談話室にて
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「リボーン君、お願いがあるの…」
他愛のない会話に一段落した頃、幸子はソーサーにカップを戻しながら話を切り出した。
パクッとクッキーを頬張っていたリボーンが幸子を見た。
僅かに変わった空気を察したのだろう。その顔に笑みはない。
「なんだ?」
「私に武器の使い方を…戦いを教えて」
ここに来てから……いや もっとずっと前から考え、何度も思っていた事。
「守られているばかりじゃなくて、私も守りたい。恭弥を…みんなを…大切な人達を」
そうなのだ。自分に戦う力があれば、今日だってみんなと一緒に行動できたかもしれない。
……雲雀の出張に連れて行ってもらえたかもしれないのだ。
リボーンは感情の読めない瞳で幸子を見つめていた。
長い静寂。
そしてリボーンの口から出た言葉は――‥
「無理だな」
ぐさりと何かが心に突き刺さった。
「リボーン君!」
幸子は思わず身を乗り出し、テーブルを挟んで向かい合うリボーンに懇願した。
「落ち着け。そんな情けねーツラしてんじゃねー」
「だって…っ」
「お前の気持ちは解る。だが無理だ。諦めろ」
リボーンは腕を組んだまま頑なに言った。
「どうして…?ビアンキさんやイーピンちゃんだって戦ってるのに」
「あいつらはオメーとは違う。プロだからな」
「っ……!」
泣きそうな顔で唇を噛み締める幸子を見て、リボーンはやれやれと首を横に振った。
「勘違いするなよ、幸子。"ダメ"と言ってるんじゃねー。"無理"だと言ってるんだ」
「えっ……?」
その微妙なニュアンスが、熱くなっていた幸子の頭を僅かに冷やす。
「人間には向き不向きがある。お前は間違いなく戦闘には向いてねー。戦うなんて無理だ。だが」
とリボーンが上目使いに幸子を見た。
「お前にはお前だけの武器がある」
「私だけの…?」
「そうだ。俺もヒバリも持ってねー。幸子だけが持つ"武器"がな」
自分だけが持つ武器…。
なんだろう?自慢じゃないが、生まれてこのかた武器なんて扱った事ない。
幸子が身を乗り出したまま押し黙ってしまうと、リボーンは口の端を上げた。
「分からねーか?」
「う、うん」
「そうか。まあ、いずれ分かる時が来るかもしれねーな」
意味深なリボーンの言葉。
おそらく彼は答えを教えてくれる気はないだろう。
「幸子を守るって、ヒバリがよく言ってんだろ?」
「っ、うん…」
「なら悩む必要はねー。大人しくヒバリに守られてろ」
「っ!」
その台詞はモヤモヤを吹っ飛ばしてしまうような威力を持っていて。
「うん、そうだね。そう…だよねっ。ありがとう。なんか少し楽になった」
「そうか」
「ついたぜ」
その時 通路で山本の声が聞こえドアが開いた。
山本に続いて顔を出したのは、獄寺。しかしその姿はよく知る大人になった彼ではなく、懐かしい並中時代の獄寺だ。
そんな獄寺の後ろから現れた人物。
それは、10年前の沢田綱吉だった。
他愛のない会話に一段落した頃、幸子はソーサーにカップを戻しながら話を切り出した。
パクッとクッキーを頬張っていたリボーンが幸子を見た。
僅かに変わった空気を察したのだろう。その顔に笑みはない。
「なんだ?」
「私に武器の使い方を…戦いを教えて」
ここに来てから……いや もっとずっと前から考え、何度も思っていた事。
「守られているばかりじゃなくて、私も守りたい。恭弥を…みんなを…大切な人達を」
そうなのだ。自分に戦う力があれば、今日だってみんなと一緒に行動できたかもしれない。
……雲雀の出張に連れて行ってもらえたかもしれないのだ。
リボーンは感情の読めない瞳で幸子を見つめていた。
長い静寂。
そしてリボーンの口から出た言葉は――‥
「無理だな」
ぐさりと何かが心に突き刺さった。
「リボーン君!」
幸子は思わず身を乗り出し、テーブルを挟んで向かい合うリボーンに懇願した。
「落ち着け。そんな情けねーツラしてんじゃねー」
「だって…っ」
「お前の気持ちは解る。だが無理だ。諦めろ」
リボーンは腕を組んだまま頑なに言った。
「どうして…?ビアンキさんやイーピンちゃんだって戦ってるのに」
「あいつらはオメーとは違う。プロだからな」
「っ……!」
泣きそうな顔で唇を噛み締める幸子を見て、リボーンはやれやれと首を横に振った。
「勘違いするなよ、幸子。"ダメ"と言ってるんじゃねー。"無理"だと言ってるんだ」
「えっ……?」
その微妙なニュアンスが、熱くなっていた幸子の頭を僅かに冷やす。
「人間には向き不向きがある。お前は間違いなく戦闘には向いてねー。戦うなんて無理だ。だが」
とリボーンが上目使いに幸子を見た。
「お前にはお前だけの武器がある」
「私だけの…?」
「そうだ。俺もヒバリも持ってねー。幸子だけが持つ"武器"がな」
自分だけが持つ武器…。
なんだろう?自慢じゃないが、生まれてこのかた武器なんて扱った事ない。
幸子が身を乗り出したまま押し黙ってしまうと、リボーンは口の端を上げた。
「分からねーか?」
「う、うん」
「そうか。まあ、いずれ分かる時が来るかもしれねーな」
意味深なリボーンの言葉。
おそらく彼は答えを教えてくれる気はないだろう。
「幸子を守るって、ヒバリがよく言ってんだろ?」
「っ、うん…」
「なら悩む必要はねー。大人しくヒバリに守られてろ」
「っ!」
その台詞はモヤモヤを吹っ飛ばしてしまうような威力を持っていて。
「うん、そうだね。そう…だよねっ。ありがとう。なんか少し楽になった」
「そうか」
「ついたぜ」
その時 通路で山本の声が聞こえドアが開いた。
山本に続いて顔を出したのは、獄寺。しかしその姿はよく知る大人になった彼ではなく、懐かしい並中時代の獄寺だ。
そんな獄寺の後ろから現れた人物。
それは、10年前の沢田綱吉だった。