと、クロームは慌てたように言った。
「……雲の人」
「へっ?」
「…怒らせちゃう…!」
どうやら雲雀の事をとても気にしているらしい。
シモンの縄張りでの一件で雲雀の独占欲の強さを目の当たりにしたせいだろう。そう思うと、先程彼女がキョロキョロした理由も見えてくる。要は雲雀がいないか確認したのである。
「恭弥はここにはいないから、黙ってれば分からないよ」
「…うん…」
その言葉に安心したのか、クロームは嬉しそうにきゅっと抱きついた。
そういえばクロームは霧の守護者である六道骸の関係者である。
Ⅰ世の時代の霧の守護者と似た風貌を持つ骸。確か彼は復讐者の牢獄から出獄したはずだ。
やっと己が慕う者と逢えたというのに、ここに来てのクロームの転校。それはとても不自然な気がした。
骸とクロームの間に何かあったのだろうか。