覚悟と帰還
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(このままじゃ獄寺君と山本君が…)
草むらに座り込んだまま成す術もなく、ただ自らの無力さを噛みしめていた幸子。
無意識に草を掴もうとしたその指先が 固いものに触れた。
「……?!」
竹箒だった。
掃く為に使用される部分は壊れてなくなっており、竹で出来た柄だけが無造作に転がっている。
それを見た幸子は覚悟を決めた。
(私が2人を助けなくちゃ…!!)
戦う力を持たない自分が 獄寺と山本すら敵わなかった相手に勝てるとは到底思えない。
だが 彼らの友人として 年長者として 2人を見殺しにする事は出来ない。絶対にしたくない!!
今度は私が守るんだ 2人を…!!
幸子は竹の柄を掴んだ。そして恐怖に捕らわれる自分の気持ちを奮い立たせながら 震える足でなんとか立ち上がる。
γが獄寺と山本に気を取られている今がチャンスだ。
幸子は震える両手で柄を握りしめた――‥
「ねえ、なに物騒なもの持ってるの?」
背後から聞こえた低い声。
「!!!」
心臓が一気に高鳴る。
目頭が熱くなり、体中の血液が沸騰したように じんじんと熱く体が痺れるのを感じた。
「武器を所持していいなんて言った覚えはないよ。これは風紀財団が没収する」
意を決して手にしたはずの竹の柄はいとも簡単に回収され、次いでそれが放り捨てられるカランという音がした。
「っ……」
想いが……溢れる。
「何度も言わせないで 幸子」
真横を通り過ぎ 幸子の前方へと歩みを進めた"彼"。
止めどなく零れる涙で ぼやけた視界に入る見知った黒いスーツの背中。
「君は僕が守る」
振り返った雲雀恭弥が 青灰色の瞳を真っ直ぐに向けながら告げた。
草むらに座り込んだまま成す術もなく、ただ自らの無力さを噛みしめていた幸子。
無意識に草を掴もうとしたその指先が 固いものに触れた。
「……?!」
竹箒だった。
掃く為に使用される部分は壊れてなくなっており、竹で出来た柄だけが無造作に転がっている。
それを見た幸子は覚悟を決めた。
(私が2人を助けなくちゃ…!!)
戦う力を持たない自分が 獄寺と山本すら敵わなかった相手に勝てるとは到底思えない。
だが 彼らの友人として 年長者として 2人を見殺しにする事は出来ない。絶対にしたくない!!
今度は私が守るんだ 2人を…!!
幸子は竹の柄を掴んだ。そして恐怖に捕らわれる自分の気持ちを奮い立たせながら 震える足でなんとか立ち上がる。
γが獄寺と山本に気を取られている今がチャンスだ。
幸子は震える両手で柄を握りしめた――‥
「ねえ、なに物騒なもの持ってるの?」
背後から聞こえた低い声。
「!!!」
心臓が一気に高鳴る。
目頭が熱くなり、体中の血液が沸騰したように じんじんと熱く体が痺れるのを感じた。
「武器を所持していいなんて言った覚えはないよ。これは風紀財団が没収する」
意を決して手にしたはずの竹の柄はいとも簡単に回収され、次いでそれが放り捨てられるカランという音がした。
「っ……」
想いが……溢れる。
「何度も言わせないで 幸子」
真横を通り過ぎ 幸子の前方へと歩みを進めた"彼"。
止めどなく零れる涙で ぼやけた視界に入る見知った黒いスーツの背中。
「君は僕が守る」
振り返った雲雀恭弥が 青灰色の瞳を真っ直ぐに向けながら告げた。