Ⅹ世の右腕
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「どうだ?ショットプラズマの味は。天国の扉は見えたか?」
声は穏やかなまま γが倒れた獄寺に問うた。草の上にうつ伏せに倒れた獄寺は小さく呻いて何とか顔を上げる。
「球に帯電させた電気を…途中でスパークさせたのか?」
「正確には電気の性質と極めて酷似した死ぬ気の炎だ。純度を増す程に切れ味が鋭くなるのが 雷属性の特徴でね」
γがキューを構えると、空に浮かぶ球が 帯状の死ぬ気の炎で繋がった。再びショットプラズマを放つつもりだ。
「そこんとこしっかり味わって――召されな!」
キューが勢いよく球をついた。
なんとか立ち上がった獄寺が 後方に跳んでギリギリの所で球をかわす。だが γの狙いはそこにあり。
「ゲタもねーのに飛んじまったな。おしまいだ」
跳んでかわした事により無防備になった獄寺に、雷属性の死ぬ気の炎を纏った球が襲いかかる!
「(しまっ……)!!」
突如として獄寺と球の間に躍り出た山本。
持っていた竹刀で思いきり獄寺を後方に吹っ飛ばした。
「っ!!」
ハッと幸子が口許に両手をあてて息を飲む。
ドッと地面に打ち付けられた獄寺はその拍子に背中を強く打ち、酸素を欲するように喉に詰まった血をガハッと吐いた。
幸子はそんな獄寺に駆け寄ると 膝をついて彼を助け起こした。
「獄寺君…!」
「心配すんな。これぐらいなんでもねー」
グイと口から垂れた血を拭いながら幸子に言うと、今度は視線を山本に移しながら彼の背に問いかける。
「てめ……何の…マネだ」
「お前の腐った根性叩き直しにきた。どーにも腹の虫がおさまんねーからな」
いつもより低い山本の声。
更に彼は続ける。
「お前 日本に来てツナに会うまで一匹狼で誰も信用してなかったんだってな」
「!」
山本がゆっくりと顔だけで獄寺を振り返った。
いつも笑顔の山本が初めて見せる真剣な表情(かお)。獄寺も幸子もそんな彼に戸惑い、言葉なく山本を見つめる。
「だからこそ初めて心を開いたツナに忠実なのは解る気がする。だけどツナにしか心を開かねーのは……ツナへの押しつけにしかなってねーぜ」
「なっ。何言いやがる!! てめー!!」
いきり立つ嵐の守護者と冷静沈着な雨の守護者。
「大体右腕ってのはボスが一番頼りにする守護者のリーダーじゃねーのか?守護者をまとめて引っ張ってかなきゃなんねー奴がそっぽ向いてんじゃ話にならねぇ!」
山本の瞳が鋭く獄寺を射抜いた。
「今のお前に右腕の資格はねーよ」
「!」
普段明るい山本だからこその重みのある言葉。
山本はそれだけ言うと くるりと踵を返しγと向き合った。
「わりーな。待たせちまって。選手交代だ」
「いいや。中々甘酸っぱくて楽しかったぜ」
敵の目の前でキューの手入れをするγは余裕の表情で返した。
(余裕かよ……)
そんなγの言動と行動に、山本は背筋をゾクッとさせた。
「すぐにお前にも味わわせてやる。召されな!!」
三度繰り出されたショットプラズマ。
刀に姿を変えた時雨金時を構え山本は覚悟を決める。
無数の球のひとつを下手に避けようものなら別の球の餌食になる。ならば攻略法はただひとつ。
(斬る!!)
声は穏やかなまま γが倒れた獄寺に問うた。草の上にうつ伏せに倒れた獄寺は小さく呻いて何とか顔を上げる。
「球に帯電させた電気を…途中でスパークさせたのか?」
「正確には電気の性質と極めて酷似した死ぬ気の炎だ。純度を増す程に切れ味が鋭くなるのが 雷属性の特徴でね」
γがキューを構えると、空に浮かぶ球が 帯状の死ぬ気の炎で繋がった。再びショットプラズマを放つつもりだ。
「そこんとこしっかり味わって――召されな!」
キューが勢いよく球をついた。
なんとか立ち上がった獄寺が 後方に跳んでギリギリの所で球をかわす。だが γの狙いはそこにあり。
「ゲタもねーのに飛んじまったな。おしまいだ」
跳んでかわした事により無防備になった獄寺に、雷属性の死ぬ気の炎を纏った球が襲いかかる!
「(しまっ……)!!」
突如として獄寺と球の間に躍り出た山本。
持っていた竹刀で思いきり獄寺を後方に吹っ飛ばした。
「っ!!」
ハッと幸子が口許に両手をあてて息を飲む。
ドッと地面に打ち付けられた獄寺はその拍子に背中を強く打ち、酸素を欲するように喉に詰まった血をガハッと吐いた。
幸子はそんな獄寺に駆け寄ると 膝をついて彼を助け起こした。
「獄寺君…!」
「心配すんな。これぐらいなんでもねー」
グイと口から垂れた血を拭いながら幸子に言うと、今度は視線を山本に移しながら彼の背に問いかける。
「てめ……何の…マネだ」
「お前の腐った根性叩き直しにきた。どーにも腹の虫がおさまんねーからな」
いつもより低い山本の声。
更に彼は続ける。
「お前 日本に来てツナに会うまで一匹狼で誰も信用してなかったんだってな」
「!」
山本がゆっくりと顔だけで獄寺を振り返った。
いつも笑顔の山本が初めて見せる真剣な表情(かお)。獄寺も幸子もそんな彼に戸惑い、言葉なく山本を見つめる。
「だからこそ初めて心を開いたツナに忠実なのは解る気がする。だけどツナにしか心を開かねーのは……ツナへの押しつけにしかなってねーぜ」
「なっ。何言いやがる!! てめー!!」
いきり立つ嵐の守護者と冷静沈着な雨の守護者。
「大体右腕ってのはボスが一番頼りにする守護者のリーダーじゃねーのか?守護者をまとめて引っ張ってかなきゃなんねー奴がそっぽ向いてんじゃ話にならねぇ!」
山本の瞳が鋭く獄寺を射抜いた。
「今のお前に右腕の資格はねーよ」
「!」
普段明るい山本だからこその重みのある言葉。
山本はそれだけ言うと くるりと踵を返しγと向き合った。
「わりーな。待たせちまって。選手交代だ」
「いいや。中々甘酸っぱくて楽しかったぜ」
敵の目の前でキューの手入れをするγは余裕の表情で返した。
(余裕かよ……)
そんなγの言動と行動に、山本は背筋をゾクッとさせた。
「すぐにお前にも味わわせてやる。召されな!!」
三度繰り出されたショットプラズマ。
刀に姿を変えた時雨金時を構え山本は覚悟を決める。
無数の球のひとつを下手に避けようものなら別の球の餌食になる。ならば攻略法はただひとつ。
(斬る!!)